札幌市中央区東本願寺前駅にある、初心者向けスポーツジム フィットメソッドです。
重さ・セット数・セット間休憩時間など、トレーニングの効果を決定する要素は「トレーニング変数」と呼ばれており、以前から盛んに研究が行われています。
トレーニング変数が変わると、得られるトレーニングの効果も変わるため、しっかりと結果を出したいのであれば、それら要素を綿密に作り込まなくてはいけません。
しかし近年「タイムアンダーテンション」という、新たなトレーニング変数が提唱されました。
今回は「TUT タイムアンダーテンションとは? 筋トレの効果を高めるために」というタイトルで記事を書いていきます。
タイムアンダーテンションとは?
まずはじめに「タイムアンダーテンションとは?」を説明していきますが、これは「筋肉が力を発揮している時間」を指します。
英語では「Time Under Tension」と表記され、頭文字を取って「TUT」とも略されます。
まあざっくり言うと、そのトレーニングにおける「動作時間」のことだと思っていただければ問題ありません。
ベンチプレスを例を挙げると、2秒でバーベルを下ろし、2秒でバーベルを上げ、それを8回繰り返した場合、タイムアンダーテンションは32秒になります。
タイムアンダーテンションが筋肥大と筋力に及ぼす影響
Equalization of Training Protocols by Time Under Tension Determines the Magnitude of Changes in Strength and Muscular Hypertrophy
この研究では、タイムアンダーテンションを等しくし、筋肥大や筋力にどのような影響を及ぼすかを調べています。
過去半年間トレーニングをしていない男性を2つのグループに分け、10週間に渡ってベンチプレスを行ってもらい、大胸筋・上腕三頭筋の断面積、および最大挙上重量の変化を測定した。
1つ目のグループは往復3秒を12回、2つ目のグループは往復6秒を6回の合計36秒、重さ・セット数・セット間休憩時間は両グループで等しく設定した。
3秒 12回 | 6秒 6回 | |
大胸筋の断面積 ㎠ | 81.5 → 104.7 | 80.9 → 98.4 |
上腕三頭筋の断面積 ㎠ | 57.5 → 65.3 | 60.9 → 67.3 |
最大挙上重量 Kg | 60.4 → 74.5 | 60.9 → 74.4 |
大胸筋・上腕三頭筋の断面積、および最大挙上重量は両グループで同様に増加した。
所感
タイムアンダーテンションに関する研究は、私が知る限りほとんど行われていなく、まだまだわからないことだらけです。
先ほど紹介した研究では、重さ・セット数・セット間休憩時間、そしてタイムアンダーテンションを等しく設定しており、異なるトレーニング変数は「往復の秒数」と「回数」になります。
もっとも、この往復の秒数に関しては「動作速度」と言い換えた方が良いかもしれません。
結果としては、筋断面積・最大挙上重量が両グループで同様に増加していますが、1つ目のグループを「努力できる最大限速い動作速度で高回数」2つ目のグループを「努力できる最大限遅い動作速度で低回数」にした場合、たとえ重さ・セット数・セット間休憩時間、そしてタイムアンダーテンションが等しく設定されていたとしても、全く違った結論になっていたかもしれません。
また、
1つ目のグループ:往復3秒・12回・6セット (合計216秒)
2つ目のグループ:往復8秒・9回・3セット (合計216秒)
のように、重さ・セット間休憩時間、そしてタイムアンダーテンションが等しく設定されていたとしても、今度はセット数も異ならせれば、これも全く違った結論になっていた可能性も考えられます。
ただ、完全に個人的な感覚・経験論ではありますが、おそらく筋肥大に関しては「往復の秒数 (≒動作速度) ・回数・セット数の3つのうち、どのトレーニング変数が変われど、タイムアンダーテンションが等しく設定されているのであれば、効果はほぼ変わらない」と思っています。
最後に
今回は「TUT タイムアンダーテンションとは? 筋トレの効果を高めるために」というタイトルで記事を書いてきましたがいかがだったでしょうか?
先ほどお伝えした通り、タイムアンダーテンションに関しては、まだまだわからないことだらけです。
しかし、トレーニング変数の重要な1つになることは間違いなさそうですので、メニューを作る際、そしてトレーニングを行う際は、タイムアンダーテンションを意識してみるのも面白いかもしれません。
次回作もご期待ください。