札幌市中央区東本願寺前駅にある、初心者向けスポーツジム フィットメソッドです。
今回は「【GVT】ジャーマンボリュームトレーニングとは何ですか? 効果について」というタイトルで記事を書いていきます。
ジャーマンボリュームトレーニングとは?
一般的に、トレーニングで得られる筋肉量増加や筋力向上効果は用量反応(dose-response)と言って、つまり「やればやるだけ大きくなる」と考えられています。
Single Versus Multiple Sets of Resistance Exercise: A Meta-Regression
Single vs. Multiple Sets of Resistance Exercise for Muscle Hypertrophy: A Meta-Analysis
例えば上に添付したメタアナリシスでは、1セットと比較して2 〜 3セットのトレーニングを行うと、約40%その効果が大きくなる可能性が示唆されたとのことです。
そのため、トレーニングを実施する際は1セット(1種目・1部位につき)で終わるのではなく、基本的には数セットでプログラムを組むことが今現在推奨されています。
ジャーマンボリュームトレーニング(German Volume Training; GVT)は別名「10セット法」とも呼ばれており、特に筋肉量増加を促進するとされる超ハードなトレーニング法です。
1970年代にドイツのウエイトリフティングコーチによって提唱され、伝統的なやり方では多関節エクササイズに対して10回 × 10セット(合計100レップ)とし、しかし種目は2種目までと制限がかけられます。
扱う重さは60%1RM前後(最大20回ほどできる重量)、セット間の休憩時間は60 〜 90秒と、拷問に近いレベルのメニューだと捉えて差し支えないかと。
先ほどお伝えしたように、トレーニングで得られる筋肉量増加や筋力向上効果には用量反応が見られ、とするのであればジャーマンボリュームトレーニングは有効な戦略では? と思えるところですが、果たして本当にそうなのでしょうか?
5セット vs. 10セット
Effects of a Modified German Volume Training Program on Muscular Hypertrophy and Strength
この研究では、トレーニング経験を有する健康な若年男性を「5セットグループ」と「10セットグループ」のいずれかに分け、筋力や筋肉量がどのように変化するのかについてを調べています。
両グループのプログラムは以下の通りです。

週3回・6週間に渡る分割法が採用され、メイン種目のセット数以外は全て統一されました(セット間の休憩時間は60 〜 90秒、最終セットでは全エクササイズ限界まで追い込む)。
トレーニング前後における筋力や筋肉量の変化を下に示します(省略している項目もあります)。
| 5セットグループ | 10セットグループ | |
| ベンチプレスMAX重量 | + 14.9% | + 6.2% |
| ラットプルダウンMAX重量 | + 15.1% | + 4.5% |
| レッグプレスMAX重量 | + 8.1% | + 4.7% |
| 胴体の除脂肪体重 | + 4.1% | + 1.0% |
| 腕の除脂肪体重 | + 7.8% | + 3.4% |
・筋力 = MAX重量は両グループで有意な向上が見られ、しかしベンチプレスとラットプルダウンでは5セットグループの方が10セットグループよりも大きかった。
・筋肉量 = 除脂肪体重は両グループで有意な増加が見られ、しかし5セットグループの方が10セットグループよりも大きかった。
< 結論 >
トレーニング効果の最大化を狙うには適切なセット数の範囲が存在し、それを超えると頭打ち、過剰ではむしろ低下する可能性がある、とまとめられます。
SNSを眺めると「強くなりたいなら、オーバーワークなんか気にせずとりあえずトレーニングをやりまくれ!」といったセリフを耳にする時がありますが、研究結果を踏まえる限り一概にはそうとも言えないみたいです。
もっとも、筋力や筋肉量の測定2回目は最後のトレーニング終了から2 〜 3日後に行われており、もし間隔が2週間とか3週間とかずっと空いていたのであれば違った結末になっていたかもしれません。
5セットグループと10セットグループでは、つまり後者のGVTグループの方が疲労は蓄積されていたことでしょう。
よって、例えば本当はGVTグループでベンチプレスMAX重量はより伸びていたけど、疲れの影響で良い数値が出なかっただけ、であることも検討されます。
イメージとしてはこんな感じです。
| ベンチプレスの重量 | 5セットグループ | 10セットグループ |
| 元々の重量 | 100kg | 100kg |
| トレーニング後本当の重量 | 120kg | 130kg |
| 疲労の度合い | 5 | 25 |
| トレーニング後計測時の重量 | 115kg | 105kg |
とは言えど「トレーニング効果の最大化を狙うには適切なセット数の範囲が存在し、それを超えると頭打ち、過剰ではむしろ低下する可能性がある」のは事実です。
2週間に1回とか3週間に1回とか、トレーニング頻度の確保が難しい場合はGVTを取り入れてみても良い気もしますが、そうでないのであればあまりオススメできるトレーニング法ではありません。
最後に
今回は「【GVT】ジャーマンボリュームトレーニングとは何ですか? 効果について」というタイトルで記事を書いてきましたがいかがだったでしょうか?
次回作もご期待ください。

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