札幌市中央区東本願寺前駅にある、初心者向けスポーツジム フィットメソッドです。
今回は「フィットネス – 疲労理論とは? 超回復理論との違いについて」というタイトルで記事を書いていきます。
超回復理論
トレーニングを行うと、筋力が増えてジャンプ力が上がったり、筋肉が増えて体つきが逞しくなったりしますが、そういった効果の流れをわかりやすく理解、また、プログラムを作成するうえでの土台になる考え方として「超回復理論」と呼ばれるものがあります。
上のイラストは、その超回復理論をイメージとして表したグラフなのですが、まずはトレーニングを行うことによって、疲労が溜まり & 筋損傷等が起き、一時的にパフォーマンスは下がります (赤矢印) 。
ここでのパフォーマンスとは、例えば筋力や筋肉 (の量) といった「身体能力」「体力レベル」的なものだとお考えいただければ問題ありません。
そして、そのパフォーマンスは疲労や筋損傷等が回復する過程で「以前よりも (わずかに) 強い状態」になるのですが、これが一般的に言われる「超回復」です (青矢印) 。
超回復理論は、特に運動の経験がない方に対しても、トレーニングにおける身体への適応を簡潔に伝えることができるというメリットがあり、筋トレ業界では、もう何十年も前から利用されてきた背景があります。
しかし、この超回復理論は、パフォーマンス1本の線 (緑線) のみしかなく、累積・急性・慢性的な影響などが考慮されていない関係から「あまりにも単純すぎる。トレーニングにおける身体への適応を説明するには不十分ではないか」との指摘もなされてきました。
そのような理由もあってか今現在は、超回復理論をグレードアップしたと言いますか「フィットネス – 疲労理論」がメジャーになりつつあります。
フィットネス – 疲労理論
仮に、ベンチプレスで「150kg」を持ち上げられる方がいたとして、でも仕事のストレスから疲弊しきっており、本来の半分の力しか出せなかったとした場合、この人の現段階のパフォーマンス (最大挙上重量) は「75kg」になるはずです。
一方、ベンチプレスで「100kg」を持ち上げられる方がいたとして、でもストレスが一切なく体調も万全だとした場合、この人の現段階のパフォーマンス (最大挙上重量) は、そのまま「100kg」になることでしょう。
つまり、その時の「ポテンシャル」と「疲れ具合」によって、パフォーマンスは決定されると言い換えることができます。
もっと簡単にまとめると「パフォーマンス = ポテンシャル − 疲れ具合」です。
これを表したものが、フィットネス – 疲労理論になります。
フィットネス (ポテンシャル) は青線、疲労 (疲れ具合) は赤線、パフォーマンスは緑線となっており、例えば ① では、フィットネスは微増しているものの、強い疲労状態にあるため、パフォーマンスは基準より低下しているのが確認できます。
この状況においては、フィットネスを向上させるよりかは、疲労を取り除くことを優先した方が、パフォーマンスはグーンと高まりそうです。
また ② では、フィットネスは減少しているものの、疲労はほぼ見られず、パフォーマンスは高い位置で維持されています。
しかし、そのままを続けると、どんどん衰えてしまう一方であるため、とりあえずはフィットネスを向上させることに重点を置き、疲労は若干生じても仕方ない、というスタンスを取るのが、長期的なパフォーマンスを効率的に高められそうです。
さらに ③ では、パフォーマンスはどちらも同じながら、フィットネスと疲労の度合いが違います。
こんな感じで、フィットネス – 疲労理論を応用すれば、超回復理論よりも詳細に、トレーニングにおける身体への適応を把握できるほか、より完成度の高いプログラムの作成にも繋がることでしょう。
最後に
今回は「フィットネス – 疲労理論とは? 超回復理論との違いについて」というタイトルで記事を書いてきましたがいかがだったでしょうか?
こういった類の情報は「ベンチプレスで挙上重量を増やすコツ」とか「ベンチプレスで肩を痛めないフォーム」とか、今日・明日にでも使える知識から比べると、人気が薄い印象を受けるのですが、トレーニングを行ううえで、大切な理論には違いありません。
もっとも、超回復理論よりもグレードアップしているとはいえど、フィットネス – 疲労理論ですら「あまりにも単純すぎる。トレーニングにおける身体への適応を説明するには不十分ではないか」との指摘もなされていたりします。
しかし、もし仮にそうだったとしても、こういった理論を知っているのと知らないのとでは、トレーニングで得られる結果に、やがて大きな差がつくことでしょう。
「パフォーマンスは、その時のポテンシャル (フィットネス) と疲れ具合 (疲労) によって決定される」ぜひ、有効活用していただければと思います。
次回作もご期待ください。