マッスルメモリーとは何？ 本当？ 嘘？ 筋肉の記憶について

札幌市中央区東本願寺前駅にある、初心者向けスポーツジム フィットメソッドです。

今回は「マッスルメモリーとは何？ 本当？ 嘘？ 筋肉の記憶について」というタイトルで記事を書いていきます。

マッスルメモリーとは何？

「マッスルメモリー (筋肉の記憶) 」とは、一般的に「過去のトレーニングによって得られた筋肉量・筋力は、一時的なトレーニングの中断によって失われることがあるが、再度のトレーニングによって速やかに回復する」このような現象のことを指します。

わかりやすく例を挙げると、例えばここに伊藤さんと佐藤さんがいたとして、どちらも同様の筋肉量・筋力だったとしましょう (年齢とか身長とか、そういった他の要素も同じだと仮定します) 。

しかし、伊藤さんは以前トレーニングをしていた時期があり、元々はなかなかのマッチョマンでした。

一方、佐藤さんはこれまで特別トレーニングをした経験がありません。

そんな二人がトレーニングを行った場合 (伊藤さんは再トレーニング、佐藤さんは初トレーニング) 、伊藤さんの方が佐藤さんよりも、筋肉量・筋力の増加が著しくなったりします。

イメージとしては⇩こんな感じです。

こういった現象のことを、俗にマッスルメモリーと言います。

マッスルメモリーはあるの？ ないの？

先述した通り「過去のトレーニングによって得られた筋肉量・筋力は、一時的なトレーニングの中断によって失われることがあるが、再度のトレーニングによって速やかに回復する現象」をマッスルメモリーと呼ぶわけですが、あるのかないのか、これについては正直なところ、現段階ではハッキリわかりません。

というのは、マッスルメモリーの存在が示唆された報告と、そうとも言えない報告、相反する2つの報告がなされているためです。

Does Taking a Break Matter—Adaptations in Muscle Strength and Size Between Continuous and Periodic Resistance Training

例えば⇧では、

・10週間のトレーニング実施
・10週間のトレーニング休止
・10週間のトレーニング再実施

という流れで研究が行われており、筋肉量・筋力がどのように変化するのかを調べているのですが、後期における10週間のトレーニング再実施期では、それらの急速な回復が確認されました。

詳しくは「周期 vs. 継続トレーニング 筋トレの一時的な休止による効果への影響について」で記載していますので、ぜひご一読ください。

Muscle memory in humans: evidence for myonuclear permanence and long-term transcriptional regulation after strength training

逆に⇧では、

・片腕のみ10週間のトレーニング実施
・16週間のトレーニング休止
・両腕で10週間のトレーニング再実施

という流れで研究が行われており、もしマッスルメモリーが存在するのであれば「右腕の方が左腕よりも肥大した」という結果になるであろうと推測できますが「右腕と左腕、筋肉の厚みに差は見られなかった」という結果が得られました。

このような理由から、果たしてマッスルメモリーはあるのかないのか、現段階ではハッキリわからないわけです。

また、もしマッスルメモリーがあったとしても、それが出現するには条件が必要になってくるかもしれません。

例えば「どれくらいトレーニングを行っていたのか？」や「どれくらいトレーニングを休んでいたのか？」といった「期間」であったり「どれくらいの筋肉量・筋力だったのか？」や「どれくらいの筋肉量・筋力が落ちたのか？」といった「体力レベル」であったり、そういった要素が関係してくる可能性も考えられます。

ただ、これまでの経験論や科学的知見を踏まえたうえで、個人的な見解をお伝えすると、先ほど挙げた期間であったり体力レベルであったり、いくつかの条件が必要にはなるかと思いますが「 (おそらく) マッスルメモリーは存在する」という印象です。

マッスルメモリーに関して、有益な情報を新たに入手しましたら、その際は追って紹介したいと思います。

最後に

今回は「マッスルメモリーとは何？ 本当？ 嘘？ 筋肉の記憶について」というタイトルで記事を書いてきましたがいかがだったでしょうか？

次回作もご期待ください。