札幌市中央区東本願寺前駅にある、初心者向けスポーツジム フィットメソッドです。
「スロートレーニング」と呼ばれる筋トレ方法があります。
文字通り「トレーニングの動きを意図的に遅くする」というもので、動作速度 (=動作にかける時間) に一定の決まりはありませんが「厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト」によると、
スロートレーニングではいろいろな動作方法が提唱されていますが、「3~5秒程度かけてあげて、3~5秒かけて下げる」という動作が一般的です。
とのことです。
先ほどお伝えした通り、スロートレーニングはゆっくりと動作を行う関係で「軽い負荷でも筋肉に刺激を与えることができる」という特性があり「関節に対しての負担を減少させる = 怪我をしにくい安全性の高い筋トレ」であると考えられています。
そのため、例えば高齢の方であったり、身体にどこか不安をお持ちの方など、比較的ハードな運動が困難な方に推奨されている印象です。
しかし、筋肉量増加・筋力向上の効果は、一体どれほどのものなのでしょうか?
今回は「スロートレーニングとは何ですか? 普通の筋トレとの違いについて」というタイトルで記事を書いていきます。
スロートレーニングにおける効果について
Effects of low-intensity resistance exercise with slow movement and tonic force generation on muscular function in young men
研究内容をザックリ書き出します。
定期的な運動経験のない若年男性を3つのグループに分け、週3回・12週間のトレーニング (レッグエクステンション) を実施した。
グループ ① :低強度・スロートレーニンググループ
グループ ② :高強度・通常速度グループ
グループ ③ :低強度・通常速度グループ
トレーニング前後で、大腿四頭筋断面積 (筋肉量) ・レッグエクステンションの最大挙上重量 (筋力) がどのように変化するのかを調べた。
断面積 | 最大挙上重量 | |
低強度・スロートレーニング | + 5.4% | + 28.1% |
高強度・通常速度 | + 4.3% | + 31.8% |
低強度・通常速度 | ー | + 15.9% |
大腿四頭筋断面積は、低強度・スロートレーニンググループと高強度・通常速度グループで同様に増加したが、低強度・通常速度グループでは有意な変化が見られなかった。
レッグエクステンションの最大挙上重量は、全てのグループで増加したが、グループ間で有意な差が見られなかった。
この研究では、定期的な運動経験のない若年男性を3つのグループに分け、週3回・12週間のトレーニング (レッグエクステンション) を実施し、大腿四頭筋断面積 (筋肉量) ・レッグエクステンションの最大挙上重量 (筋力) がどのように変化するのかを調べています。
各グループの詳細は、
低強度・スロートレーニンググループ:約50%1RMの重量で下降・挙上に各3秒ずつ、上げたところで1秒停止を8回
高強度・通常速度グループ:約80%1RMの重量で下降・挙上に各1秒ずつ、下げたところで1秒停止を8回
低強度・通常速度グループ:約50%1RMの重量で下降・挙上に各1秒ずつ、下げたところで1秒停止を8回
こんな感じになっており、簡単に言うと、
低強度・スロートレーニンググループ:軽い重さでゆっくり
高強度・通常速度グループ:重い重さで比較的速く
低強度・通常速度グループ:軽い重さで比較的速く
だと思っていただければ、大きな問題はないはずです。
そして結果ですが、
大腿四頭筋断面積は、低強度・スロートレーニンググループと高強度・通常速度グループで同様に増加したが、低強度・通常速度グループでは有意な変化が見られなく、レッグエクステンションの最大挙上重量は、全てのグループで増加したが、グループ間で有意な差が見られなかった、とのことです。
スロートレーニングは、いわゆる「普通の筋トレ」と、同等の筋肉量増加・筋力向上の効果が確認されたと言えます。
個人的な感想
重さとか回数とか、そういったプログラムメニューの違いが、トレーニングの効果にどのような影響を及ぼすのかを調べた研究はいくつもあり、それらを読む限り、筋肉量増加に関しては「追い込む」ことが重要になると近年報告されています。
先ほどの研究では、低強度・スロートレーニンググループと高強度・通常速度グループにおいて、同様の筋肉量増加が確認されていますが、この2つのグループでは、各セット限界まで追い込みをかけており、それがこのような結果を生じさせたのでしょう。
一方、筋力向上に関しては「より重い重さ」を扱うことが現在推奨されており、先ほどの研究では、低強度・スロートレーニンググループと高強度・通常速度グループにおいて、確かに有意差は確認されていませんが、当ブログでは省略した他の指標も眺めてみると、低強度・スロートレーニンググループよりも高強度・通常速度グループで大きくなっている印象があり、12週間以上のもっと長い期間であったら「低強度・スロートレーニンググループ < 高強度・通常速度グループ」という結果になっていたかと思われます。
しかし「この条件のもと」という前提はありますが、普通の筋トレと比較して、同等の筋肉量増加・筋力向上の効果が確認されたのは事実ですので、冒頭で触れたように、例えば高齢の方であったり、身体にどこか不安をお持ちの方などは、スロートレーニングに挑戦してみるのもありかもしれません。
最後に
今回は「スロートレーニングとは何ですか? 普通の筋トレとの違いについて」というタイトルで記事を書いてきましたがいかがだったでしょうか?
次回作もご期待ください。