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トレーニング

アイソメトリック vs. アイソトニック 筋トレの効果が大きいのはどっち?

札幌市中央区東本願寺前駅にある、初心者向けスポーツジム フィットメソッドです。

今回は「アイソメトリック vs. アイソトニック 筋トレの効果が大きいのはどっち?」というタイトルで記事を書いていきます。

はじめに

詳しくは「覚えておきたい筋トレ知識 アイソメトリックとアイソトニック」をご一読いただきたいのですが、基本的にトレーニングのエクササイズは「アイソメトリック」と「アイソトニック」の2つに分類することができます。

アイソメトリックは、日本語だと「等尺性収縮」と呼ばれており、筋肉の長さを変えない = 関節を固定しながら刺激を与えるというもので空気椅子やプランクが、アイソトニックは、日本語だと「等張性収縮」と呼ばれており、筋肉の長さを変える = 関節を動かしながら刺激を与えるというものでスクワットや腹筋運動が代表的な例として挙げられるでしょうか。

アイソメトリックとアイソトニック、どちらの方法も筋肉量や筋力の増加が期待できるのですが、一般的にトレーニングでは、アイソメトリックではなくアイソトニックが推奨されています。

アイソメトリックよりもアイソトニックの方が「トレーニングの効果が大きい」と考えられているためです。

しかし、これは本当なのでしょうか?

アイソメトリック vs. アイソトニック

Do isometric, isotonic and/or isokinetic strength trainings produce different strength outcomes?

研究内容をザックリ書き出します。

過去6ヶ月の間トレーニングの経験がない被験者を対象に、彼らを「アイソメトリックグループ」と「アイソトニックグループ」の2つに分けた。

※ 本当は、アイソキネキティック「等速性収縮」という運動のグループも作っているのですが、ここでは説明をわかりやすくするため省略しています。

両グループともレッグエクステンションを週3回の頻度で8週間実施し、下肢の筋肉量や筋力がどのように変化するのかを調べた。

アイソメトリックアイソトニック
筋肉量+ 3.1 ± 3.0%+ 3.9 ± 2.2%
最大随意トルク+ 30.2 ± 15.8%+ 15.8 ± 13.7%
1RM+ 19 ± 8.1%+ 36.3 ± 5.6%

筋肉量は両グループで同等に増加した。

最大随意トルクはアイソメトリックグループの方で、1RMはアイソトニックグループの方で大きく増加した。


この研究では、過去6ヶ月の間トレーニングの経験がない被験者を2つのグループに分け、レッグエクステンションを週3回の頻度で8週間実施し、下肢の筋肉量や筋力がどのように変化するのかを調べています。

レッグエクステンションは両グループとも、下の写真にある「Cybex 6000」で行われました。

各グループのトレーニングプログラムは、

・アイソメトリックグループ:事前に測定された、膝関節屈曲角90°・70°・50°・30°における最大随意トルクの75%の力で1秒間の収縮、1秒の休憩を挟みこれを10回・4セット、セット間休憩時間は1分。
・アイソトニックグループ:事前に測定された、1RMの75%で片道1秒・往復2秒を10回・4セット、セット間休憩時間は1分。

⇧ こんな感じです。

これだと少し分かりにくいかと思いますので、大雑把ですが流れを説明します (本当に大雑把な流れです) 。

まず、アイソメトリックグループですが、先ほどのマシンに座り、膝関節を90° (直角) に曲げ、足首にパッドを取り付け、全力で膝を伸ばすようにググッと力を入れてもらいます (足首に取り付けたパッドが動くことはありません) 。

そして、どれくらい力を出すことができたのかを記録します (このとき測定された力が最大随意トルクです) (もう1つのアイソトニックグループも同様のテストを実施し記録を取っています) 。

次は膝関節を70°に曲げ同じことを繰り返し、その次は膝関節を50°に曲げ同じことを繰り返し、さらにその次も膝関節を30°に曲げ同じことを繰り返し、得られた最大随意トルクが、

膝関節屈曲角90°70°50°30°
最大随意トルク1001008080

だとしましょう。

あとは、この最大随意トルクの75%でトレーニングを行います。

1セット目:膝関節を90°に設定し、75 (100の75%) の力で膝を伸ばすように。1秒力を入れ、1秒力を抜き、を10回。
2セット目:膝関節を70°に設定し、75 (100の75%) の力で膝を伸ばすように。1秒力を入れ、1秒力を抜き、を10回。
3セット目:膝関節を50°に設定し、60 (80の75%) の力で膝を伸ばすように。1秒力を入れ、1秒力を抜き、を10回。
4セット目:膝関節を30°に設定し、60 (80の75%) の力で膝を伸ばすように。1秒力を入れ、1秒力を抜き、を10回。

目の前にはコンピューターの画面が置かれ、出した力が最大随意トルクの75%に達しているかどうかをモニタリングできるようにしたみたいです。

一方、アイソトニックグループですが、こちらは至ってシンプルで、マシンの負荷を変えながら、1回だけ膝を曲げた状態から伸ばし切れる重さ = 1RMを記録しました (足首に取り付けたパッドは動きます) (もう1つのアイソメトリックグループも同様のテストを実施し記録を取っています) 。

仮に「100」の重さを持てたとすると、トレーニングでは「75」に設定して、膝を伸ばす動作に1秒・膝を曲げる動作に1秒、これを10回・4セットこなします。

そうして8週間後、下肢の筋肉量や筋力がどのように変化するのかを調べました。

結果、筋肉量は両グループで同等の増加が見られましたが、最大随意トルクはアイソメトリックグループの方で、1RMはアイソトニックグループの方で大きく増加したとのことです。

つまり、筋肥大の効果はどちらも違いはありませんでしたが、アイソメトリック的な筋力はアイソメトリックなトレーニングが有効で、アイソトニック的な筋力はアイソトニックなトレーニングが有効だったと言えるかもしれません。

各トレーニング方法の実用性

一般的には「アイソメトリックよりもアイソトニックの方がトレーニングの効果が大きい」と考えられていますが、この研究を見る限り、どうも一概にはそう言えなさそうです。

しかし、各トレーニング方法の実用性を考慮すると、アイソメトリックはアイソトニックと比較して、取り入れる難度はかなり高くなるかもしれません。

レッグエクステンション、いわゆる「マシントレーニング」であれば、そこまで大きな問題なくメニューに組み込めるかと思いますが、スクワット・デッドリフト・ベンチプレスをはじめとした「フリーウエイト」だと「各関節の角度を〇〇°に設定して、それが終わったら〇〇°に設定して〜」は、現実的に相当困難 (面倒) だと言っても過言ではないでしょう。

もっとも、アイソメトリックはその特徴上、関節への負担はアイソトニックよりも少ない印象を受けます。

よって、どこか関節に痛みを抱えている、どこか関節を動かすことに抵抗がある場合などはアイソメトリックを検討し、そうでない場合はアイソトニックをメニューの中心に組み込んだ方が良いかもしれません。

最後に

今回は「アイソメトリック vs. アイソトニック 筋トレの効果が大きいのはどっち?」というタイトルで記事を書いてきましたがいかがだったでしょうか?

次回作もご期待ください。



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