公式LINE
メール
電話
Instagram
WEBで予約を完結
ウォームアップ・ストレッチ

【柔軟性】筋肉を伸ばさなくても関節可動域が向上するって本当?

札幌市中央区東本願寺前駅にある、初心者向けスポーツジム フィットメソッドです。

以前「ストレッチ vs. トレーニング 筋トレで柔軟性は低下する? 身体は硬くなる?」こんなブログをアップしました。

「トレーニングを行うと身体が硬くなる、みたいに言われることがあるけれど、むしろストレッチと同様の柔軟性改善効果が確認されたよ」的な内容になっています。

しかし、そこで紹介した研究で採用されたトレーニンググループのエクササイズはストレッチ要素の強い種目であり、紛れもないトレーニングではありながらもストレッチグループと同じくらい筋を伸ばしていたのは事実です。

今回は「【柔軟性】筋肉を伸ばさなくても関節可動域が向上するって本当?」というタイトルで記事を書いていきます。

ノルディックハム vs. ストレッチ

Comparison of a Low Load Eccentric Training Protocol and a Static Stretching Protocol on Hamstring Muscle Flexibility

研究内容をザックリ書き出します。

平均年齢23歳の男女を対象に、彼らを「ノルディックハムグループ」と「ストレッチグループ」の2つに分けた。

週2回の頻度で6週間に渡って、それぞれに指示されたプログラムを実施し、ハムストリングスの柔軟性がどのように変化するのかを調べた。

結果、両グループで同様の改善が認められた。


まずこの研究では、平均年齢23歳の男女を対象に、彼らを「ノルディックハムグループ」と「ストレッチグループ」の2つに分け、週2回の頻度で6週間に渡って、それぞれに指示されたプログラムを実施し、ハムストリングスの柔軟性がどのように変化するのかを調べています (本当はコントロールグループもあるのですが、話をわかりやすくするため省略しています)

「ノルディックハム」は、太もも裏の筋群であるハムストリングスを強化するエクササイズで、下に貼り付けた動画のような種目です。

立ち膝からスタートし、上体を可能な限りゆっくりと前方に倒しながら、制御が保てなくなるまで下降を続け、腕の力を借りて元の位置に戻ります。

1週目・2週目は6回を1セット、3週目・4週目は6回を2セット、5週目・6週目は6回を3セットと、段階的にボリュームを漸進させたようです。

「ストレッチ」は、同じく太もも裏の筋群であるハムストリングスを伸長するエクササイズで、下に貼り付けた写真のような種目になります。

椅子に腰掛け、片脚ずつ30秒を2セットとのことです。

また、ハムストリングスの柔軟性は「パッシブニーエクステンション」と呼ばれるテストで評価されました (詳しくはリンク先へお進ください)

仰向けに寝転び、股関節や膝関節を伸展させ「強いけど耐えられる」レベルを感じたところでストップです。

その結果がこちらになります。

膝窩角スタート時6週間後
ノルディックハム150.92 °163.61 °
ストレッチ151.30 °162.64 °

膝窩角 (しっかかく) と呼ばれる、膝の裏側にある窪みの角度を測定しており、数値が大きくなるほどハムストリングスの柔軟性が高いと判断されるのですが、両グループで同様の改善が認められました。


関節可動域を向上させたい場合は、一般的にその部位を「伸ばす」必要があると考えられています。

よって、ストレッチグループでハムストリングスの柔軟性が改善されたのは至って当然のことですが、ハムストリングスをしっかりと伸ばしていないノルディックハムグループでも同様に柔軟性の改善が見られたみたいです。

このようなデータが得られた理由はいくつか考えられるのですが、その中の1つとしては「高い強度のエキセントリック収縮」が挙げられます。

通常トレーニングでは、筋肉が伸長しながら力を発揮する局面 = エキセントリック収縮と、筋肉が短縮しながら力を発揮する局面 = コンセントリック収縮の2つからなるが基本です。

スクワットを例に取ると、しゃがむ局面がエキセントリック収縮、立ち上がる局面がコンセントリック収縮になります。

しかし、ぜひ一度試していただければお分かりになるかと思うのですが、ノルディックハムは (かなり) 強度が高く、エキセントリック局面は何とかできたとしても、コンセントリック局面をクリアできる方は相当稀です。

つまり、ノルディックハムではハムストリングスが伸長される際、非常に強い負荷が生じることになり、おそらくこれが刺激となって関節可動域を向上させたのでしょう。

最後に

今回は「【柔軟性】筋肉を伸ばさなくても関節可動域が向上するって本当?」というタイトルで記事を書いてきましたがいかがだったでしょうか?

ちなみに、ノルディックハムは肉離れ等の傷害予防にも効果的との報告がなされている、非常に有益なエクササイズとして知られています。

特に走・跳・止が求められるスポーツを行われている方は、積極的に取り入れてみても良いかもしれません。

次回作もご期待ください。



札幌市近郊にお住いの方は、
ぜひ フィットメソッド をご利用ください。


関連記事

  1. 【柔軟性】筋肉を伸ばさなくても関節可動域が向上するって本当?
  2. なぜ虫は力が強いのか? 体重と体積・筋力と筋断面積の関係について
  3. ベンチプレスではバーベルをどこまで下ろすべきか? 効果の違いについて
PAGE TOP