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トレーニング

スクワットでゴムバンドを使用する効果と理由 そしてデメリットについて

札幌市中央区東本願寺前駅にある、初心者向けスポーツジム フィットメソッドです。

SNSやYouTubeなんかでトレーニング動画を眺めていると、スクワットでゴムバンドを使用しているシーンを多く目にします。

コロナ禍でフィットネスクラブに通いにくくなった4 〜 5年ほど前から、特に人気が出てきた印象です。

今回は「スクワットでゴムバンドを使用する効果と理由 そしてデメリットについて」というタイトルで記事を書いていきます。

スクワットでゴムバンドを使用する効果と理由

はじめに、スクワットでゴムバンドを使用する効果と理由から触れていきますが、これは主に・・「大臀筋などのお尻の筋肉に大きな刺激を与え、より効率的にヒップアップ等を狙うことができる」と考えられているためです。


「スクワットでどこの筋肉を鍛えることができるか?」的な研究はいくつも実施されており、例えば (1) では、太もも前の大腿四頭筋・内ももの内転筋群・お尻の大臀筋の肥大が確認されています。

これについては、以前「効かない? スクワットでハムストリングスを鍛えることはできない?」で解説していますので、ご興味のある方はぜひご一読ください。

スクワットに要求される関節の動きは「膝関節の伸展」と「股関節の伸展」と呼ばれ、大腿四頭筋は膝関節の伸展に、内転筋群と大臀筋は股関節の伸展に作用します。

よって、スクワットのように「しゃがんだ所から立ち上がる」ような動作を孕んだエクササイズ (デッドリフトやレッグプレス) では、同じく大腿四頭筋・内転筋群・大臀筋を鍛えることが可能です。


先ほど、大臀筋は「股関節の伸展に作用する」とお伝えしましたが「外転」と呼ばれる、脚を外側に開く動きにも関与します。

スクワットでゴムバンドを使用すると、脚を内側に閉じる力が働き、しかし適切な膝のポジションを維持するためには、脚を外側に開く力を入れ続けなければいけなく、その際に働くのが大臀筋です。

つまり、スクワットでゴムバンドを使用すると、股関節の伸展だけでなく外転にも大臀筋が力を発揮することになり、結果大きな刺激が与えられ、より効率的にヒップアップ等を達成できると考えられています。

これが、スクワットでゴムバンドを使用する効果と理由です。


では果たして本当に、スクワットでゴムバンドを使用すると、より大きな刺激がお尻の筋肉に入るのかというと、これに関しては研究が実施されています (2) 。

それによると「ゴムバンドを使用した場合」と「ゴムバンドを使用しなかった場合」とでは、どれほどの抵抗を掛けるかによっても変わってはくるのですが、スクワットにおける大臀筋の筋活動において、前者の方が後者よりも、平均「13 〜 23%」高かったみたいです。

そのため、スクワットで何よりもお尻を筋肉をターゲットにしたいのであれば、ゴムバンドを使用する選択をされるのもアリでしょう。

しかし一方で、大腿四頭筋の筋活動は、ゴムバンドを使用した場合よりもゴムバンドを使用しなかった場合の方が高くなっており、太もも前の筋肉への刺激は減少が見られるため、その点は注意が必要かと思われます。

スクワットでゴムバンドを使用するデメリット

ここまでの話を聞くと、特にヒップアップ目的でスクワットを取り入れられている方においては、ゴムバンドを使用しない手はないように聞こえるかもしれませんが、実は1つ、見過ごすことのできないデメリットが存在します。

それが「膝外反角度の増大」です。


膝外反は、いわゆる「X脚」「内股気味かどうか」を測る指標として知られているのですが、スクワットでゴムバンドを使用すると、その角度の増大が確認されています (2) 。

つまり、スクワットでゴムバンドを使用すると「膝の運動学に悪影響を及ぼして、傷害リスクを上昇させる可能性がある」ということです。

(2) では、

Coaches and clinicians who already implement this technique are advised to remove resistance band squats from training and rehabilitation programmes.

Despite clinicians and coaches supporting the notion that resistance bands promote neutral knee alignment during squatting, the current study disagrees and advises consideration for the removal of this technique as it may lead to an increased risk of knee injury.

「スクワットでゴムバンドを使用しない方が良い。もしメニューに組み込んでいるなら見直してはどうか?」との記述・提案もなされています。


もっとも、一口に「ゴムバンド」とは言えど、その抵抗力には様々な種類があるため「スクワットで使用すると、必ず膝の傷害リスクを上昇させる」なんてことはないでしょう。

しかし、これ系の論文を読む限り、スクワットで使用するゴムバンドの強度を強くするほど、大臀筋の活動は高くなる一方、膝外反角度は増大に向かう印象を受けます。

逆に、スクワットで使用するゴムバンドの強度を弱くするほど、膝外反角度の増大は抑えられる反面、大臀筋の活動は低くなる印象です。

ということを踏まえると、自宅で行う「自重での (負荷に制限がある) スクワット」は別にして、フィットネスクラブで行う「バーベルを担いだスクワット」なんかでは、ゴムバンドを使用しない方が良いかもしれません。

・スクワットで使用するゴムバンドの強度を強くする ⇨ お尻には効くが膝の怪我が懸念される
・スクワットで使用するゴムバンドの強度を弱くする ⇨ 膝の怪我の心配は減るがお尻にはあまり効かなくなる

上記の流れを考えると、そもそもバーベルの重量を増やせばそれで済む話でしょうから。

最後に

今回は「スクワットでゴムバンドを使用する効果と理由 そしてデメリットについて」というタイトルで記事を書いてきましたがいかがだったでしょうか?

ちなみに「スクワットとゴムバンド」というテーマは奥が深く、ここでは触れていない内容もたくさんあります。

それについては、タイミングを見て紹介する予定です。

次回作もご期待ください。

 

(1) Effects of squat training with different depths on lower limb muscle volumes

(2) Barbell back squat: how do resistance bands affect muscle activation and knee kinematics?



札幌市近郊にお住いの方は、
ぜひ フィットメソッド をご利用ください。


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