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トレーニング

【インナーマッスル】重い重量ではなく軽い負荷でしか鍛えられないって本当?

札幌市中央区東本願寺前駅にある、初心者向けスポーツジム フィットメソッドです。

私たちの身体には、大小合わせて400近くの筋肉 (骨格筋) が存在しており、深層に位置する筋は「インナーマッスル」表層に位置する筋は「アウターマッスル」と呼ばれています。

インナーマッスルは、アウターマッスルと比較してサイズ (体積) が小さい傾向があり、身体を運動させるというよりかは、姿勢の保持・関節の安定等に関与するとされ、トレーニングを行う際は、軽い負荷での実施が不可欠になります。

重い重量でのトレーニングだと、インナーマッスルではなく、アウターマッスルに刺激が入ってしまうためです。

よって、インナーマッスルを鍛えるためには、アウターマッスルを鍛える「ガッツリ系の筋トレ」ではなく、負担の少ない「ゆるい系の筋トレ」を取り入れる必要があります。

みたいに言われることがあるのですが、これ、本当でしょうか?

今回は「【インナーマッスル】重い重量ではなく軽い負荷でしか鍛えられないって本当?」というタイトルで記事を書いていきます。

結論

最初に結論からお伝えしますと「インナーマッスルは、重い重量ではなく軽い負荷でしか鍛えられない」⇦ このようなことはまずありません。

理由を解説していきます。

インナーマッスルにおける筋活動について

Electromyographic Analysis of Transversus Abdominis and Lumbar Multifidus Using Wire Electrodes During Lumbar Stabilization Exercises

研究内容をザックリ書き出します。

健康な被験者9名を対象に、腹部・腰部を鍛えるエクササイズを数種類行い、その際の腹横筋における活動を調べた。

結果、対側の手足を挙上したプランクは、通常のプランクと比較して、腹横筋の活動が有意に大きかった。


Shoulder muscle recruitment patterns during commonly used rotator cuff exercises: an electromyographic study

研究内容をザックリ書き出します。

健康な被験者15名を対象に、重さを変えた肩関節の内旋・外旋エクササイズを行い、その際の棘下筋・棘上筋・肩甲下筋・広背筋・大胸筋・三角筋における活動を調べた。

結果、重さの増加に比例して、全ての筋の活動が増加した。


1つ目の研究ですが、ここではお腹のインナーマッスル「腹横筋」の活動を調べています。

エクササイズは全部で11種類用意されており、俗にいう「体幹トレーニング」的なものを想像していただければ問題ありません。

そして、結果はどうだったのかというと、対側の手足を挙上したプランクは、通常のプランクと比較して、腹横筋の活動が有意に大きくなりました。

対側の手足を挙上したプランクは、通常のプランクと比較して、体重を支える点が4点から2点と半分になるため、腹部により大きな負荷が生じると考察できます。

インナーマッスルが、重い重量ではなく軽い負荷でしか鍛えられないのであれば、逆の結果が得られても良いはずです。

次2つ目の研究ですが、ここでは肩甲骨周辺のインナーマッスル「ローテーターカフ」の活動を調べています。

※ ローテーターカフ:棘下筋・棘上筋・肩甲下筋などで構成される。

滑車とケーブルを用い、肩関節の内旋・外旋エクササイズを行ったわけですが、結果はどうだったのかというと、重さの増加に比例して、ローテーターカフも、広背筋・大胸筋・三角筋といったアウターマッスルも、全ての筋で活動が増加しました。

つまり、インナーマッスルもアウターマッスルも「重さが増加することでより効いた」ということです。

こういった類の研究は、他にもいくつか実施されているのですが、どうもそれらを見る限り、

・インナーマッスルは、重い重量ではなく軽い負荷でしか鍛えられない
・重い重量でのトレーニングだと、インナーマッスルではなく、アウターマッスルに刺激が入ってしまう

みたいなことはまずないかと思われます。

最後に

今回は「【インナーマッスル】重い重量ではなく軽い負荷でしか鍛えられないって本当?」というタイトルで記事を書いてきましたがいかがだったでしょうか?

個人的に、インナーマッスル・アウターマッスルという筋の分類は、正直なところあまり好きではありません。

「あまり好きではない」というよりかは「何か引っかかる、腑に落ちない」と表現した方が適切でしょうか。

そもそも、これら2つの筋は同じ骨格筋であり、身体を運動させる他、姿勢の保持・関節の安定等にどちらも関与します。

例えば、肘を屈曲させる (曲げる) 筋は「上腕二頭筋」膝を伸展させる (伸ばす) 筋は「大腿四頭筋」とか、爆発的な力発揮に優れた筋は「速筋」持久的な力発揮に優れた筋は「遅筋」とか、関節への作用や性質の違いでその筋を分類するのは十分理解できるのですが、基本的にインナーマッスルとアウターマッスルは位置 (深層か表層か) の違いに過ぎず、分類するメリットがほぼ思い浮かびません。

むしろ、

・インナーマッスルは、重い重量ではなく軽い負荷でしか鍛えられない
・重い重量でのトレーニングだと、インナーマッスルではなく、アウターマッスルに刺激が入ってしまう

という、科学的知見とは異なる (真実とは言えない) 情報が出回っていることを考えると、デメリットの方が大きい気がします。

インナーマッスル・アウターマッスルという分類がなされていたとしても「それらはただ位置の違いに過ぎず、根本的な性能は同じ」ということをご理解いただければ幸いです。

次回作もご期待ください。

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