札幌市中央区東本願寺前駅にある、初心者向けスポーツジム フィットメソッドです。
今回は「トレーニング中 = 動作中に鏡を見るメリットとデメリットについて」というタイトルで記事を書いていきます。
はじめに
結構マニアックなテーマなのですが、パーソナルトレーナーの間では、お客様の指導において「トレーニング中 (動作中) に鏡を見せるべきか? それとも見せないべきか?」的な話題になることがあります。
ごく一般的なスポーツジムでは、ほぼ間違いなくトレーニングエリアに鏡が置かれていますが、個人が運営するパーソナルジムでは、あえて鏡を置いていない店舗も増えている印象です (もちろん、更衣室とかには付いています) 。
では、なぜそのような違いが起こるのかというと、トレーニング中 (動作中) に鏡を見るメリットとデメリットが存在するためです。
詳しく解説していきます。
※ ちなみに、当ジムでは合計6台のラックを用意していますが「うち3台は鏡を設置、うち3台は鏡を非設置」というスタイルを取っており、どちらにも対処可能です✌️
鏡を見るメリット
まずは、鏡を見るメリットから触れていきますが、これは「フォームの確認・修正をリアルタイムで行うことができる」が挙げられるでしょう。
例えばスクワットでは、特に立ち上がる局面において、膝がつま先よりも内側に入る「ニーイン」と呼ばれる現象が生じることがありますが、これは靭帯等に過剰な負担をかけるとの理由から、通常は「エラー (適切とは言えないフォーム・不適切なフォーム) 」になると認識されています。
ニーインが生じているかどうかをお客様自身が把握するには、スマホなんかで撮影すれば良いわけですが、動作 ⇨ 映像のチェック ⇨ 再度動作、という流れになるため、フォームの確認・修正をリアルタイムで行うことはできません。
一方、鏡を見れるのであれば、その都度・その瞬間に、つまりリアルタイムでフォームの確認・修正を行うことができるため、傷害の危険性をいち早く取り除くことが可能です。
鏡を見るデメリット
次は、鏡を見るデメリットに触れていきますが、これは「エラーに繋がる場合がある」が挙げられます。
例えば (1) では、スクワットの動作において「目線の向きが、フォームにどのような影響を及ぼすのか?」についてを調べており、それによると、
・正面の壁と床の境目を見下ろす
・正面の壁にある鏡に映った自分自身の目を見つめる
・正面の壁と天井の境目を見上げる
の3パターンでは、首・体幹・股関節の屈曲角度に違いが確認されたようです。
つまり「どこに目線を向けるのか?」によって、各関節の角度 = 姿勢が変わるということです。
※ 詳細を知りたい方は「スクワットではどこに目線を向ける? どこを見る? フォームへの影響について」をご一読ください。
「鏡を見る」は「目線の向きが決定される」とイコールになるため、もしそれで綺麗なフォームをキープできるのであれば問題ありませんが、過剰に腰を反り過ぎたり、または曲げ過ぎたりと、場合よっては逆にエラーに繋がる可能性が考えられます。
鏡を見るメリットとデメリット
ここまで、鏡を見るメリットとデメリットお伝えしましたが、勘の良い方ならもうすでにお分かりの通りで、実はこれらは共通しています。
つまり「鏡を見ることによってフォームが良くなることもあれば悪くなることもある」言い方を変えると「鏡を見ないことによってフォームが良くなることもあれば悪くなることもある」ということです。
では、当ジムでは「トレーニング中 (動作中) に鏡を見せるべきか? それとも見せないべきか?」についてどのように考えているのかというと、以下のように捉えています。
鏡を見るメリットとデメリットが存在するため、一概に「見せた方が良い」「見せない方が良い」とは言えない。それぞれの状況に応じて、臨機応変に対応し、フォームに対して大きなプラスの影響がある (と思われる) 方を選択するべき。しかし「鏡を見なければ適切なフォームを維持できない」と「鏡を見なくても適切なフォームを維持できる」では、後者の方がフォームの熟練度が高い = 怪我のリスクが低いと判断できる。よって、トレーニング年数を重ねるに従い、鏡が無くとも自身のフォーム (各関節の角度・姿勢) を把握できる能力を養うために、タイミングを見計らい「鏡を見ない状態での筋トレ」を取り入れるのが望ましい。
最後に
今回は「トレーニング中 = 動作中に鏡を見るメリットとデメリットについて」というタイトルで記事を書いてきましたがいかがだったでしょうか?
次回作もご期待ください。
参考文献
The effect of the direction of gaze on the kinematics of the squat exercise