札幌市中央区東本願寺前駅にある、初心者向けスポーツジム フィットメソッドです。
今回は「ラットプルダウン 人差し指側ではなく小指側でバーを引いた方が背中に効くって本当?」というタイトルで記事を書いていきます。
はじめに
主に広背筋や大円筋など、背中の筋群を鍛えることができる代表的なエクササイズに「ラットプルダウン」と呼ばれる種目があります。
ラットプルダウンは、スポーツジムであればほぼ間違いなく置いているであろうトレーニングマシンの1つで、
上の動画のように「頭上にあるバーを身体の近くへと引き寄せる」という動作を伴うものです。
ラットプルダウンを上手に実施するためのコツはいくつか存在するのですが、その中の1に「人差し指側ではなく小指側でバーを引く」が挙げられるときがあります。
「人差し指側ではなく小指側でバーを引くことによって、背中の筋群を意識させやすく & 収縮させやすくし、より大きな発達を促す」と言われたりするのですが、果たしてこれは本当なのでしょうか?
最初に結論からお伝えしますと、正直なところわかりません。
が、個人的な見解としては、その可能性は十分にあると考えており、タイミングを見計らって、絶対ではないものの人差し指側ではなく小指側でバーを引くように指導しています。
人差し指側 vs. 小指側
まず、一般的にラットプルダウンでは「人差し指側ではなく小指側でバーを引いた方が背中に効く」とされているのですが、よく耳にするこの理由は「神経支配と肘関節の屈曲」です。
専門用語を使用すると難しくなるため、簡潔な言葉で解説しますが、私たちが自らの意思で身体を動かす際は「指令が脳から下る ⇨ 指令が運動神経を走る ⇨ 指令が対象となる筋に届く ⇨ 指令が実行される」という流れが組まれます。
脳は「指令を考える本部」運動神経は「指令を届けるための道路」対象となる筋は「指令の到着地点」と例えることができるでしょうか。
よって、仮に右脚を動かす場合と左腕を動かす場合とでは、指令を考える本部 =「脳」は同じであったとしても、指令を届けるための道路 =「運動神経」と、指令の到着地点 =「対象となる筋」が異なります。
つまり、その運動神経とその対象となる筋は密接に繋がっており、このとき「ある神経はある筋を支配している (ある筋はある神経に支配されている) 」と表現され、これが「神経支配」です。
このように、ある筋はある神経に支配されているわけですが、実は人差し指と小指の神経支配には違いが見られ、人差し指を支配するのが正中神経、小指を支配するのが尺骨神経と確認されています。
そして、正中神経と尺骨神経は他の部位も支配しており、正中神経は尺骨神経と比較して「肘関節の屈曲」に関わる他の筋の支配数が多いとされ、これが「ラットプルダウンでは、人差し指側ではなく小指側でバーを引いた方が背中に効く」とされている理由です。
話が複雑 & 飛躍しましたが、
「ラットプルダウンにおいて、人差し指 (側) でバーを引くと正中神経が活動することになり、それは肘関節の屈曲に関わる筋も支配しているため、その影響が及んで肘を曲げるような力が強く働き、結果腕が疲労しやすく背中に効きにくくなる。一方、小指 (側) でバーを引くと尺骨神経が活動することになり、それは肘関節の屈曲に関わる筋を支配していない (していたとしても微々たるもの) ため、肘を曲げるような力は強く働かず、結果腕が疲労しにくく背中に効きやすくなる」
ザックリですがこんな感じにまとめられます。
科学的知見は?
先ほど、ラットプルダウンで、人差し指側ではなく小指側でバーを引いた方が背中に効く、とされている理由を綴りましたが、少なくとも私が知る限り、これを支持する科学的知見は1つもありません。
あくまでも、トレーニング業界ではそのように推測されることが多い、といういち意見にすぎません。
人差し指側ではなく小指側でバーを引いた方が背中に効く、とは断言できないのが現状です。
しかし、これまで様々なお客様を指導してきた中で、人差し指側でバーを引いた場合と、小指側でバーを引いた場合とでは、圧倒的に後者の方が「背中に効く気がする」と仰った方の数は多くなっています。
30名のお客様がいたとすると、
人差し指側でバーを引いた方が背中に効く:5名
小指側でバーを引いた方が背中に効く:20名
どちらでも変わらない:5名
こんなイメージでしょうか。
事実私自身も、人差し指側ではなく小指側でバーを引いた方が背中に効く感覚は僅かながらもあり、そんなこんなでタイミングを見計らって、絶対ではないものの人差し指側ではなく小指側でバーを引くように指導しています。
最後に
今回は「ラットプルダウン 人差し指側ではなく小指側でバーを引いた方が背中に効くって本当?」というタイトルで記事を書いてきましたがいかがだったでしょうか?
ちなみに「効き」という点は一旦おいておき「フォーム」という点から見ても、人差し指側ではなく小指側でバーを引いた方が良くなる印象です。
個人的な見解ではありますが、もしラットプルダウンの効きやフォームに不安があるのであれば「人差し指側ではなく小指側でバーを引く」を試されることをオススメしています。
次回作もご期待ください。
札幌市近郊にお住いの方は、
ぜひ フィットメソッド をご利用ください。