札幌市中央区東本願寺前駅にある、初心者向けスポーツジム フィットメソッドです。
以前「45分?60分?筋トレ時間の目安 長時間のトレーニングはダメ?」というタイトルの記事を書きました。
簡単にまとめると、
「1回あたり180分のトレーニングを週1の頻度」と「1回あたり60分のトレーニングを週3の頻度」では、どちらも週あたり180分をトレーニングに割いているけど、可能であれば、前者のようにまとめて長時間ではなく、後者のように小分けで短時間をオススメする。長時間のトレーニングがダメとは全く思わないが、疲労が溜まるにつれ、集中力・注意力が散漫になり、結果フォームが乱れ、怪我をするリスクが高まったり、関節に過度な負担が掛かり、慢性的な痛みを誘発する可能性がある。短時間のトレーニングであれば、それらの危険性を回避することができるはず。
こんな感じになっています。
しかし、そこではトレーニング時間の長短による、効果への影響については触れませんでした。
今回は「長時間 vs. 短時間 筋トレの時間はどっちが良い? 効果が違うって本当?」というタイトルで記事を書いていきます。
まとめて 週1長時間 vs. 小分けで 週4短時間
High-frequency resistance training improves maximal lower-limb strength more than low frequency
研究内容をザックリ書き出します。
過去半年間に渡ってトレーニング経験のある男女を対象に「まとめて週1長時間グループ」と「小分けで週4短時間グループ」に分けた。
トレーニングプログラムは、スクワット・デッドリフト・スプリット・ブルガリアンスクワットの4エクササイズから構成され、6 〜 12RM・4 〜 5セット・セット間休憩は2 〜 3分・まとめて週1長時間グループは1回のセッションで全メニューを、小分けで週4短時間グループは1回のセッションでいずれかの1種目を、合計8週間実施した。
トレーニング前後で、筋肉量や筋力がどのように変化するのかを調べた。
結果は以下の通り。
長時間 | 短時間 | |
大腿四頭筋厚 | + 2.8㎜ | + 2.3㎜ |
スクワット1RM | + 8kg | + 15kg |
両グループで、大腿四頭筋厚 (筋肉量) は増加したが、グループ間で差は確認されなかった。
両グループで、スクワット1RM (筋力) は増加したが、まとめて週1長時間グループよりも小分けで週4短時間グループの方が有意に大きかった。
この研究では、トレーニング経験のある男女を対象に「長時間グループ」と「短時間グループ」に分け、下肢を鍛える4つのエクササイズを実施し、筋肉量や筋力にどのような影響を及ぼすのかについてを調べています。
各グループのセッション日程ですが、
長時間 | 短時間 | |
月曜日 | 4エクササイズ全て | スクワット |
火曜日 | ー | ー |
水曜日 | ー | デッドリフト |
木曜日 | ー | スプリット |
金曜日 | ー | ー |
土曜日 | ー | ブルガリアンスクワット |
日曜日 | ー | ー |
こんな感じです。
そして結果ですが、筋肉量はどちらのグループも同等に増加したものの、筋力に関しては長時間よりも短時間ので効果が大きくなりました。
個人的な感想
まとめて長時間と小分けで短時間では、まず間違いなく後者の方がトレーニングの質を高めることができるでしょう。
まとめて長時間では、後半のエクササイズになるほど疲労による悪影響が生じる一方、小分けで短時間では、ある程度疲労が回復した状態で別のエクササイズに臨むことができます。
実際、先ほど紹介した研究では、8週間の研究期間内に各エクササイズの使用重量は増加していますが、その程度には差があったみたいです。
長時間 | 短時間 | |
スクワット | + 19.5 | + 24.1 |
デッドリフト | + 15.5 | + 19.3 |
スプリット | + 10.9 | + 14.1 |
ブルガリンスクワット | + 9.1 | + 12.9 |
また、同じく8週間の研究期間内におけるトータルの挙上重量も調べられているのですが、有意差は認められなかったものの、長時間グループは 53,159 kgだったのに対し、短時間グループは 62,559 kgとなっています。
そのため、トレーニングの効果を最大限高めたいのであれば、まとめて長時間よりも小分けで短時間の方がオススメできそうです。
とは言えど、いわゆる「時間対効果」という点では、まとめて長時間の方が小分けで短時間よりも優れているかもしれません。
トレーニングを行う場合は、ジムに行くまで・着替え・ウォームアップ・クールダウン・家に帰るまでなど、筋トレそのもの以外にも時間が取られます。
まとめて長時間ではそれらが少なくて済む一方、小分けで短時間では複数回繰り返すとなると、筋トレそのものの時間は同じでも、トータルの所要時間は数倍の差が出ることもあるでしょう。
「まとめて長時間と小分けで短時間では、トレーニングの効果が明らかに異なる」というわけではないため、状況に応じた選択をされるのが望ましいかと思います。
最後に
今回は「長時間 vs. 短時間 筋トレの時間はどっちが良い? 効果が違うって本当?」というタイトルで記事を書いてきましたがいかがだったでしょうか?
なお、ここでは「時間」を軸に解説してきましたが「頻度」にも置き換えることが可能です。
・長時間と短時間では、後者の方が筋力の向上効果が大きい。
・低頻度と高頻度では、後者の方が筋力の向上効果が大きい。
※ 1週間単位でのプログラムが同じ場合
次回作もご期待ください。