札幌市中央区東本願寺前駅にある、初心者向けスポーツジム フィットメソッドです。
トレーニングのプログラムは、その1回において特定の部位のみを鍛える「分割法」と、全身を満遍なく鍛える「全身法」に分類することができます。
分割法 | 全身法 | |
日曜日 | ー | ー |
月曜日 | 胸の日 | 全身 (胸 + 背中 + 脚) |
火曜日 | ー | ー |
水曜日 | 背中の日 | 全身 (胸 + 背中 + 脚) |
木曜日 | ー | ー |
金曜日 | 脚の日 | 全身 (胸 + 背中 + 脚) |
土曜日 | ー | ー |
上の表は、その分割法と全身法の例を表したものです。
しかし、この分割法と全身法、見方を変えると「低頻度」と「高頻度」と言い換えることができます。
例えば分割法では、胸を月曜日にのみ鍛えているため、胸への刺激は週1回の頻度でしか入りません。
一方全身法では、胸を月・水・金曜日に鍛えているため、胸への刺激は週3回の頻度で入ります。
もっとも、その箇所に対する1回あたりの刺激の量で考えると、分割法 > 全身法となるため、
分割法:まとめてドバッと
全身法:小分けでコツコツと
と捉えて問題ないでしょう。
では、この低頻度と高頻度、トレーニングの効果に違いはあるのでしょうか?
今回は「分割法 vs. 全身法 = 低頻度 vs. 高頻度 筋トレの効果に違いはあるのか?」というタイトルで記事を書いていきます。
低頻度 vs. 高頻度
Influence of Resistance Training Frequency on Muscular Adaptations in Well-Trained Men
研究内容をザックリ書き出します。
平均トレーニング期間4.5年の経験者を対象に、彼らを「低頻度グループ」と「高頻度グループ」に分けた。
低頻度グループは分割法を採用し1セッションで2 〜 3つの筋群をトレーニング、高頻度グループは全身法を採用し1セッションで全筋群をトレーニングした。
トレーニングは週3回の頻度で8週間に渡り行われ、種目・重さ・回数・セット数・セット間休憩時間などの変数は統一された。
トレーニング前後で、筋肉量や筋力がどのように変化するのかを調べた。
低頻度 | 高頻度 | |
上腕二頭筋 | + 4.4% | + 6.5% |
上腕三頭筋 | + 5.0% | + 8.0% |
大腿四頭筋 | + 2.1% | + 6.7% |
ベンチプレス | + 6.8% | + 10.6% |
スクワット | + 12.1% | + 13.8% |
結果、両グループで筋肉量や筋力は有意に同様に増加した。
上腕二頭筋に関しては、低頻度よりも高頻度で有意に増加した。
この研究では、トレーニング経験者を対象に、彼らを「低頻度」と「高頻度」の2グループに分け、筋肉量や筋力がどのように変化するのかを調べています。
低頻度 = 分割法グループと、高頻度 = 全身法グループのプログラムは以下の通りです。
低頻度 | 高頻度 | |
Day 1 | ベンチプレス インクラインプレス チェストプレス ワイドラットプルダウン ナローラットプルダウン シーテッドロウ | スクワット スティッフレッグデッドリフト ベンチプレス ワイドラットプルダウン ショルダープレス ハンマーカール プッシュダウン |
Day 2 | スクワット レッグプレス レッグエクステンション スティッフレッグデッドリフト レッグカール グッドモーニング | レッグプレス レッグカール インクラインプレス ナローラットプルダウン ハンマーショルダープレス バーベルカール スカルクラッシャー |
Day 3 | ショルダープレス ハンマーショルダープレス アップライトロウ ハンマーカール バーベルカール プリーチャーカール プッシュダウン スカルクラッシャー フレンチプレス | レッグエクステンション グッドモーニング チェストプレス シーテッドロウ アップライトロウ プリーチャーカール フレンチプレス |
種目は、実施するタイミングが違うだけで、両グループとも同じエクササイズを取り入れています。
各種目は、8 〜 12回できる重さ・フォームが維持できる限界まで・2 〜 3セット・90秒のセット間休憩を挟んだみたいです。
そして結果ですが、両グループで上腕二頭筋の厚み・上腕三頭筋の厚み・大腿四頭筋の厚み (筋肉量) や、ベンチプレスの最大挙上重量・スクワットの最大挙上重量 (筋力) は有意に同様に増加し、ただし上腕二頭筋の厚みに関しては、低頻度よりも高頻度でより大きかったとのデータが示されました。
感想
先ほど紹介した研究では、上腕二頭筋以外の4項目 (上腕三頭筋・大腿四頭筋・ベンチプレス・スクワット) において、両グループで同様の増加が確認されたとのことでしたが、統計的に意味のある差ではなかったにせよ、完全な私個人の主観としては、低頻度よりも高頻度の方が、つまり分割法よりも全身法の方がやや効果的な印象を受けます。
ここでは、各グループのトレーニングボリューム (重さ × 回数 × セット数) も計測されており、
低頻度 | 高頻度 | |
胸の筋肉 | 4,564 | 5,246 |
背中の筋肉 | 5,390 | 5,908 |
太もも前の筋肉 | 10,961 | 13,335 |
太もも裏の筋肉 | 5,123 | 5,469 |
肩の筋肉 | 2,014 | 2,123 |
腕表の筋肉 | 1,468 | 1,501 |
腕裏の筋肉 | 2,266 | 2,251 |
このようになっているのですが、こちらもグループ間で有意な差は見られていないものの、低頻度 (分割法) よりも高頻度 (全身法) の方がやや大きい印象を受けます。
冒頭で触れた通り、その箇所に対する1回あたりの刺激は、
分割法:まとめてドバッと
全身法:小分けでコツコツと
となるため、分割法は全身法と比較して、後半になるほどトレーニングの質が落ちてしまうかもしれません。
例えば、ベンチプレス・インクラインプレス・チェストプレスの3種目は、全て大胸筋 = 胸の筋肉を鍛えるエクササイズですが、仮に分割法で「ベンチプレス ⇨ インクラインプレス ⇨ チェストプレス」の順番でトレーニングを行うと、チェストプレスは疲労で重い重量を扱えないはずです。
一方全身法では、仮に「レッグエクステンション ⇨ グッドモーニング ⇨ チェストプレス」こんな順番でトレーニングを行ったとしても、レッグエクステンション・グッドモーニングの2種目は基本的に脚腰を強化するもので、大胸筋を鍛えるエクササイズではないため、それなりに重い重量を扱えるはずです。
トレーニングにおいて、低頻度よりも高頻度の方が、つまり分割法よりも全身法の方が高いパフォーマンスを維持しやすいということです。
おそらくこの違いが、あのような結果に繋がったのでしょう。
最後に
今回は「分割法 vs. 全身法 = 低頻度 vs. 高頻度 筋トレの効果に違いはあるのか?」というタイトルで記事を書いてきましたがいかがだったでしょうか?
このトピックについて詳しく知りたい方は、
長時間 vs. 短時間 筋トレの時間はどっちが良い? 効果が違うって本当?
【筋トレ】全身法 vs. 分割法 トレーニングで効果的なのはどっち?
これらをご一読いただけると、さらに理解が深まるかと思います。
次回作もご期待ください。
札幌市近郊にお住いの方は、
ぜひ フィットメソッド をご利用ください。