札幌市中央区東本願寺前駅にある、初心者向けスポーツジム フィットメソッドです。
トレーニングのエクササイズは「関節の動き」という観点から「アイソメトリック」と「アイソトニック」2つに分類することができます。
アイソメトリック (トレーニング) は、空気椅子などが良い例で、関節を固定しながら ( =筋肉の長さを変えないで) 負荷がかかるという鍛え方、アイソトニック (トレーニング) は、腕立て伏せなどが良い例で、関節を動かしながら (=筋肉を伸び縮みさせて) 負荷がかかるという鍛え方、です。
一般的には、アイソメトリックよりもアイソトニックが推奨されており、つまりトレーニングの動作には「上げる」と「下げる」2つの局面が存在するわけですが、先日お客様から「上げる局面と下げる局面、どちらが重要ですか?」とのご質問をいただきました。
今回は「トレーニングでは上げる局面よりも下げる局面をより丁寧に行う 筋トレの動作」というタイトルで記事を書いていきます。
結論
はじめに結論からお伝えしますと、上げる局面と下げる局面、どちらも重要です。
しかし「どちらがより重要ですか?」と問われたら、それは上げる局面ではなく下げる局面になるでしょう。
よって、トレーニングでは「上げる局面よりも下げる局面をより丁寧に行う」という意識を持つのが望ましいかもしれません。
理由を説明していきます。
上げるだけ vs. 下げるだけ
Comparison between concentric-only, eccentric-only, and concentric-eccentric resistance training of the elbow flexors for their effects on muscle strength and hypertrophy
⇧ では、トレーニング未経験者対象に、腕の筋肉を鍛えるアームカールを実施しています。
被験者は、ダンベルを上げるだけのグループと、ダンベルを下げるだけのグループに分けられ、同じ重量・回数・セット数でプログラムをこなしました。
上げるだけ | 下げるだけ | |
筋力 | + 4.8% | + 11.0% |
筋肉量 | + 2.5% | + 9.7% |
その結果、ダンベルを上げるだけのグループと比べて、ダンベルを下げるだけのグループで、筋力・筋肉量は増加したとのことです。
この研究に関しては、以前のブログ「コンセントリックとエキセントリック収縮による筋トレの効果の違い」で詳しく解説していますので、ご興味のある方はぜひご一読ください。
これと似たような研究は他にもいくつか行われているのですが、それらを読み込む限り、筋力・筋肉量の増加においては、上げる局面よりも下げる局面の方がより貢献する印象を受けます。
上げる局面よりも下げる局面をより丁寧に行う
トレーニング行う際は、おそらく「50kg・10回・3セット」のようにメニューを組む方が多いと思うのですが、言ってしまうとこれら変数はただの数値に過ぎず、全くもって本質ではありません。
本来の目的は筋力・筋肉量の増加などであり、それを達成するための手段・ガイドラインとして、いわゆる「メニュー」は機能するはずです。
しかし、いざメニューを目の前にすると「よし、今日こそは50kgで10回を3セットクリアするぞ!」と、本来は手段・ガイドラインであるはずのところが、目的と化しているシーンを度々見かけます。
もちろん、これまで不可能だったメニューをクリアするのは純粋に嬉しく、またそれは筋力・筋肉量の増加によるものだと推測されますので、一概に「そのような考え・感情を持つのはダメ」などと言う気は一切ありません。
ただ「メニューのクリア」はすなわち「上げる」とイコールですので「下げる」が雑になる可能性が懸念されます。
デッドリフトではバーベル (厳密にはプレート) を床に叩きつけそのバウンドを利用したり、ベンチプレスではバーベルを胸に急落下させその反動を利用したり、といった具合です。
そして、ここで思い出してもらいたいのが先に紹介した研究で、筋力・筋肉量の増加をはじめとしたトレーニングの効果は、上げる局面よりも下げる局面の方がより貢献していました。
ということを考えると、当然両方の局面どちらも重要ではあるのですが、先述した通りトレーニングでは「上げる局面よりも下げる局面をより丁寧に行う」という意識を持つのが望ましいのではないかと思います。
「上げるために下げるのではない。下げるために上げるのだ」こんなイメージでしょうか。
最後に
今回は「トレーニングでは上げる局面よりも下げる局面をより丁寧に行う 筋トレの動作」というタイトルで記事を書いてきましたがいかがだったでしょうか?
次回作もご期待ください。
札幌市近郊にお住いの方は、
ぜひ フィットメソッド をご利用ください。