札幌市中央区東本願寺前駅にある、初心者向けスポーツジム フィットメソッドです。
先日、お客様から「ボディコンテストに出場する知人と筋トレ談義をしたところ、彼は腹筋を鍛える種目をほとんどやらないみたいなんです。スクワットとかベンチプレスとか、高重量を扱える複合的なエクササイズに取り組めば、自然とお腹にもしっかりとした刺激が入るって。これ、本当ですか?」とのご質問をいただきました。
今回は「スクワットやベンチプレスで腹筋が鍛えられるって本当? お腹の種目は必要ない?」というタイトルで記事を書いていきます。
結論
スクワットとかベンチプレスとか、高重量を扱える複合的なエクササイズに取り組めば、自然とお腹にもしっかりとした刺激が入り、腹直筋・腹斜筋群を直接強化する = 脊柱を屈曲させるクランチやシットアップ等を行わなかったとしても、腹筋が鍛えられる可能性は十分に考えられるでしょう。
8週間のトレーニングプログラムが筋肉量の増加に及ぼす影響
上の研究では、トレーニング経験のある若年男性を対象に、週3回の頻度で8週間に渡るプログラムを実施し、筋肉量の増加にどのような影響が及ぶかについてを調べています(説明をわかりやすくするため、省略している部分が多々あります)。
採用されたエクササイズは、フリーウエイトによるスクワット・ベンチプレス・ベンチプル・ショルダープレスの4つで、65 〜 85%1RMの重量を用い、各種目につき3セットを完遂しました。
大腿四頭筋・大胸筋・腹直筋の断面積を介入前後で測定した結果がこちらになります。
項目 | 変化率 |
大腿四頭筋断面積 | + 5.4% |
大胸筋断面積 | + 13.8% |
腹直筋断面積 | + 2.5% |
大腿四頭筋・大胸筋・腹直筋の断面積全てで有意な増加が確認されました。
個人的な考察
まず、採用された4つのエクササイズで要求される主な関節の動きは下記の通りです。
スクワット | 股関節の伸展・膝関節の伸展 |
ベンチプレス | 肩関節の水平内転・肘関節の伸展 |
ベンチプル | 肩関節の水平外転・肘関節の屈曲 |
ショルダープレス | 肩関節の外転・肘関節の伸展 |
スクワットの膝関節伸展で太もも前の大腿四頭筋が働き、ベンチプレスの肩関節水平内転で胸の大胸筋が働くため、これら2つの筋で断面積の有意な増加が認められたのは何ら不思議ではありません。
注目したいのは腹直筋で、脊柱を屈曲させる = 背骨を丸める動作を伴うエクササイズ(クランチとかシットアップとか)を行わなかったにも関わらず、小さいながらも断面積の有意な増加が認められています。
では、なぜこのようなデータが得られたのかというと、冒頭で触れたように、スクワットやベンチプレスをはじめとした、高重量を扱える複合的な = 多関節系のエクササイズに取り組んだことによって、自然とお腹にもしっかりとした刺激が入ったから、でしょう。
例えばスクワットは「構造的エクササイズ」と呼ばれており、これは「脊柱に対して長軸方向に負荷のかかる種目」を指します。
背骨をギュッと押し潰す = 圧縮するようなエクササイズの類だとイメージしていただければ問題ありません。
私たちヒトの脊柱は通常カーブを描いていますが、この形から逸脱した場合腰椎椎間板に大きな負担が生じる = 腰を痛める危険性が高くなるとの報告がいくつもなされており、ということを踏まえると、構造的エクササイズを実施する際は「腰が過剰に丸まる」「腰が過剰に反る」こんなフォームは避けるべきです。
そのため、特にスクワットを行うときは脊柱本来のカーブをキープし続けることが強く求められ、言い換えると体幹の状態を意図的にコントロールする能力が強く求められます。
そして、この瞬間に働く筋の代表格として挙げられるのが腹直筋・腹斜筋群です。
こういった理由から、先ほど紹介した研究結果では、脊柱を屈曲させる = 背骨を丸める動作を伴うエクササイズ(クランチとかシットアップとか)を行わなかったにも関わらず、小さいながらも断面積の有意な増加が認められたのでしょう。
しかしながら「じゃあ、スクワットとかベンチプレスとか、高重量を扱える複合的なエクササイズに取り組めば、別にお腹の種目は必要ないの?」と問われると、状況にもよりますが「はい、必要ありません」とはほぼなりません。
お腹の種目を仮に一切排除したとすると、当然腹筋の成長走度は他の筋群よりも遅くなるはずで、長期的には筋力のバランスが崩れ、姿勢に悪影響が出るリスクが懸念されます。
また、先ほど紹介した研究結果を元にすると、腹直筋・腹斜筋群を直接強化する → 脊柱本来のカーブをキープし続けることがよりできるようになる → フォームの安定性が向上する → スクワットとかベンチプレスとか、高重量を扱える複合的なエクササイズの使用重量が上がる → 大腿四頭筋・大胸筋などの断面積増加 = 筋肉量増加効果が増大する、といった流れもあり得るはずです。
よって、何か特別な背景がない限りは、クランチやシットアップ等をメニューに組み込むことをオススメしています。
最後に
今回は「スクワットやベンチプレスで腹筋が鍛えられるって本当? お腹の種目は必要ない?」というタイトルで記事を書いてきましたがいかがだったでしょうか?
次回作もご期待ください。
札幌市近郊にお住いの方は、
ぜひ フィットメソッド をご利用ください。