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トレーニング

【筋トレ】筋肉量増加におけるトレーニングボリュームの重要性と誤解

札幌市中央区東本願寺前駅にある、初心者向けスポーツジム フィットメソッドです。

トレーニングの効果は、重量・回数・セット数などによって、大きく変わることが確認されていますが、ここ最近は「トレーニングボリューム」と呼ばれる指標が、よく取り上げられるようになってきました。

トレーニングボリューム (単に「ボリューム」とも呼ばれます) は、一般的に、重量・回数・セット数、以上3つの積で表され、55kg・5回・5セット、こんなメニューを行ったとすると「1375」⇦ これになります。

トレーニングボリュームに関する研究は、これまでいくつも行われており、筋肉量増加 (筋肥大) の程度を決定する重要な要素として、今日認識されつつある印象です。

しかし、トレーニングボリュームに対する誤解も、一方で多く見受けられます。

今回は「【筋トレ】筋肉量増加におけるトレーニングボリュームの重要性と誤解」というタイトルで記事を書いていきます。

高重量 vs. 中重量

まず、少し前までは「筋肉量増加には、高重量よりも中重量の方が効果的」と言われていました。

例えば (1) では、高重量グループと中重量グループにおける、トレーニングの効果を比較した研究が行われているのですが、筋肉量増加に関しては「高重量よりも中重量の方で有意に大きかった」との結論がなされています。

ちなみに、高重量は「2 〜 4回くらいできる重さ」に、中重量は「8 〜 12回くらいできる重さ」に設定されています。

しかし、この研究では、重量と回数は違えど、セット数が両グループとも3セットで揃えられており、トータルのボリュームは、高重量グループで「56049」中重量グループで「25867」と、倍以上の差がついています。

ボリュームは、重量が軽くなるほど稼ぎやすくなる性質があり、まぁ当然と言えば当然の結果です。

今度は、ボリュームを揃えた場合はどうなのかというと、これについても研究が行われています。

(2) では、高重量グループと中重量グループにおける、トレーニングの効果を調べているのですが、ここではセット数が調整され、両グループでボリュームが揃えられました。

イメージとしては ⇩ こんな感じで、高重量のセット数を増やし、中重量のセット数はそのままです。

高重量: 90㎏・3回・7セット = 1890
中重量: 77.5㎏・8回・3セット = 1860

結果、筋肉量増加に関しては「高重量と中重量で同等だった」つまり「高重量グループと中重量グループ、どちらも同じくらい筋肉がついた」との結論がなされています。

そのため、

「ボリュームを増大させることで、筋肉量増加効果も増大し、ボリュームが同等だと、筋肉量増加効果も同等になる」

と考えられることが多く、こういった理由から、ボリュームは「筋肉量増加の程度を決定する重要な要素」として、今日認識されつつあります。

低重量の場合は?

先ほど「ボリュームは、重量が軽くなるほど稼ぎやすくなる性質がある」とお伝えしました。

%1RM回数
1001
952
904
856
808
7510
7012
6515

上は「RM換算表」と呼ばれており、重量と回数の関係を表したものになっています。

左の%1RMは、最大挙上重量の%を意味しており、若干のずれはあるのですが、最大100kg持ち上げられる場合、80kg (つまり80%) ではMAX8回、65kg (つまり65%) ではMAX15回反復することができる、ということです。

ボリュームは、重量・回数・セット数、以上3つの積で表されますので、仮に1セットのトレーニングを行ったとすると、

・100kgでは1回なので、100kg × 1回 × 1セット で「100」
・80kgでは8回なので、80kg × 8回 × 1セット で「640」
・65kgでは15回なので、65kg × 15回 × 1セット で「975」

このように、軽くなるほど稼ぎやすくなる性質があります。

そのため、先述した通り「ボリュームを増大させることで、筋肉量増加効果も増大し、ボリュームが同等だと、筋肉量増加効果も同等になる」が真実だとすると、限度はあるかもしれませんが、重量を軽くするほど、筋肉量増加において効果的なはずです。

しかし、トレーニングの経験者であれば、もう感覚的にお分かりかと思いますが、そんなことは一切ありません。

例えば (3) では、20%・40%・60%・80%1RMでトレーニングを行い、ボリュームを揃えて、腕や脚の筋肉量がどれくらい増加するのかを調べています。

腕の筋肉脚の筋肉
20%+ 11.4%+ 8.9%
40%+ 25.3%+ 20.5%
60%+ 25.1%+ 20.4%
80%+ 25.0%+ 19.5%

このように、20%1RMみたいな軽い重量では、たとえボリュームが同等だとしても、筋肉量増加効果は弱くなることが確認されました。

また (4) では「30%1RM・3セット・限界まで」と「80%1RM・3セット・限界まで」でトレーニングを行い、脚の筋肉量がどれくらい増加するのかを調べています。

結果、どちらも同等の筋肉量増加効果が確認された = どちらも同じくらい筋肉がつくことがわかりました。

この研究では、30%1RMでは35回ほど、80%1RMでは10回ほどの回数を繰り返していたみたいですので、まず間違いなく、ボリュームは前者の方が大きいでしょう。

ということを踏まえると、20%とか30%1RMみたいな、いわゆる低重量に分類される重量に関しては、

「ボリュームを増大させることで、筋肉量増加効果は増大するが、(高重量・中重量と比較して) ボリュームが同等だとしても、筋肉量増加効果も同等になるとは限らず、ボリュームよりも「限界まで追い込む」ことが、筋肉量増加効果に大きく影響する」

ということが言えそうです。

最後に

今回は「【筋トレ】筋肉量増加におけるトレーニングボリュームの重要性と誤解」というタイトルで記事を書いてきましたがいかがだったでしょうか?

まとめると、

・ボリュームは、筋肉量増加の程度を決定する、重要な要素の1つであることは確か。
・高重量や中重量に関しては、ボリュームを同等にすることで、筋肉量増加効果も同等になる。
・低重量に関しては、高重量や中重量とボリュームが同等だとしても、筋肉量増加効果も同等になるとは限らない。
・低重量に関しては、ボリュームよりも「いかに限界まで追い込むか」が、筋肉量増加効果に影響する。
・重量の分類問わず、ボリュームを増大させることで、筋肉量増加効果も増大する。

こんな感じになるかと思います。

次回作もご期待ください。

 

参考文献

(1) Differential Effects of Heavy versus Moderate Loads on Measures of Strength and Hypertrophy in Resistance-Trained Men

(2) Effects of different volume-equated resistance training loading strategies on muscular adaptations in well-trained men

(3) Effects of different intensities of resistance training with equated volume load on muscle strength and hypertrophy

(4) Resistance exercise load does not determine training-mediated hypertrophic gains in young men

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