札幌市中央区東本願寺前駅にある、初心者向けスポーツジム フィットメソッドです。
トレーニングを継続していると「50kg、いつもは楽に10回できていたのに、今日は8回しかできない、、重い」みたいな感じで、調子が悪い日を経験することがあるかと思います。
栄養状況であったり、時間帯であったり、筋肉痛の有無であったり、このようになる原因はいくつも考えられますが、もしかしたら「精神的な疲労」が関係しているかもしれません。
今回は「【筋トレ】精神的な疲労がトレーニングの反復回数に及ぼす影響について」というタイトルで記事を書いていきます。
精神的な疲労がトレーニングの反復回数に及ぼす影響
Mental fatigue impairs the number of repetitions to muscular failure in the half back-squat exercise for low- and mid- but not high-intensity resistance exercise
研究内容をザックリ書き出します。
トレーニング経験者を対象に、精神的に「疲労した状態」と「疲労していない状態」の条件下でスクワットを実施した。
50%・70%・90%1RMの重量を扱い、それ以上繰り返せないところ (限界) まで追い込んだ。
疲労した | 疲労していない | |
50%1RM | 32.28 ± 5.01 回 | 36.17 ± 5.50 回; |
70%1RM | 13.67 ± 1.81 回 | 15.72 ± 2.16 回 |
90%1RM | 3.94 ± 1.00 回 | 4.22 ± 1.11 回 |
結果、精神的に疲労した状態は、疲労していない状態に比べ、50%・70%1RMで反復回数が有意に減少した。
90%1RMでは、条件間の反復回数に差が見られなかった。
この研究では、トレーニング経験者を対象に、精神的に疲労した状態と、疲労していない状態でスクワットを実施し、反復回数にどのような影響が及ぶかについてを調べています。
大まかな流れですが、まずは月曜日、精神的に疲労した状態を作るため「ストループ課題」に取り組み、その後でスクワットを行ってもらいます。
ストループ課題とは、ディスプレイに
赤 青 緑 黄
意味と色が異なる文字を浮かび上がらせ「この文字 (に着色されている色) は何色ですか?」と問いかけるテストのことで、意味から得られる情報と色から得られる情報に不一致が生じ、それらの情報を処理する過程で、脳に認知的な負荷がかかる、という仕組みです。
ストループ課題終了後は、50%・70%・90%1RMの重量で、スクワットの反復回数を測定しました。
今度は木曜日 (前回の試行から少なくとも72時間空けた日) 、精神的に疲労していない状態を作るため、先日と同じディスプレイにドキュメンタリー動画を映し、それを30分間視聴してもらいます。
その後はこれまでと同様に、50%・70%・90%1RMの重量で、スクワットの反復回数を測定するという流れです。
そして結果はどうだったのかというと、
・精神的に疲労した状態は、疲労していない状態に比べ、50%・70%1RMで反復回数が有意に減少した。
・90%1RMでは、条件間の反復回数に差が見られなかった。
このようになりました。
所感
ご飯を食べていないわけではなく、起床後すぐというわけでもなく、筋肉痛がないにも関わらず、何なら一切肉体的な疲労もないのに、トレーニングで調子が悪い日を経験したことがあるかと思います。
個人的な経験論からも、精神的な疲労は、トレーニングの反復回数をはじめとした「質」に、悪影響を及ぼす感覚があったのですが、この報告でそれがより確実なものになった感じです。
なぜ精神的な疲労が、トレーニングの質に悪影響を及ぼすのかというと、事前に行ったストループ課題によって、脳の注意制御能力が低下し、主観的な運動強度を高め、最終的にフィジカルタスクの遂行を抑制したと考えられています。
私はこっちの専門家ではないので、何とも言えないところではありますが、まあ簡単に「頭が疲れると、ボーッとしやすくなって、集中力が下がって、パフォーマンスも落ちる」的な解釈をしているのですが、おそらく間違ってはいないはずです。
先ほど紹介した、スクワットの反復回数を調べた研究では「精神的に疲労した状態は、疲労していない状態に比べ、50%・70%1RMで有意な減少が確認されたものの、90%1RMではグループ間で差が見られなかった」とのことですが、後者に関しても、あくまでも持論ですが、統計的に有意な違いがなかっただけで、ほぼ確実に精神的な疲労が悪影響を及ぼしているだろう、という印象です。
そのため、トレーニングを行う際は、栄養状況・時間帯・筋肉痛の有無等だけでなく「今どれくらい精神的に疲労しているか?」の程度も見極め、その状況に応じて、メニューを臨機応変に変えても良いかもしれません。
最後に
今回は「【筋トレ】精神的な疲労がトレーニングの反復回数に及ぼす影響について」というタイトルで記事を書いてきましたがいかがだったでしょうか?
次回作もご期待ください。