札幌市中央区東本願寺前駅にある、初心者向けスポーツジム フィットメソッドです。
トレーニングを行う際は「スクワットを10回3セットやって、その後にベンチプレスも10回3セットやって」みたいな感じで、何か1つの種目を終えてから、次の種目へと移行するかと思います。
このようなプログラムは「ストレートセット」と呼ばれており、トレーニングのメニューの組み方としては、おそらくごく一般的です。
一方で「スクワットを10回1セットやって、その後にベンチプレスを10回1セットやって、またスクワットを10回1セットやって、またまたベンチプレスを10回1セットやって」みたいな感じで、異なる2つ (以上) の種目を連続して追い込むトレーニング方法は「スーパーセット」と言います。
スーパーセットは、その特性上「ストレートセットと比較して、トレーニングにかかる時間を短縮できる」というメリットがあるのですが、効果の程はどうなのでしょうか?
今回は「スクワットとベンチプレス スーパーセット vs. ストレートセット 効果の違いについて」というタイトルで記事を書いていきます。
スーパーセット vs. ストレートセット
① Upper-lower body super-sets vs. traditional sets for inducing chronic athletic performance improvements
研究内容をザックリ説明すると、トレーニング経験者を対象に「スーパーセットグループ」と「ストレートセットグループ」の2つに分け、週2回の頻度で6週間、スクワットとベンチプレスを実施しました。
各グループの流れは、下のイラストをご覧いただきたいのですが、
・スーパーセット:スクワットとベンチプレスを交互に行い、その間の休憩時間は45秒。前セットのスクワットから次セットのスクワットまで、前セットのベンチプレスから次セットのベンチプレスまでは3分間の休憩。
・ストレートセット:各セット3分間の休憩。
このようになっています。
そして、トレーニング前後で、ジャンプ力や各エクササイズの最大挙上重量がどのように変化するのかを調べた結果、
スーパーセット | ストレートセット | |
ジャンプ力 | + 3.77 ± 6.12% | + 3.01 ± 4.84% |
スクワット重量 | + 6.90 〜 11.76% | + 6.19 〜 11.55% |
ベンチプレス重量 | + 3.99 〜 9.58% | + 6.19 〜 13.87% |
両グループで、同等の向上が確認されました。
感想
以前「トレーニング スーパーセットにおける筋力向上・筋肥大効果について」でも触れたのですが、スーパーセットに関する研究はいくつも実施されており、どうもそれらを見る限りで、例えばジャンプ力であったり、筋力であったり、筋肉量の増加効果は、ストレートセットと同様になるみたいです。
先ほど紹介した ① では、両グループとも、同種目におけるセット間の休憩時間は同じながら、スーパーセットではスクワットとベンチプレスを代わりばんこにすることで、トレーニングにかかる時間を、ストレートセットの約50%にまで短縮できています。
効果はそのままに、トレーニングにかかる時間を短縮できるということは、いわゆる時間対効果 (タイムパフォーマンス) が高いと判断可能ですので、特に忙しい方においては、スーパーセットの方がストレートセットよりも望ましいかもしれません。
しかし一方で、スーパーセットを取り入れる際、以下2つの注意点を考慮する必要があると個人的に感じています。
まず1点目が「辛さによるフォームの乱れ = 安全性の低下」です。
スーパーセットは、確かにトレーニングにかかる時間を短縮できますが、それは「種目を詰め詰めにしているから」に他なりません (適切な表現ではないかもしれませんが) 。
よって、主観的運動強度 (運動の辛さを数値化したもの) は、ストレートセットよりも高くなる傾向があり、結果フォームが乱れ、安全性が低下するリスクが考えられます。
次2点目が「マナー的な問題」です。
組み合わせ方によっても変わってはきますが、スクワットとベンチプレスでスーパーセットを取り入れようとすると、基本的にはラックを「2台分」確保しなければいけません。
大抵のスポーツジムでは、マナー的な問題から、複数の機器の同時利用はNGと定めており、施設のルール上、ストレートセットしかできない場合も考えられます。
ということを考えると、トレーニングのメニューの組み方としては、ストレートセットをメインとし、状況に応じてスーパーセットも追加する、という流れがオススメです。
最後に
今回は「スクワットとベンチプレス スーパーセット vs. ストレートセット 効果の違いについて」というタイトルで記事を書いてきましたがいかがだったでしょうか?
次回作もご期待ください。