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トレーニング

インクラインとフラット 大胸筋上部への効果はベンチプレスの傾斜で変わる? フリーウエイト編

札幌市中央区東本願寺前駅にある、初心者向けスポーツジム フィットメソッドです。

以前「大胸筋上部の強化には角度をつけたインクラインベンチプレスが効果的?」というタイトルで記事を書きました。

内容を簡単にまとめると、

一般的なベンチプレスは、ベンチ台を床と水平 (フラット) に保ち実施されるが、頭の位置をお尻よりも高くし傾斜をつけたバリエーションは、インクラインベンチプレスと呼ばれている。インクラインベンチプレスはフラットベンチプレスと比較して、大胸筋上部を鍛えるに効果的とされており、トレーニング未経験者を対象とした研究では「インクラインベンチプレスはフラットベンチプレスと比較して、大胸筋上部をより肥大させた」との報告がなされている。

的な感じです。

しかし、そこで紹介した研究では「スミスマシン」を採用しており「フリーウエイト」ではありません。

今回は「インクラインとフラット 大胸筋上部への効果はベンチプレスの傾斜で変わる? フリーウエイト編」というタイトルで記事を書いていきます。

結論

最初に結論からお伝えしますが、

インクラインベンチプレスはフラットベンチプレスと比較して、大胸筋上部を鍛えるに効果的である可能性は十分に考えられる。しかし、ベンチプレスでどの部位が強化されるかは、傾斜だけでなくバーベルを握る手幅・バーベルの軌道・バーベルを下ろす位置なども関係してくると思われ、それら他の要因によっては、インクラインベンチプレスよりもフラットベンチプレスの方が、大胸筋上部を鍛えるに効果的である可能性も十分に考えられる。

となっています。

ベンチプレスにおける筋活動について

Effect of Five Bench Inclinations on the Electromyographic Activity of the Pectoralis Major, Anterior Deltoid, and Triceps Brachii during the Bench Press Exercise

研究内容をザックリ書き出します。

トレーニング経験者を対象に、ベンチプレスを5パターンの傾斜角 (0°・15°・30°・45°・60°) で実施し、大胸筋上部・大胸筋中部・大胸筋下部・三角筋前部・上腕三頭筋の活動を調べた。

重さは、各傾斜角の60%1RMに設定され、下記の指示が出された。

・バーベルを握る手幅は、おおよそ肩幅の150%。
・バーベルは胸から1㎝浮かしたところで止め、肩は約45°外転させる。

結果は以下を参照。

・大胸筋上部は、30°で最も活動した。
・大胸筋中部は、0°で最も活動した。
・大胸筋下部は、0°で最も活動した。
・三角筋前部は、60°で最も活動した。
・上腕三頭筋は、すべての傾斜角で同様に活動した。


この研究では、トレーニング経験者を対象に、ベンチプレスを0°・15°・30°・45°・60°の傾斜角で実施し、大胸筋上部・大胸筋中部・大胸筋下部・三角筋前部・上腕三頭筋の活動を調べています (もちろん、フリーウエイトです) 。

上のグラフは、論文に添付されているものを引用しており、PMUPが大胸筋上部・PMMPが大胸筋中部・PMLPが大胸筋下部・ADが三角筋前部・TBが上腕三頭筋の活動を示しています。

結果ですが、大胸筋上部は「30°で最も活動した」そして「0°・15°・30°・45°間では有意な差が確認されなかったが、60°との間には有意な差が確認された」とのことです。

感想

冒頭で触れた通り「インクラインベンチプレスはフラットベンチプレスと比較して、大胸筋上部を鍛えるに効果的」とされているわけですが、このセリフは「インクラインベンチプレスはフラットベンチプレスと比較して、大胸筋上部の方に、大胸筋中部や大胸筋下部よりも大きな刺激が入る」と言い換えられます。

先ほどのグラフを見てみると、フラットベンチプレスでは、大胸筋上部・大胸筋中部・大胸筋下部の活動に大きな違いはないものの、傾斜角が増加するにしたがい (特に30°・45°のインクラインベンチプレスでは) 、大胸筋上部と、大胸筋中部および大胸筋下部との開きは大きくなっていますので、確かにその可能性はありそうです。

もっとも、この研究は長期的なトレーニング効果を調べているわけではないため、実際にはこれと全く異なった結論が得られるかもしれません。

また、例えば (1) では、ベンチプレスのバーベルを握る手幅を変えることによって、大胸筋の活動にも影響が及んだとの報告がなされています。

そのため、バーベルの軌道・バーベルを下ろす位置などによっては、インクラインベンチプレスよりもフラットベンチプレスの方が、大胸筋上部を鍛えるに効果的である可能性も十分に考えられるでしょう。

最後に

今回は「インクラインとフラット 大胸筋上部への効果はベンチプレスの傾斜で変わる? フリーウエイト編」というタイトルで記事を書いてきましたがいかがだったでしょうか?

次回作もご期待ください。

 

参考文献

(1) The influence of grip width and forearm pronation/supination on upper-body myoelectric activity during the flat bench press



札幌市近郊にお住いの方は、
ぜひ フィットメソッド をご利用ください。


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