札幌市中央区東本願寺前駅にある、初心者向けスポーツジム フィットメソッドです。
今回は「クリーンバルク vs. ダーティーバルク 筋肉量を増やすのに効果的なのはどっち?」というタイトルで記事を書いていきます。
はじめに クリーンバルクとダーティーバルクについて
筋肉をつけ身体を大きく (バルクアップ) するためには「オーバーカロリー」と言って、摂取カロリーを消費カロリーより上回らせる必要があります。
このとき、どれくらいのカロリーを摂取するのか? が重要になるわけですが、具体的な線引きはないものの、1日あたり+200 〜 300kcalほど適度にカロリーを増やす方法は「クリーンバルク」、1日あたり+500 〜 1000kcalほど過度にカロリーを増やす方法は「ダーティーバルク」と呼ばれています。
※ クリーンバルクは「健康的な食事」で適度にカロリーを増やす方法、ダーティーバルクは「ジャンクフードなどを含んだ食事」で大量にカロリーを増やす方法、と説明されることが多いのですが、ここではシンプルに「摂取カロリーの程度」で分類をし話を進めていきます。
クリーンバルクとダーティーバルク、より効果的に筋肉量を増やすことができるのはどちらなのでしょうか?
クリーンバルク vs. ダーティーバルク
Effect of nutritional intervention on body composition and performance in elite athletes
研究内容をザックリ書き出します。
サッカー・アイスホッケー・スケートなどの競技アスリートを対象に「クリーンバルクグループ」と「ダーティーバルクグループ」の2つに分けた。
週4回の頻度で約10週間のトレーニングを実施し、体組成等がどのように変化するのかを調べた。
クリーンバルク | ダーティーバルク | |
除脂肪体重 (kg) | + 1.2 ± 0.3 | + 1.7 ± 0.3 |
下半身除脂肪体重 (kg) | + 0.0 ± 0.2 | + 0.5 ± 0.2 |
上半身除脂肪体重 (kg) | + 1.1 ± 0.2 | + 1.1 ± 0.2 |
体脂肪量 (kg) | + 0.2 ± 0.3 | + 1.1 ± 0.3 |
体重 (kg) | + 1.2 ± 0.3 | + 2.7 ± 0.4 |
・除脂肪体重 (筋肉量) :どちらのグループも有意に増加し、グループ間で有意な差はなかったが、下半身の除脂肪体重に関しては、クリーンバルクよりダーティーバルクの方で大きかった。
・体脂肪量:クリーンバルクでは変化が見られなかったが、ダーティーバルクで有意に増加した。
・体重:どちらのグループも有意に増加したが、クリーンバルクよりダーティーバルクの方で大きかった。
この研究では、クリーンバルクとダーティーバルクが、体組成等にどのような影響を及ぼすのかを調べています。
クリーンバルク | ダーティーバルク | |
摂取カロリー (kcal) | 2964 ± 884 | 3585 ± 600 |
タンパク質 (g / 体重1kgあたり) | 1.7 ± 0.4 | 2.4 ± 0.4 |
炭水化物 (g / 体重1kgあたり) | 4.5 ± 1.9 | 6.8 ± 1.3 |
脂質 (g / 体重1kgあたり) | 1.5 ± 0.4 | 1.4 ± 0.3 |
各グループにおける栄養の詳細は上記内容の通りで、クリーンバルクよりダーティーバルクの方が、約600kcal多くのカロリーを摂取していたようです。
結果はどうだったのかというと、まず除脂肪体重ですが「どちらのグループも有意に増加し、グループ間で有意な差はなかったが、下半身の除脂肪体重に関しては、クリーンバルクよりダーティーバルクの方で大きかった」となっています。
クリーンバルクよりダーティーバルクの方で、下半身の除脂肪体重が増加した理由は不明ですが、考えられる理由としては「十分な食事の確保による筋合成の促進」や「体重の増加による脚部筋肉への刺激増大」が挙げられるかもしれません。
次に体脂肪量ですが「クリーンバルクでは変化が見られなかったが、ダーティーバルクで有意に増加した」となっています。
クリーンバルクでは適度なカロリー摂取が維持されていたのに対し、ダーティーバルクでは過度なカロリー摂取が維持されていた関係で、余ったエネルギーが体脂肪として蓄積されたのが原因でしょう。
そして体重は、除脂肪体重と体脂肪量の合計で表されるため「どちらのグループも有意に増加したが、クリーンバルクよりダーティーバルクの方で大きかった」になった感じです。
クリーンバルク vs. ダーティーバルク どちらを取り入れるべきか?
冒頭で触れたように、筋肉をつけ身体を大きく (バルクアップ) するためには、摂取カロリーを消費カロリーよりも上回らせる (オーバーカロリー) 必要があるわけですが、タンパク質も十分に摂らなくてはなりません。
先ほど紹介した研究では、タンパク質の摂取量がグループ間で統一されていないため、何とも言えないところではありますが、他の科学的知見や個人的な経験論も合わせると、タンパク質の摂取量がグループ間で統一されていたとしても、おそらくクリーンバルクよりダーティーバルクの方が、筋肉量を増やす効果は僅かながらも高い気がします。
仮に、そのようなことはなかったとしても「クリーンバルクの方がダーティーバルクより、筋肉量を増やす効果は高い」にはならないはずです。
イメージとしては ⇩ こんな感じになります。
クリーンバルク | ダーティーバルク | |
筋肉量 | ||
体脂肪量 | ||
体重 |
そのため、クリーンバルクとダーティーバルク、どちらを取り入れるべきかは、目標や状況に応じて選択されるのが望ましいでしょう。
例えば「来年の夏までにはちょこっと腕周りとかを太くしたいかな。食欲は人より少なくて、あまり多くを食べられない」という方であればクリーンバルクを「ヒョロヒョロしている体型にとてもコンプレックスを感じる。筋肉を少しでも早いペースでつけることができるなら、体脂肪が増えても全然構わない」という方であればダーティーバルクがオススメです。
最後に
今回は「クリーンバルク vs. ダーティーバルク 筋肉量を増やすのに効果的なのはどっち?」というタイトルで記事を書いてきましたがいかがだったでしょうか?
次回作もご期待ください。