札幌市中央区東本願寺前駅にある、初心者向けスポーツジム フィットメソッドです。
今回は「ベンチプレスの重量が伸びない・増えない時の対応策 科学的な目線から」というタイトルで記事を書いていきます。
結論
最初に結論からお伝えしますと、いくつか候補は挙げられるのですが、ベンチプレスの重量が伸びない・増えない時の対応策としては「ベンチプレスとほぼ同じ関節運動を伴い、かつベンチプレス以上に広い可動域を取れる、ダンベルプレスやチェストプレスなどのエクササイズをメニューに組み込む」をオススメしています。
以下がその理由です。
ベンチプレスでバーベルを動かす範囲の違いが効果に及ぼす影響について
Bench Press at Full Range of Motion Produces Greater Neuromuscular Adaptations Than Partial Executions After Prolonged Resistance Training
ベンチプレスではバーベルをどこまで下ろすべきか? 効果の違いについて
詳細を知りたい方は上のリンク先へとお進みいただきたいのですが、この研究では「ベンチプレスでバーベルを動かす範囲の違いが効果に及ぼす影響について」を調べています。
内容を簡単にまとめると、
・バーベルを胸まで下ろすグループ、バーベルを2/3まで下ろすグループ、バーベルを1/3まで下ろすグループに分け、10週間のベンチプレストレーニングを行った。
・MAXがどれくらい変化するのかを調べた。
変化 (kg) | |
胸まで下ろす | 71.8 → 80.7 |
2/3まで下ろす | 71.3 → 76.3 |
1/3まで下ろす | 75.4 ⇨ 75.2 |
・バーベルを胸まで下ろすグループは、バーベルを2/3まで下ろすグループ、バーベルを1/3まで下ろすグループと比較して、最大挙上重量が大きく増加した。
こんな感じです。
ちなみに、相対的な負荷は全てのグループで統一されており、バーベルを胸まで下ろすグループは、バーベルを2/3まで下ろすグループ、バーベルを1/3まで下ろすグループよりも、絶対的に軽い重さを扱ってトレーニングに望んでいます。
つまり「たとえ扱う重量が軽かったとしても、取る可動域が広いほど、ベンチプレスのMAXを増加させるうえで効果的だったよ」ということです。
対応策
ベンチプレスのMAXを増加させるうえでは、たとえ扱う重量が軽かったとしても、取る可動域が広いほど効果的との報告がなされました。
しかし、ベンチプレスではバーベルを使用している関係で、物理的に胸まで下す以上の可動域を取ることは不可能です (バーベルが胸とぶつかるため) 。
よって、ベンチプレスの重量が伸びない・増えない時の対応策としては、例えばダンベルプレスやチェストプレスなどのエクササイズを、言い方を変えると「ダンベルやマシンなど左右で独立しているウエイトを利用して、バーベルを胸まで下ろす以上の広い可動域を取ることができる種目」をメニューに組み込むことが有効になるはずです。
もっとも「バーベルを胸まで下ろす以上の広い可動域」を取ったからといって、必ずしもベンチプレスのMAXの増加に貢献するとは断言できません。
先に紹介した研究では「バーベルを胸まで下ろすグループは、バーベルを2/3まで下ろすグループ、バーベルを1/3まで下ろすグループと比較して、最大挙上重量が大きく増加した」=「取る可動域が広いほど、ベンチプレスのMAXを増加させるうえで効果的だった」と確かに結論づけられていますが、その効果は「バーベルを胸まで下ろす」で頭打ちとなり、それ以上の広い可動域を取ったとしても、意味をなさない可能性だって十分に考えられます。
しかし、トレーニングを継続すれば筋肥大が生じ胸の厚みは増し、要は「ベンチプレスでバーベルをしっかり胸まで下ろしていたとしても、可動域は年々狭まる」= 「年々効果の減少が懸念される」とするのであれば、ダンベルやマシンなど左右で独立しているウエイトを利用して、バーベルを胸まで下ろす以上の広い可動域を取ることができる種目をメニューに組み込めば、その効果の減少の抑制には繋がるはずです。
ベンチプレスの重量が伸びない・増えない時のオススメエクササイズとして、ダンベルプレスやチェストプレスを挙げましたが、ただシンプルに (肩関節の) 広い可動域を取るだけなら、例えば「ダンベルフライ」とか「ベクトルフライ」とか「プレス系」ではなく「フライ系」の種目でも良いのでは? と思われる方もいらっしゃることでしょう。
もちろんアリかと思います。
ただ「Aという種目を伸ばしたいのであればAを行い、Bという種目を伸ばしたいのであればBを行う」がトレーニングでは定石であり、ということを考えると、ベンチ「プレス」の重量を増やしたいのであれば、ほぼ同じ関節運動を伴うダンベル「プレス」やチェスト「プレス」が無難です。
もっとも、ベンチプレスで要求される動きは肩関節の水平屈曲と肘関節の伸展、ダンベルフライで肩関節の水平屈曲筋力を強化し、それとは別にフレンチプレスで肘関節の伸展筋力も強化する」とか「ダンベルプレスやチェストプレスに追加して、ダンベルフライやベクトルフライも行う」とか、それらも当然問題ありません。
しかし、こうすると種目数が増えて疲労のコントロールが難しくなったり、そもそものベンチプレスに割く時間が短くなるかもしれなく、とりあえずの対応策の一候補として、ほぼ同じ関節運動を伴うダンベルプレスやチェストプレスなどのエクササイズをオススメしている感じです。
最後に
今回は「ベンチプレスの重量が伸びない・増えない時の対応策 科学的な目線から」というタイトルで記事を書いてきましたがいかがだったでしょうか?
次回作もご期待ください。
札幌市近郊にお住いの方は、
ぜひ フィットメソッド をご利用ください。