札幌市中央区東本願寺前駅にある、初心者向けスポーツジム フィットメソッドです。
今回は「トレーニングの停滞期? 筋トレの重量が伸びない時の対応策について」というタイトルで記事を書いていきます。
はじめに
トレーニング上級者に向かうほど、筋力の向上は抑制される傾向が確認されています。
※ これについては、以前「経験者 vs. 未経験者 トレーニング経験の長さによる効果の違いについて」というタイトルの記事で解説をしていますので、ご興味のある方はリンク先へとお進みください。
そのため、筋トレをある一定期間継続した際に訪れる「重量が伸びない」といった停滞期は、言ってしまうと仕方のないことです。
学力テストなんかが良い例ですが、0点を ⇨ 50点 ⇨ 60点 ⇨ 70点にするのは正直そこまで難しくないものの、80点を90点に、90点を100点にするのはかなり大変なことでしょう。
しかし、重量が伸びない時期が長く続くと、筋トレに対するモチベーションが低下したり、つまらなくなってしまうかもしれません。
もっとも「重量が伸びない = 筋トレの効果がない」というわけでは全くありませんし、そもそも目的によっては「いかに重いウエイトを持ち上げるか?」を一切気にしない方が良い場面も考えられます。
とは言えど、せっかく筋トレに励むのであれば、やはり重量が伸びるに越したことはないはずです。
では、いったい何をどうすれば、筋トレの停滞期が打破されるのかというと、これは個人の置かれた状況によって変わるため、一概にこうだと断言することはできません。
ただ、7 〜 8割の場合、以下に紹介する2つの対応策で解決が可能です。
① 回復期間を設ける フィットネス – 疲労理論の理解
② ストレッチ種目の採用 筋長と筋肥大の関係
① 回復期間を設ける フィットネス – 疲労理論の理解
1つ目が「回復期間を設ける」具体的には「1週間前後、筋トレをはじめとした負担のかかる活動を、可能な限り休止する」です。
トレーニングにおける身体への適応を表した考え方の1つに「フィットネス – 疲労理論」と呼ばれるコンセプトがあります。
※ これについては、以前「フィットネス – 疲労理論とは? 超回復理論との違いについて」というタイトルの記事で解説をしていますので、ご興味のある方はリンク先へとお進みください。
フィットネス – 疲労理論を簡単に説明すると「パフォーマンスは、その時のポテンシャル (フィットネス) と疲れ具合 (疲労) の差によって決定される」というもので、例えばここに A と B がいたとしましょう。
最大挙上重量 (フィットネス) は A が100kg、B が130kg、疲労は A が一切なし、B が大 (かなり疲れている) だと仮定します。
この時、それぞれのパフォーマンスは⇩以下のようになるはずです。
A | B | |
フィットネス | 100kg | 130kg |
疲労 | 一切なし | かなり疲れている |
パフォーマンス | 100kg | 80kg |
つまり「本来は B の方が力持ちなんだけど、疲弊している関係で、A の方が重たいものを持つことができるよ」ということです。
筋トレの停滞期に陥っている方は、ここでいう B になっているパターンが、思いの外案外多く見受けられます。
そのため、停滞感を感じているのであれば、ここは勇気を振り絞って、1週間前後、筋トレをはじめとした負担のかかる活動を、可能な限り休止してみましょう。
ちなみに「負担のかかる活動」とは、筋トレのような肉体面へのものだけでなく、精神的なものも含まれます。
そうすれば、フィットネス – 疲労理論の「疲労」が削られ、結果パフォーマンスが向上 = 筋トレの停滞期を打破できるはずです。
なお、特に筋トレを休止することで「フィットネス」の減少を懸念される方もいらっしゃるかと思いますが、1週間前後であれば、まず心配には及びません。
② ストレッチ種目の採用 筋長と筋肥大の関係
2つ目が「ストレッチ種目の採用」です。
同じ部位を鍛える種目はいくつか存在しますが、最近の科学的知見では「筋長が長いエクササイズほど、筋肥大の効果が大きくなる」との報告がなされています。
例えば (1) では、フレンチプレス (イラスト左) とプッシュダウン (イラスト右) において、上腕三頭筋の肥大効果にどのような影響が及ぶのかを調べているのですが、フレンチプレスの方がプッシュダウンよりも、約1.5倍の筋肥大が確認されました。
構造上、上腕三頭筋はフレンチプレスの方がプッシュダウンよりもストレッチされる (=強く引き伸ばされる) のですが、それがこのような結果を招いたと考察されています。
※ これについては、以前「フレンチプレス vs. プッシュダウン 上腕三頭筋を鍛えるに効果的なのはどっち?」というタイトルの記事で解説をしていますので、ご興味のある方はリンク先へとお進みください。
つまり、筋長が長い (筋肉が長い状態で負荷がかかる) エクササイズほど、筋肥大の効果が大きくなるということです。
そのため、例えばベンチプレスで停滞感を感じているのであれば、主要な筋群である大胸筋・上腕三頭筋の補助種目として、ストレッチを意識したダンベルフライや、先ほど挙げたフレンチプレスなんかを取り入れてみても良いかもしれません。
そうすれば、より大きな筋肥大が起こり、筋力の向上に繋がり、結果重量が伸び、筋トレの停滞期を打破できることでしょう。
最後に
今回は「トレーニングの停滞期? 筋トレの重量が伸びない時の対応策について」というタイトルで記事を書いてきましたがいかがだったでしょうか?
ここでは、
① 回復期間を設ける フィットネス – 疲労理論の理解
② ストレッチ種目の採用 筋長と筋肥大の関係
以上、2つの対応策を紹介しましたが、これ以外にも「負荷や回数にバリエーションをつける」だったり「栄養状況を見直す」だったり、有益な違う方法はいくつかあります。
しかし、7 〜 8割の場合、先ほど紹介した2つの対応策で解決が可能ですので、ぜひ挑戦していただけると幸いです。
次回作もご期待ください。
参考文献
(1) Triceps brachii hypertrophy is substantially greater after elbow extension training performed in the overhead versus neutral arm position
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