札幌市中央区東本願寺前駅にある、初心者向けスポーツジム フィットメソッドです。
今回は「トレーニング動作の下ろすスピード ゆっくり vs. 速く 効果の違いについて」というタイトルで記事を書いていきます。
ゆっくり vs. 速く 効果の違いについて
The effects of eccentric phase tempo in squats on hypertrophy, strength, and contractile properties of the quadriceps femoris muscle
研究内容をザックリ書き出します。
少なくとも過去8ヶ月間に渡ってトレーニング経験のない男女を対象に、彼らを「ゆっくり下ろすグループ」と「速く下ろすグループ」の2つに分け、スクワットを週2回の頻度で7週間実施した。
プログラムは両グループで統一され、前半の3週間は60%1RMで3セット、後半の4週間は70%1RMで3セット、セット間の休憩時間は2分とし、力が尽きて適切なフォームが維持できなくなるまで、またはメトロノームで管理されたテンポが維持できなくなるまで行った。
トレーニング前後で、大腿四頭筋断面積やスクワット最大重量がどのように変化するのかを調べた。
ゆっくり | 速く | |
大腿直筋断面積 | + 17.2 mm² | + 21.4 mm² |
中間広筋断面積 | + 15.4 mm² | + 17.6 mm² |
内側広筋断面積 | + 12.8 mm² | + 11.4 mm² |
外側広筋断面積 | + 18.2 mm² | + 7.4 mm² |
最大重量 | + 11.1 kg | + 5.6 kg |
結果は以下の通り。
・大腿四頭筋断面積は両グループで有意に増加したが、外側広筋に関しては「ゆっくり下ろすグループ」の方が「速く下ろすグループ」よりも大きく増加した。
・スクワット最大重量は両グループで有意に増加したが「ゆっくり下ろすグループ」の方が「速く下ろすグループ」よりも大きく増加した。
この研究では、少なくとも過去8ヶ月間に渡ってトレーニング経験のない男女を対象に、彼らを「ゆっくり下ろすグループ」と「速く下ろすグループ」の2つに分け、スクワットを週2回の頻度で7週間実施し、筋肉量や筋力がどのように変化するのかを調べています。
各グループの詳細ですが、
ゆっくり下ろすグループ:エキセントリック4秒 / コンセントリック1秒 / 切り返し0秒
速く下ろすグループ:エキセントリック1秒 / コンセントリック1秒 / 切り返し0秒
このようになっており、ゆっくり下ろすは「4秒でしゃがんで1秒で立ち上がる」速く下ろすは「1秒でしゃがんで1秒で立ち上がる」とのことで、かつ「切り返し」と言いますか、要は「立ち上がり切ったポジションとかで休まない = 動き続ける」ように指示が出されたみたいです。
そして結果ですが、
・大腿四頭筋断面積は両グループで有意に増加したが、外側広筋に関しては「ゆっくり下ろすグループ」の方が「速く下ろすグループ」よりも大きく増加した。
・スクワット最大重量は両グループで有意に増加したが「ゆっくり下ろすグループ」の方が「速く下ろすグループ」よりも大きく増加した。
となりました。
まず大腿四頭筋断面積ですが、この筋は大腿直筋・中間広筋・内側広筋・外側広筋の4つから構成されており、それぞれの変化を計測したところ、大腿直筋・中間広筋・内側広筋は両グループで同様に増加したものの、外側広筋だけは「ゆっくり下ろすグループ」の方が「速く下ろすグループ」よりも大きく増加したとのことです。
次スクワット最大重量ですが、これはそのまま「スクワットでMAX何kg持てるか?」を意味しており、こちらも「ゆっくり下ろすグループ」の方が「速く下ろすグループ」よりも大きく増加しています。
つまり、トレーニング (厳密にはスクワット) 動作の下ろすスピードとしては「速く」ではなく「ゆっくり」行うことで、筋肉量や筋力の向上をより高める可能性が示唆された、と言えるでしょう。
所感
以前「筋トレの動作スピード “速度” は速く or ゆっくり どっちが良い?」のブログでも紹介しているのですが、当ジムでは
・コンセントリック (上げる) 局面:気持ち速め・イメージとしては「1 〜 2秒以内」
・エキセントリック (下ろす) 局面:気持ちゆっくりめ・イメージとしては「1 〜 2秒以上」
をオススメしています。
こうすることによって、トレーニングの効果をより高めることができる (可能性がある) と考えているためです。
先ほど解説した研究では、各グループの平均反復回数やタイムアンダーテンションも調べているのですが、このような感じになりました。
ゆっくり | 速く | |
1セット目 回数 | 11.9 | 14.5 |
2セット目 回数 | 9.9 | 13.1 |
3セット目 回数 | 8.7 | 11.1 |
タイムアンダーテンション (秒) | 152.5 | 77.5 |
ゆっくりグループは1回の動作に時間をかけるため、速くグループよりもセットごとの反復回数が減る一方、タイムアンダーテンション (筋に対してテンションが生じている時間 = 筋に対して負荷がかかっている時間) は同じ重量を扱ったにも関わらず倍の差が見られ、おそらくこれが刺激となり効果が大きくなったのでしょう。
もっとも、得られるデータは「誰を対象とするのか?」「期間は?」「採用したエクササイズは?」等によって変化するため、皆様のトレーニングにもこれと同じ結果が当てはまるとは限りません。
が、もし仮にそうだとしても、トレーニング動作の下ろすスピードを「速く」ではなく「ゆっくり」行うことで = ウエイトをしっかりコントロールすることで、怪我のリスク低減にはほぼ確実に繋がるはずです。
・コンセントリック (上げる) 局面:気持ち速め・イメージとしては「1 〜 2秒以内」
・エキセントリック (下ろす) 局面:気持ちゆっくりめ・イメージとしては「1 〜 2秒以上」
を意識し、トレーニングに励んでいただければ幸いです。
最後に
今回は「トレーニング動作の下ろすスピード ゆっくり vs. 速く 効果の違いについて」というタイトルで記事を書いてきましたがいかがだったでしょうか?
次回作もご期待ください。
札幌市近郊にお住いの方は、
ぜひ フィットメソッド をご利用ください。