札幌市中央区東本願寺前駅にある、初心者向けスポーツジム フィットメソッドです。
以前、下 ⇩ のタイトルで記事を書きました。
「筋トレを休むと筋肉量・筋力が落ちるかもだけど案外簡単に取り戻せる」
「周期 vs. 継続トレーニング 筋トレの一時的な休止による効果への影響について」
詳細を知りたい方は、リンク先へとお進みいただきたいのですが、内容としては「トレーニングを中断すると、それまでに増えた筋肉量や筋力は減少してしまう。しかし、トレーニングを再開すれば、結構早いペースで元に戻る」的な感じになっています。
「トレーニングの中断」または「トレーニングの中断によって筋肉量や筋力が減少してしまう現象」は「ディトレーニング」とか「デトレーニング」とか呼ばれており、近年はそれに関連した研究も活発に行われている印象を受けるのですが「ストレッチの中断による柔軟性への影響」に関しては、パーソナルトレーナーの間でもほとんど知られていません。
今回は「ストレッチを中断するとどれくらいの期間で柔軟性は失われるのか?」というタイトルで記事を書いていきます。
ストレッチの中断による柔軟性への影響について
Training and Detraining Effects Following a Static Stretching Program on Medial Gastrocnemius Passive Properties
研究内容をザックリ書き出します。
過去6ヶ月間に渡り、定期的な運動を行っていない男性を対象に、足関節をターゲットとした、週2回の頻度で5週間のストレッチ (スタティック・ストレッチ) 、および5週間のディストレッチ (ストレッチの中断) を実施した。
ストレッチ前・ストレッチ後・ディストレッチ後で、足関節背屈の可動域・腓腹筋の筋硬度などを調べた。
ストレッチ前 | ストレッチ後 | ディストレッチ後 | |
可動域 (°) | 16.1 ± 4.5 | 21.8 ± 5.7 | 18.9 ± 7.4 |
筋硬度 (N/㎜) | 6.5 ± 3.8 | 3.7 ± 2.1 | 6.7 ± 8.6 |
足関節背屈の可動域は、ストレッチ前と比較して、ストレッチ後で有意に増加したが、ディストレッチ後では有意な差が見られなかった。
腓腹筋の筋硬度は、ストレッチ前と比較して、ストレッチ後で有意に低下したが、ディストレッチ後では有意な差が見られなかった。
この研究では、足関節 (足首) を対象に、5週間に渡るスタティック・ストレッチと、5週間に渡るストレッチの中断を実施し、足関節背屈の可動域・腓腹筋の筋硬度などに、どのような影響が及ぶのかについてを調べています。
スタティック・ストレッチは「静的ストレッチ」とも呼ばれ「筋肉をギューッと伸ばしたところでキープする」という、ごく一般的なストレッチです。
そして、ストレッチ前 (研究開始前) ・ストレッチ後 (研究開始5週間後) ・ディストレッチ後 (研究開始10週間後) で、それぞれの変化を測定しました。
その結果、ストレッチ前と比較して、ストレッチ後で足関節背屈の可動域は増加、腓腹筋の筋硬度は低下しており、言い換えると「足首とかふくらはぎの筋肉とか柔らかくなったよ〜」ということになります。
しかし、ストレッチ前と比較して、ディストレッチ後では足関節背屈の可動域・腓腹筋の筋硬度に有意な差は見られていないため「足首とかふくらはぎの筋肉とか柔らかくなったのに、(ほぼ) 元通りの硬さに戻ったよ〜」と捉えて差し支えないでしょう。
個人的な感想
一時的なトレーニングの中断は、それまでに得た筋肉量や筋力を減少させますが、一時的なストレッチの中断も、それまでに得た柔軟性を損失させる可能性が示唆されました。
先ほど紹介した研究を元にするのであれば、その柔軟性を獲得するに要した期間分のディストレッチで、ストレッチの効果はほとんど消えて無くなってしまうのかもしれません。
ただ、少し気になる点があり、ここでのストレッチは、
⇧ 上のストレッチングボードを使用しているのですが、相当ボリューミーなやり方で、伸長位を300秒間維持 × 6セット、つまり、1回あたりのセッションで「30分」も足首を伸ばしています。
そのため、ここで得られたデータが、皆様も行うであろう「30秒程度のごく一般的なストレッチ」に、そっくりそのまま当てはまるかどうかは不明です。
しかし、身体の性質を考慮すると、具体的な期間をお伝えすることはできませんが「ストレッチで柔軟性を手に入れたとしても、ディストレッチでその柔軟性は失われる」と捉えて問題はないかと思います。
トレーニングと同様に、やはり継続し続けることが重要になりそうです。
最後に
今回は「ストレッチを中断するとどれくらいの期間で柔軟性は失われるのか?」というタイトルで記事を書いてきましたがいかがだったでしょうか?
次回作もご期待ください。