札幌市中央区東本願寺前駅にある、初心者向けスポーツジム フィットメソッドです。
今回は「トレーニングのセット間休憩時間は3分だと長すぎる?疲労回復の度合い」というタイトルで記事を書いていきます。
はじめに
以前「【筋トレ】筋肥大を最大にするトレーニングのセット間休憩時間について」というタイトルの記事を書きました。
内容としては、
・エネルギー消費の大きい (スクワット・ベンチプレスなど) エクササイズは2分前後
・エネルギー消費の小さい (レッグエクステンション・プッシュダウンなど) エクササイズは1分前後
を、セット間休憩時間としてオススメしています、といったものです。
この考え方については、もちろん今現在も変わっていないのですが、セット間休憩時間の違いが、反復回数にどのような影響を及ぼすのかは記載していなかったため、そのブログを補完するような形で、今日は具体的な数値をお伝えしたいと思います。
異なるセット間休憩時間が反復回数に及ぼす影響
Repetition performance, rating of perceived discomfort and blood lactate responses to
different rest interval lengths in single- and multi-joint lower body exercise
この研究では、下半身を鍛える代表的なエクササイズである「レッグエクステンション」と「スクワット」を対象に、セット間休憩時間の違いが、反復回数にどのような影響を及ぼすのかを調べています。
参加者たちは、10RM (10回できる重さ) で、各セットを限界まで追い込むように指示されました (限界まで追い込めない方もいたようです) 。
その結果がこちらです。
LE1 | LE2 | LE3 | SQ1 | SQ2 | SQ3 | |
1セット目 | 11.3 ± 2.8 | 11.1 ± 1.9 | 10.4 ± 1.5 | 9.8 ± 3.3 | 11.5 ± 3.4 | 10.7 ± 2.7 |
2セット目 | 8.4 ± 1.9 | 10.3 ± 2.1 | 9.7 ± 2.0 | 6.7 ± 2.8 | 8.9 ± 2.8 | 9.8 ± 2.3 |
3セット目 | 6.5 ± 2.8 | 8.9 ± 1.8 | 8.6 ± 2.0 | 5.3 ± 2.4 | 7.4 ± 2.4 | 7.4 ± 2.2 |
4セット目 | 6.5 ± 2.1 | 8.3 ± 2.4 | 8.6 ± 2.3 | 4.9 ± 2.4 | 6.4 ± 3.8 | 8.1 ± 3.7 |
LEはレッグエクステンション SQはスクワット 1 2 3 はセット間休憩時間 (分) そして数値は各セットにおける反復回数を表しています。
例えば、レッグエクステンションを2分のセット間休憩時間で追い込んだ場合「1セット目は平均11回できたけど、4セット目は平均8回まで減った」ということです。
得られた研究結果から、着目したい点が3つありますので、その3点についてを下に記載していきます。
まず1点目「セットごとの反復回数」ですが、エクササイズ・セット間休憩時間を問わず、セット数が増えるごとに減少しているのが分かります。
これは、シンプルに疲労が蓄積したからでしょう。
次2点目「エクササイズ別の反復回数」ですが、その減少率は、レッグエクステンションよりもスクワットの方で大きかったようです。
つまり、レッグエクステンションの方がスクワットよりも、反復回数をキープできたということです。
レッグエクステンションは、膝関節しか動かさない「単関節運動」に分類されるのに対し、スクワットは、股関節や膝関節を動かす「多関節運動」に分類されます。
一般的に、単関節運動による疲労は「局所が焼けるような」多関節運動による疲労は「全体が衰弱するような」感覚を伴うとされており、疲労度・不快感・キツさとかは、単関節運動 < 多関節運動となることが多く、それが顕著に現れたのでしょう。
最後3点目「セット間休憩時間における反復回数」ですが、1分の休憩では回数が大幅に減少しており、2分と3分の休憩ではほぼ同様の回数だったようです。
よって、疲労回復の度合いを、抽象的な表現で申し訳ないのですが、仮に言語化するのであれば、
・休憩1分:若干回復はするものの、セットごとに疲労が強く溜まっていき、4セット目には1セット目の半分くらいの回数しか行えない。
・休憩2 〜 3分:セットごとに疲労は溜まるが、それなりに回復するため、4セット目には1セット目の 2/3 〜 4/5 程度の回数を行える。
こんな感じになるかと思います。
ということを考えると、例えば「明らかに他の人よりも疲労回復が遅い」とか「筋肉ではなく息が上がって苦しい (スタミナ切れ) 」とか、そういう状況じゃない限りは、トレーニングのセット間休憩時間を、2分程度に抑えておいた方が良いかもしれません。
3分は少し長いかもしれません。
2分と3分のセット間休憩時間では、反復回数がほぼ同様であるうえに、費やす時間を約30%短縮できるため、効率的かつ効果的なトレーニングに繋がるはずです。
最後に
今回は「トレーニングのセット間休憩時間は3分だと長すぎる?疲労回復の度合い」というタイトルで記事を書いてきましたがいかがだったでしょうか?
もっとも、先ほど紹介した研究は、下半身のエクササイズ、そして10RMを採用しているため、この結果が上半身のエクササイズや違う負荷にも該当するかは分かりません。
しかし、レッグエクステンションもスクワットも10RMも、ごく一般的なトレーニングメニューかと思いますので、大多数の方には当てはまる情報なはずです。
ぜひ参考にしていただければと思います。
次回作もご期待ください。