札幌市中央区東本願寺前駅にある、初心者向けスポーツジム フィットメソッドです。
皆様もご存知のことと思いますが「プラセボ効果」と呼ばれる現象があります。
例えば「ただのアメを、酔い止めだと思い込ませて舐めさせると酔いが治まる」など、偽薬 (プラセボ) なのにも関わらず、薬だと信じ込むことによって、何らかの改善がみられるアレです。
実はこれ、トレーニングの効果にも現れる可能性が示唆されています。
今回は「トレーニングのプラセボ 筋トレの効果は思い込みで大きくなるって本当?」というタイトルで記事を書いていきます。
思い込みがトレーニングの効果に及ぼす影響について
The effects of being told you are in the intervention group on training results: a pilot study
研究内容をザックリ書き出します。
ハンドボール・サッカー選手などのアスリートを対象に、彼らを「ブラセボグループ」と「通常グループ」の2つに分け、10週間に渡り、同じ内容のトレーニングを実施した。
プラセボグループには「個別に最適化されたトレーニングプログラム」、通常グループには「一般化されたトレーニングプログラム」と説明をした。
トレーニング前後で、筋力や筋肉量がどのように変化するのかを調べた。
プラセボ | 通常 | |
スクワット1RM (kg) | + 5.7 ± 6.4% | + 0.9 ± 6.9% |
大腿四頭筋厚 (㎜) | + 3.3 ± 6.1% | − 1.9 ± 14.0% |
スクワット1RM (最大挙上重量) は、プラセボグループの方が通常グループよりも有意に増加した。
大腿四頭筋厚は、プラセボグループのみで増加し、通常グループで有意な変化は見られなかった。
この研究では、その個人で扱う重さ等は変わるものの、同じ内容のトレーニングプログラムを、両グループに対し異なる説明で提供しています。
つまり、グループ間で「このメニューは私のために作られたものなんだ」と思い込ませるか「このメニューはマニュアル化されたものなんだ」と思い込ませるかの違いです。
そして結果はどうだったのかというと、スクワット1RM (筋力) ・大腿四頭筋厚 (筋肉量) ともに、プラセボグループの方が通常グループよりも大きく増加しました。
このようなデータが得られた理由ですが「私のために作られたメニュー」と思い込むか「マニュアル化されたメニュー」と思い込むかでは、トレーニングの効果に対する期待感やモチベーション・セッションの質などに差が生じ、それが数値として現れたものかと思われます。
以前「【筋トレ】ストレスが多い人ほど力や筋肉がつきにくいって本当?」というタイトルで記事を書きました。
簡単にまとめると「ストレスが少ない人ほど力がつきやすくて、ストレスが多い人ほど力がつきにくい」というものです。
トレーニングの効果は、例えば扱う重さ・反復回数・こなすセット数・セット間の休憩時間、、様々な要因によって変わることが確認されていますが、どうもこういった類の研究を見る限り、私たち人間はやはり「人間」で、感情と言いますか、心理的要因・メンタルの状態も大いに影響するのだなという印象を受けます。
もっとも、今お伝えした通り、扱う重さ・反復回数・こなすセット数・セット間の休憩時間、、によって効果は変わってきますので、どういったプログラムに取り組むのかは、トレーニングを行ううえで非常に重要なポイントです。
しかし、それらのプログラムが、解剖学や筋生理学、いわゆる「トレーニング科学」的にベストであったとしても「その人」にとってのベストとは限りません。
断言することはできませんが、おそらくトレーニングの効果を決定する要因の1つには「いかに楽しむことができるか?」があるはずです。
もちろん、いくら楽しむことができたとしても、先述した要因が疎かではいけませんが、トレーニングを行う際は、何よりも「楽しむこと」に焦点を当てたプログラムが、最終的に大きな結果を残すのかもしれません。
最後に
今回は「トレーニングのプラセボ 筋トレの効果は思い込みで大きくなるって本当?」というタイトルで記事を書いてきましたがいかがだったでしょうか?
次回作もご期待ください。