札幌市中央区東本願寺前駅にある、初心者向けスポーツジム フィットメソッドです。
タンパク質を主成分とした栄養補助食品である「プロテイン」は、その原材料から大きく「植物性」と「動物性」の2つに分類することができます。
植物性では、大豆を原材料とした「ソイプロテイン」が、動物性では、牛乳を原材料とした「ホエイプロテイン」が有名なものとして挙げられますが、筋力向上や筋肉量増加を目的としている場合は、ホエイプロテインが推奨されている印象です。
一方、ソイプロテインに関しては「意味がない」「効果が薄い」みたいに、否定的な意見も結構多く見受けられます。
これ、本当なのでしょうか?
今回は「ソイプロテインは筋肉がつかない?ホエイプロテインとの効果の違い」というタイトルで記事を書いていきます。
ソイ vs. ホエイ
High-Protein Plant-Based Diet Versus a Protein-Matched Omnivorous Diet to Support Resistance Training Adaptations: A Comparison Between Habitual Vegans and Omnivores
大まかな研究内容は以下の通りです。
過去1年間、トレーニングをしていない菜食主義者 (ヴィーガン) と雑食主義者 (植物性も動物性も食べる人) を対象に、週2回の頻度で12週間、レッグプレスとレッグエクステンションを実施した。
菜食主義者はソイプロテインを、雑食主義者はホエイプロテインを追加で摂取し、タンパク質量が、体重1kgあたり1.6gになるように調整した。
トレーニング前後で、脚部除脂肪量・大腿四頭筋断面積・レッグプレス1RMなどを測定し、どれくらい増加するのかを調べた。
菜食主義者 | 雑食主義者 | |
脚部除脂肪量 | 1.2 ± 1.0 kg | 1.2 ± 0.8 kg |
大腿直筋断面積 | 1.0 ± 0.6 ㎠ | 0.9 ± 0.5 ㎠ |
外側広筋断面積 | 2.2 ± 1.1 ㎠ | 2.8 ± 1.0 ㎠ |
レッグプレス1RM | 97 ± 38 kg | 117 ± 35 kg |
脚部除脂肪量・大腿四頭筋断面積・レッグプレス1RMは両グループで同様に増加し、グループ間で差は見られなかった。
個人的な所感
冒頭でちょこっと触れましたが、今現在もソイプロテインは悪者?扱いされることが多く、トレーニーの間では、基本的にホエイプロテインが推奨されています。
なぜこういった現状になったのかはわかりませんが、おそらく「短時間における筋タンパク質の合成率」の報告が関係しているのかな?という印象です。
例えば (1) では、ソイプロテインを摂取するグループと、ミルクプロテイン ( ≒ ホエイプロテイン) を摂取するグループを用意し、トレーニング直後、および3時間後における、筋タンパク質の合成率を計測しています。
その結果が以下です。
白グラフがソイプロテイン、黒グラフがミルクプロテイン、Exerciseがトレーニング直後、3h Recoveryが3時間後における筋タンパク質の合成率、を表しています。
注目したいのは「3h Recovery」の部分なのですが、ソイプロテインに比べて、ミルクプロテインで有意に高くなっているのが確認できますでしょうか?
筋タンパク質の合成は「タンパク質を筋肉に取り込む作業」と表現でき、その率が、ソイプロテインは小さく、ミルクプロテインで大きくなっているのであれば「ミルクプロテインの方が筋肉をつけることができるだろう」との推測が立ちます。
このような報告は他にもいくつかなされており、そういった背景もあって、ソイプロテインはあまり推奨されていないのかな〜、、といった感じです。
しかし、今紹介した (1) の研究、これはあくまでも「3時間後」つまり短時間における、筋タンパク質の合成率を調べたに過ぎず「長期的にはどうか?」とは関係がありません。
では、長期的に見た時の、筋力向上や筋肉量増加効果はどうなのかというと、先述した通りで「体重1kgあたり、1.6gのタンパク質を摂取している状況では、ソイプロテインでもホエイプロテインでも、その程度に差はない」となっています。
十分なタンパク質量を摂取できているのであれば「ソイプロテインもホエイプロテインと同様、筋力向上や筋肉量増加が起こる」と捉えて大きな問題はないでしょう。
最後に
今回は「ソイプロテインは筋肉がつかない?ホエイプロテインとの効果の違い」というタイトルで記事を書いてきましたがいかがだったでしょうか?
次回作もご期待ください。
参考文献
(1) Consumption of fluid skim milk promotes greater muscle protein accretion after resistance exercise than does consumption of an isonitrogenous and isoenergetic soy-protein beverage