札幌市中央区東本願寺前駅にある、初心者向けスポーツジム フィットメソッドです。
先日お客様から『「綺麗なフォームでトレーニングを行うと、重量が軽くなってしまうことがある。そんなときは、多少フォームが崩れても重量を増やして、違う刺激を筋肉に入れることもトレーニングには重要だ」みたいな文章をネットで目にしたのですが、これ、どうなんですか?』とのご質問をいただきました。
今回は「綺麗なフォームで低重量 vs. 崩れたフォームで高重量 どちらが良い?」というタイトルで記事を書いていきます。
結論
最初に結論からお伝えしますが「綺麗なフォームで低重量」と「崩れたフォームで高重量」では、ほぼ間違いなく前者の方が良いです。
つまり、冒頭で触れた主張に対して、反対の立場になります。
オーバーヘッドプレスの例
主に肩周りの筋群を鍛えることのできるエクササイズに「オーバーヘッドプレス」と呼ばれる種目があります (ショルダープレス・ミリタリープレスとも呼ばれます) 。
詳細は上の動画をご覧いただきたいのですが、直立し、喉元にあるバーベルを真上に持ち上げるエクササイズです。
先ほどお伝えした通り、オーバーヘッドプレスでは主に肩周りの筋群、具体的には僧帽筋や三角筋などを鍛えることができるわけですが、これは「上半身を垂直に立てた状態で、ウエイトを鉛直方向に挙上するから」に他なりません。
つまり、こういった姿勢で (上半身を垂直に立てた状態で) 、こういったことをするから (ウエイトを鉛直方向に挙上するから) 、それゆえに、僧帽筋や三角筋など、主に肩周りの筋群を鍛えることができるわけです。
よって「こういった姿勢で」と「こういったことをするから」のどちらかが変われば、鍛えることのできる部位も基本的に変わってきます。
オーバーヘッドプレスで高重量を扱おうとすると、下の動画のように、
腰が反ってくる (フォームが崩れてくる) 場合があるのですが、これが過度になれば「上半身を垂直に立てた状態で」が「上半身を寝かせたような状態で」へと移行します。
本来オーバーヘッドプレスは「上半身を垂直に立てた状態で、ウエイトを鉛直方向に挙上する」というエクササイズでしたが「上半身を寝かせたような状態で、ウエイトを鉛直方向に挙上する」という、言うなれば「ベンチプレスに近いエクササイズ」になってしまうわけです。
そうなると、もうそれはオーバーヘッドプレスとは表現しにくく、僧帽筋や三角筋など、主に肩周りの筋群を鍛えることは難しくなるでしょう。
少し強い言葉になりますが、まさに本末転倒です。
「せっかく、僧帽筋や三角筋など、主に肩周りの筋群を鍛える目的でオーバーヘッドプレスを取り入れているにも関わらず、腰が反ってベンチプレスに近いエクササイズになれば、狙った部位に対しての刺激が減少してしまい、さらには怪我も懸念され、とするのであれば最初からベンチプレスを行った方が良いのでは?」という印象を受けます。
このような理由から、冒頭で触れた主張に対して、反対の立場を取っているわけです。
言葉の定義によっては…
「“綺麗なフォームで低重量” と “崩れたフォームで高重量” では、ほぼ間違いなく前者の方が良い。後者に対しては反対」と考えているわけですが、特にこの「崩れた」という言葉をどのように定義するかによっては、それはそれでアリかもしれません。
例えば、オーバーヘッドプレスと非常に似たエクササイズに「プッシュプレス」と呼ばれる種目があります。
オーバーヘッドプレスは、原則上肢の力だけで動作を遂行するのに対し、プッシュプレスは、下肢の力 (勢い) も利用するのが特徴で「オーバーヘッドプレス + 勢い = プッシュプレス」と捉えていただければOKです。
オーバーヘッドプレスで高重量を扱おうとすると、先述したように腰が反ってくる場合があるわけですが、人によってはそうならずに勢いだけが追加され、プッシュプレスになる場面が時折り見受けられます。
しかし、プッシュプレスは「オーバーヘッドプレス + 勢い」であるため「狙った部位に対しての刺激が減少してしまう」とか「怪我も懸念される」とか、もちろん可能性は考えられはするのですが、先ほどのベンチプレスに近いエクササイズとは、代償の方向性が全くの別物です。
オーバーヘッドプレス ⇨ ベンチプレスに近いエクササイズでは「鍛えられる部位が違う」ゆえの「狙った部位に対して刺激が減少してしまう」である一方、オーバーヘッドプレス ⇨ プッシュプレスでは「鍛えられる部位は同じだが、下肢の力が強すぎると負荷が乗りにくい」ゆえの「狙った部位に対して刺激が減少してしまう」になります。
よって「オーバーヘッドプレス ⇨ ベンチプレスに近いエクササイズ」のように、本質的に異なる種目 & 傷害のリスクが明らかに高くなるものを「崩れたフォーム」と定義するのであればそれはナシですが「オーバーヘッドプレス ⇨ プッシュプレス」のように、本質的に同じ種目 & 傷害のリスクが明らかに高くなるとは言えないものを「崩れたフォーム」と定義するのであればそれは特段問題ないでしょう。
最後に
今回は「綺麗なフォームで低重量 vs. 崩れたフォームで高重量 どちらが良い?」というタイトルで記事を書いてきましたがいかがだったでしょうか?
次回作もご期待ください。
札幌市近郊にお住いの方は、
ぜひ フィットメソッド をご利用ください。