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トレーニング

上肢 vs. 上肢 + 下肢 下半身の筋トレは上半身にも影響を及ぼす

札幌市中央区東本願寺前駅にある、初心者向けスポーツジム フィットメソッドです。

トレーニングには「全面性の原則」と言って「全身を満遍なく鍛えましょう (バランスよく発達させましょう) 」という考え方があります。

これについては、以前「全面性の原則・個別性の原則とは? 安全なトレーニングにするために」で解説していますので、ご一読いただけると幸いです。

しかし、中には「上半身だけ (を集中して) 鍛えたい」や「下半身だけ (を集中して) 鍛えたい」のように、特定の半身 (または部位) を強化したい方もいらっしゃるかと思います。

が、何か特別な理由がないのであれば、強化したい半身ではない半身も鍛えておいた方が、まず間違いなく良いです。

今回は「上肢 vs. 上肢 + 下肢 下半身の筋トレは上半身にも影響を及ぼす」というタイトルで記事を書いていきます。

上肢 vs. 上肢 + 下肢

The effect of short-term strength training on human skeletal muscle: the importance of physiologically elevated hormone levels

研究内容をザックリ書き出します。

トレーニング未経験者を対象に「片腕だけ鍛えるグループ」と「片腕 + 下半身を鍛えるグループ」の2つに分けた。

腕のトレーニングとしてアームカール、下半身のトレーニングとしてレッグプレスが採用され、週2回の頻度で9週間実施した。

トレーニング前後で「鍛えた腕」と「鍛えていない腕」の筋力がどのように変化するのかを調べた。

片腕だけ片腕 + 下半身
鍛えた腕+ 9%+ 37%
鍛えていない腕+ 2%+ 10%

片腕だけ鍛えるグループでは、鍛えた腕と鍛えていない腕で、9%と2%の増加が見られたが、統計的に有意な変化ではなかった。

片腕 + 下半身を鍛えるグループでは、鍛えた腕と鍛えていない腕で、37%と10%の有意な増加が見られた。


この研究では、片腕だけトレーニングをした場合と、片腕に追加して下半身もトレーニングをした場合、鍛えた腕と鍛えていない腕に対して、どのような影響が及ぶのかを調べています。

注目したい点は、片腕 + 下半身を鍛えるグループにおいて、

① 鍛えた腕だけでなく、鍛えていない腕でも筋力が増加した。
② 片腕だけ鍛えるグループに比べて、より筋力の増加が大きかった。

という2つです。

① の「鍛えた腕だけでなく、鍛えていない腕でも筋力が増加した」については、以前「【怪我からの復帰】片方だけのトレーニングの効果は反対側にも現れる」で解説していますので、そちらをご覧ください。

② の「片腕だけ鍛えるグループに比べて、より筋力の増加が大きかった」ですが、これは内分泌系が関係しているかと思われます。

筋力だけでなく、ホルモン分泌量も分析されているのですが、片腕だけ鍛えるグループよりも、片腕 + 下半身を鍛えるグループの方が、筋肉量の増加に貢献するテストステロンなどは多くなっていました。

つまり、片腕だけ鍛えるよりも、片腕 + 下半身を鍛えることで、言い換えると色々な部位を鍛えることで、テストステロンなどのホルモン分泌量が多くなり、トレーニングの効果を高める環境が体内で構築された可能性がある、ということです。

特定の部位を鍛える vs. 全身を満遍なく鍛える 個人的所感

もちろん、先ほど紹介した研究1つで断言することはできませんが、個人的な経験論も併せると、この現象はいくつもの違うパターンにも当てはまる印象があります。

例えば、片脚だけ鍛えた場合と、片脚 + 上半身を鍛えた場合は、後者の方がよりトレーニングの効果が高まる、といった感じです。

そのため、どこか特定の部位を鍛えたいのであれば、当然その部位を鍛えることが大切にはなりますが、そうではない部位も鍛える = 全身を (ある程度) 満遍なく鍛えるようにした方が良いかと思われます。

もっとも、このようなお話をすると「鍛えたい部位以外の部位も鍛えることで、その鍛えたい部位がより強化されるのはわかった。でも、鍛えたい部位以外の部位を鍛える労力や時間があるのであれば、その鍛えたい部位をさらに鍛えた方がより強化されるのでは?」と考えられる方もいらっしゃるかもしれません。

確かに、おっしゃられる通りです。

しかし、鍛えたい部位をさらに鍛えると、場合によってはいわゆる「オーバートレーニング」になり、関節等に過剰な負担が生じ、傷害発生のリスクを高める可能性があります。

大きな怪我を負っては、そもそも「鍛えたい部位を鍛える」こともできなくなり、こうなっては本末転倒です。

ということを考えると、やはり冒頭で触れた通り、何か特別な理由がないのであれば、強化したい部位ではない部位も鍛えておいた方が、まず間違いなく良いかと思われます。

最後に

今回は「上肢 vs. 上肢 + 下肢 下半身の筋トレは上半身にも影響を及ぼす」というタイトルで記事を書いてきましたがいかがだったでしょうか?

ちなみに、こういった類の研究は他にも行われているのですが「下半身のトレーニング内容によって、上半身への影響が異なる」という報告もなされていたりします (1) 。

これについては、別のブログで紹介していく予定です。

次回作もご期待ください。

 

参考文献

(1) Effect of Lower-Body Resistance Training on Upper-Body Strength Adaptation in Trained Men

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