札幌市中央区東本願寺前駅にある、初心者向けスポーツジム フィットメソッドです。
トレーニングを行うと、当然に疲労が生じ、ある程度回復するまでには、通常2 〜 3日前後の日数が必要になります。
そのため、週2回の頻度でトレーニングを行う場合は、例えば月曜日と木曜日、火曜日と金曜日、みたいな感じで、2 〜 3日間の休養を挟むことがオススメされているわけですが、状況によっては、月曜日と水曜日とか、火曜日と木曜日とか、十分な間隔を空けられないこともあるでしょう。
そんな時は「アクティブリカバリー」を試してみても良いかもしれません。
今回は「アクティブリカバリーとは? トレーニングで生じた疲労をいち早く回復させる方法」というタイトルで記事を書いていきます。
アクティブリカバリーとは?
まず、スポーツやトレーニングで生じた疲労は、極論、放っておけばいつの間にか無くなりますが、回復方法 (回復のさせ方) には、大きく2つのアプローチがあります。
1つ目が、エネルギーの消費を最小限に抑えて横になるなど、いわゆる完全な休息で「Passive Recovery (パッシブリカバリー) 」日本語だと「受動的回復」と呼ばれる方法、2つ目が、ウォーキングや軽めのジョギングなど、低強度の運動を行うというもので「Active Recovery (アクティブリカバリー) 」日本語だと「積極的回復」と呼ばれる方法です。
スポーツの現場では、その状況や個人に合わせて、パッシブリカバリー、およびアクティブリカバリーが臨機応変に取り入れられているのですが、トレーニングで生じた疲労に対しては、どのような影響があるのでしょうか?
パッシブリカバリー vs. アクティブリカバリー
Upper-Body Resistance Exercise Reduces Time to Recover After a High-Volume Bench Press Protocol in Resistance-Trained Men
研究内容をザックリ書き出します。
トレーニング経験のある男性を対象に、彼らを「パッシブリカバリーグループ」と「アクティブリカバリーグループ」の2つに分け、ベンチプレスを70%1RM・10回・8セット実施した。
トレーニング終了後、パッシブリカバリーグループには「あらゆる身体活動を避け安静に」アクティブリカバリーグループには「6時間後と30時間後に、ベンチプレスを10%1RM・10回・5セット実施」するよう指示が出され、15分後・24時間後・48時間後にテストを行い、パワーや筋力がどのように変化するのかを調べた。
結果、パッシブリカバリーグループ (PR) のパワーや筋力は、ベースラインと比べて、15分後・24時間後のテストで有意な減少が見られた。
アクティブリカバリーグループ (AR) のパワーや筋力は、ベースラインと比べて、15分後のテストのみで有意な減少が見られた。
この研究では、トレーニング経験のある男性を、パッシブリカバリーグループとアクティブリカバリーグループに分け、それぞれ回復方法の違いが、ベンチプレスのパワーや筋力にどう作用するのかを調べています。
ちなみに、パワーは「ベンチプレススロー (BTP) 」と言って、スミスマシンを使用しバーベルを最大限爆発的に高く投げることで、筋力は「アイソメトリックベンチプレス (IBPF) 」と言って、パワーラックに固定されたバーベルを最大限強く押し上げることで計測がなされました。
流れに関しては、以下のイラストをご覧いただくとわかりやすいはずです。
結果はどうだったのかというと、15分後のテストでは、どちらのグループもパワー・筋力ともに有意な減少が確認されました。
まあ、これについては「よっしゃ!70%1RMで10回を8セットやり切ったぜ!」のほとんど直後の話ですので、疲労が残っていたのが原因でしょう。
しかし、24時間後におけるパワー・筋力のテストでは、パッシブリカバリーグループはまだ有意に減少していたのに対して、アクティブリカバリーグループにはそれが確認されていません。
つまり「パッシブリカバリーだと疲労が残っていて弱かったけど、アクティブリカバリーだと疲労が取れて (ほぼ) 回復した」と言い換えることができます。
パッシブリカバリーよりもアクティブリカバリーの方が、トレーニングで生じた疲労をいち早く回復させるということです。
こうなった理由はいくつかあるでしょうが、パッシブリカバリーに比べてアクティブリカバリーは、局所的な骨格筋への血流、および温度を一時的に増加させることで、炎症反応の早期改善を促した可能性が考えられます。
アクティブリカバリーのガイドライン
トレーニングで生じた疲労をいち早く回復させる方法として、アクティブリカバリーがあるわけですが、このやり方については、今のところはっきりとお伝えすることができません。
特に、トレーニングに対するアクティブリカバリーに関した研究は数少なく、具体的なガイドラインを示すことが難しくなっています。
しかし、これまでの個人的な経験としては、
① かなり低強度 (10%1RM 〜 20%1RM) ・10回 〜 20回・3 〜 5セット。
② セッション終了後6 〜 24時間前後を目安に。
の2点を守っていただければ、大抵の場合はアクティブリカバリーの効果を感じられるはずです。
最後に
今回は「アクティブリカバリーとは? トレーニングで生じた疲労をいち早く回復させる方法」というタイトルで記事を書いてきましたがいかがだったでしょうか?
次回作もご期待ください。