札幌市中央区東本願寺前駅にある、初心者向けスポーツジム フィットメソッドです。
皆様もご存知の通り、適切にトレーニングを実施し、十分な栄養素を確保できているのであれば、日に日に筋肉量は増加していきます。
スクワットを行えば脚周りの筋肉が、ベンチプレスを行えば胸周りの筋肉が、どんどんムキムキ発達するわけです。
しかし一方で、鍛えていない部位の筋肉量には、一体どのような変化が起こるのでしょうか?
今回は「【筋肉量の再分配?】トレーニングにおける筋の肥大と萎縮について」というタイトルで記事を書いていきます。
トレーニングにおける筋の肥大と萎縮について
Evidence for Simultaneous Muscle Atrophy and Hypertrophy in Response to Resistance Training in Humans
研究内容をザックリ書き出します。
トレーニング未経験者を対象に、アームカール・トライセプスエクステンション・レッグエクステンション・レッグカールなどの単関節エクササイズを、週2〜3回の頻度で10週間行った。
トレーニングを実施した部位と実施していない部位の筋肉量が、どのように変化するのかを調べた。
結果、トレーニングを実施した部位は、筋肉量の増加が確認された。
参加者を「エネルギーの摂取量が多いグループ」と「エネルギーの摂取量が少ないグループ」に分けた場合、エネルギーの摂取量が多いグループでは、トレーニングを実施していない部位の筋萎縮は見られなかったが、エネルギーの摂取量が少ないグループでは、トレーニングを実施していない部位の筋萎縮が見られた。
この研究では、トレーニング未経験者を対象に、アームカール・レッグエクステンションなどの単関節エクササイズを行い、トレーニングを実施した部位と実施していない部位の筋肉量が、どのように変化するのかを調べています。
まずは1つ目の結果ですが、トレーニングを実施した部位の筋肉量は、有意な増加が確認されました。
例えば、アームカールでは上腕二頭筋 (力こぶ) が、トライセプスエクステンションでは上腕三頭筋 (二の腕裏) が、レッグエクステンションでは大腿四頭筋 (太もも前) が、レッグカールではハムストリングス (太もも裏) に刺激が入りますが、それらの筋肉に肥大が見られたということです。
これに関しては「トレーニングを実施した部位の筋肉が発達したよ」という、ごく一般に知られている情報そのものですので、特筆すべき点は特にないでしょう。
注目したいのは2つ目で、
『参加者を「エネルギーの摂取量が多いグループ」と「エネルギーの摂取量が少ないグループ」に分けた場合、エネルギーの摂取量が多いグループでは、トレーニングを実施していない部位の筋萎縮は見られなかったが、エネルギーの摂取量が少ないグループでは、トレーニングを実施していない部位の筋萎縮が見られた』
⇧この結果です。
エネルギーの摂取量が多いグループは、1日につき、
・除脂肪体重1kgあたり44.7 ± 6.8 kcal、または、体重1kgあたり35.8 ± 6.3 kcal
・タンパク質は体重1kgあたり1.4 ± 0.2 g
エネルギーの摂取量が少ないグループは、1日につき、
・除脂肪体重1kgあたり31.9 ± 3.9 kcal、または、体重1kgあたり24.7 ± 4.8 kcal
・タンパク質は体重1kgあたり1.2 ± 0.2 g
となっており、仮に体重70kgの方がいたとすると、
1日あたり | エネルギーが多い場合 | エネルギーが少ない場合 |
カロリー | 2506kcal | 1729kcal |
タンパク質 | 98g | 84g |
こんな感じになります。
そして、トレーニングを実施していない内転筋 (内もも) やヒラメ筋 (ふくらはぎ) は、エネルギーの摂取量が多いグループでは変化が見られなかったものの、エネルギーの摂取量が少ないグループでは減少が見られました。
つまり、エネルギー (タンパク質も) の摂取量が十分に確保できていない状況においては、トレーニングを実施した部位の筋肉を肥大させるために、トレーニングを実施していない部位の筋肉を萎縮 (代償) させる可能性が考えられるということです。
感想
この研究結果だけでは何とも言えないところではありますが、個人的な経験論であったり、これまでの科学的知見を考慮すると、トレーニングを実施する場合は、
・全身を満遍なく鍛える = 鍛えていない箇所を極力なくす
・種目とか重量とか回数とか、そういった筋トレの内容だけではなく、食事にもしっかり気を付ける
上記2点に注意されることをオススメします。
1点目の「全身を満遍なく鍛える = 鍛えていない箇所を極力なくす」ですが、こうすることによって「トレーニングを実施した部位の筋肉を肥大させるために、トレーニングを実施していない部位の筋肉を萎縮 (代償) させる」という、言うなれば「筋肉量の再分配」を阻止することに繋がるはずです。
2点目の「種目とか重量とか回数とか、そういった筋トレの内容だけではなく、食事にもしっかり気を付ける」ですが、こうすることによって、 例えば怪我なんかで、ある特定部位の運動が制限されているとか、もし1点目が守れなかったとしても、筋肉量の再分配を抑えられるかと思います。
最後に
今回は「【筋肉量の再分配?】トレーニングにおける筋の肥大と萎縮について」というタイトルで記事を書いてきましたがいかがだったでしょうか?
余談ではありますが、こういった類の報告を目にすると、つくづく「基本」が大切になるんだな〜、、、と実感させられます。
トレーニングには「全面性の原則」と言って「全身を満遍なく鍛える (発達させる) 」という理念が提唱されているのですが、先ほど紹介した研究でも、それがバシッと当てはまりますし、フィットネス系のWEBサイトや雑誌なんかでは「私たちの身体は食べたもので作られる」という文言をよく見かけますが、それもまさにその通りです。
トレーニングの効果を得るためには、先述した種目とか重量とか回数とか、そういった筋トレの内容ももちろん重要ではあるのですが、土台と言いますか根底と言いますか、何よりも基本を大切にすることが、大きな結果を生み出す第一歩になるのかもしれません。
次回作もご期待ください。