札幌市中央区東本願寺前駅にある、初心者向けスポーツジム フィットメソッドです。
腹筋を鍛える種目はたくさんありますが、その中でも当ジムでは「レッグレイズ」と呼ばれるエクササイズを、お客様によく指導しています。
レッグレイズは、別名「脚上げ腹筋」とも呼ばれており、文字通り仰向けに寝そべって、脚を真上へと持ち上げていく種目です。
今回は「【腹筋種目】筋トレ初心者にレッグレイズをオススメしている理由」というタイトルで記事を書いていきます。
大腿直筋を鍛えることができるから
レッグレイズをオススメしている理由はいくつかあるのですが、そのうちの1つとして「大腿直筋を鍛えることができるから」というものが挙げられます。
まず、特に初心者の方がトレーニングを行う際は、ダイエット・ボディメイク・スポーツ競技力向上など、目的は何であれ、全身を満遍なく鍛えることが基本です。
これは「全面性の原則」と呼ばれており「どこか特定の部位を発達させるのではなく、バランス良く強化していきましょう」というものです。
例えば、太もも裏の筋肉 ハムストリングスは、肉離れを起こしやすい箇所として知られていますが、その原因として、太もも前の筋肉 大腿四頭筋との筋力差が考えられています (1) 。
「ハムストリングスが弱く、大腿四頭筋が強い場合、肉離れを起こすリスクが高くなる可能性がある」ということです。
どこか特定の部位が発達した (どこか特定の部位が脆弱な) 状態では、傷害であったり、姿勢不良であったり、慢性的な疼痛であったりと、何か悪影響を及ぼす危険性が示唆されており、そのような理由から、バランス良く強化することが大切であるとされています。
そのため、当ジムではもちろん、他ジムでも「下半身の筋肉はスクワットで鍛えて、上半身の筋肉はベンチプレスで鍛えて」みたいな感じで、1つではなく、複数の種目をメニューに組み込むことを推奨しています。
その中でも「スクワット」は「キング・オブ・エクササイズ」と評価されており、大腿四頭筋・太もも内側の筋肉 内転筋群・お尻の筋肉 大臀筋など、下肢の筋群数多くを強化することができるため、どのスポーツジムでもオススメされている印象です。
しかし、このスクワットをもってしても、実はほとんど鍛えることのできない部位があります。
それが「大腿直筋 (だいたいちょっきん) 」です。
大腿直筋は、上のイラストにあるよう、大腿四頭筋を構成する4つのうちの1つで、太もも前の丁度真ん中、表層に位置しています。
2019年、過去1年に渡って、トレーニング経験のない健康な男性を対象に、週2回の頻度で10週間スクワットを実施してもらい、大腿四頭筋を構成する各部位の断面積が、どのように変化するのかを調べた論文が発表されました (2) 。
その結果がこちらです。
大腿直筋 (㎠) | 291.8 ⇨ 290.9 |
外側広筋 (㎠) | 639.0 ⇨ 682.7 |
内側広筋 (㎠) | 480.2 ⇨ 512.5 |
中間広筋 (㎠) | 556.3 ⇨ 576.0 |
外側広筋・内側広筋・中間広筋の3つは、トレーニング前後で有意な肥大が認められましたが、大腿直筋だけは変化が確認されませんでした。
インターネットを見ていると「スクワットは、太もも前の筋肉 大腿四頭筋を鍛えることができます」と書いてあるWEBサイトを良く目にしますが、あれは決して間違いではないものの、厳密には「スクワットは、太もも前の筋肉 大腿四頭筋のうち、外側広筋・内側広筋・中間広筋の3つを鍛えることができます」と言えるでしょう。
話を少し戻しますが、特に初心者の方がトレーニングを行う際は、ダイエット・ボディメイク・スポーツ競技力向上など、目的は何であれ、全身を満遍なく鍛えることが原則でした。
そのため、スクワットで大腿直筋を鍛えることができないのであれば、何か別の種目で強化してあげる必要が出てきます。
では、どのような種目を取り入れれば、大腿直筋を鍛えることができるのかというと、それがレッグレイズです。
レッグレイズは、冒頭で触れた通り、仰向けに寝そべって、脚を真上へと持ち上げていく種目なわけですが、このとき股関節には「屈曲」という動作が要求されます。
そして、この股関節の屈曲に働くのが、大腿直筋です。
腹筋を鍛える種目はたくさんありますが、おそらく最もメジャーな「クランチ」は、股関節の屈曲動作が要求されないため、大腿直筋にほとんど刺激が入りません。
一方レッグレイズは、繰り返しになりますが、股関節の屈曲動作が要求されるため、大腿直筋の筋活動は、クランチよりも有意に高くなります (3) 。
これが、お客様にレッグレイズをオススメしている理由です。
最後に
今回は「【腹筋種目】筋トレ初心者にレッグレイズをオススメしている理由」というタイトルで記事を書いてきましたがいかがだったでしょうか?
もっとも、お客様にレッグレイズをオススメしている理由は、大腿直筋を鍛えることができるから、以外にもあるのですが、それはまた別の機会にでもお伝えできれば、と思います。
次回作もご期待ください。
参考文献
(1) Relationship between hamstring strains and leg muscle strength. A follow-up study of collegiate track and field athletes
(2) Effects of squat training with different depths on lower limb muscle volumes
(3) 代表的な筋力トレーニング種目における主働筋の筋電図学的分析