札幌市中央区東本願寺前駅にある、初心者向けスポーツジム フィットメソッドです。
今回は「トレーニング中の意識の仕方で効果は変わるって本当?内的と外的の違い」というタイトルで記事を書いていきます。
意識の分類
以前「【筋トレ】トレーニング中に特定の筋肉を意識する必要はあるのか? 」でも触れたのですが、トレーニング中の意識の仕方は「internal focus」と「external focus」の2つに分類することができます。
iternal focus は自分の身体、つまり「内的な部分」への意識のことで、例としては「お尻の筋肉をギュッと収縮させる」一方、external focus は自分の身体の外、つまり「外的な部分」への意識のことで、例としては「バーベルをできるだけ素早く持ち上げるイメージで」といった感じです。
おそらく一般的に「トレーニング中の意識」というと、iternal focus を指す印象があるのですが、external focus をした場合とでは、効果にどのような違いがあるのでしょうか?
※ ここからは、internal focus を「内的意識」external focus を「外的意識」と名称して話を進めていきます。
トレーニング中の意識の違いが効果に及ぼす影響について
Differential effects of attentional focus strategies during long-term resistance training
研究内容をザックリ書き出します。
トレーニング未経験者を対象に、彼らを「内的意識をするグループ」と「外的意識をするグループ」の2つに分けた。
内的意識をするグループには “squeeze the muscle!” 外的意識をするグループには “get the weight up!” と指示を出した。
トレーニングは、アームカールとレッグエクステンションを、8 〜 12回できる重量で4セット・週3日・合計8週間実施した。
研究前後で、筋肉量がどのように変化するのかを調べた。
※ 実際は、筋力や体組成の変化も調べているのですが、ここでは筋肉量に焦点を当てて解説していきます。
内的意識 | 外的意識 | |
上腕二頭筋 (㎜) | + 4.93 ± 1.73 | + 2.77 ± 1.63 |
大腿直筋 (㎜) | + 2.72 ± 2.62 | + 3.60 ± 2.87 |
外側広筋 (㎜) | + 3.29 ± 2.94 | + 3.17 ± 3.37 |
上腕二頭筋厚は、内的意識の方が外的意識よりも有意に増加した。
大腿直筋・外側広筋厚は、両グループで同様に増加した。
この研究では、被験者にアームカールとレッグエクステンションを実施し、内的意識をした場合と、外的意識をした場合とで、筋肉量の増加にどのような影響が及ぶのかを調べています。
内的意識は “squeeze the muscle!” 外的意識は “get the weight up!” と指示を出したとのことで、アームカールでは「上腕二頭筋をギューッとしぼりきれ!」or「バーベルを持ち上げろ!」、レッグエクステンションでは「大腿四頭筋をギューッとしぼりきれ!」or「脚パッドを蹴り上げろ!」こんな感じになっていたはずです。
そして、結果はどうだったのかというと、上腕二頭筋厚は内的意識の方が外的意識よりも有意に増加、大腿直筋・外側広筋厚は両グループで同様となりました。
ボディビル・フィジーク系のトレーニーからは「鍛えている部位を意識 (内的意識) することで発達が促される」というセリフをよく聞くことがありますが、上腕二頭筋ではそれが顕著に表れています (約2倍の肥大率) 。
一方で、大腿直筋・外側広筋に関しては、どうも意識をすることによる利点は見られなかったみたいです。
このような結果が得られた理由は、いくつか考えられますが、その中の1つとしては「腕の方が脚よりも制御能力に優れており、腕では意識を集中させやすかったが、脚では意識が散漫になりやすかった」が挙げられるかと思います。
一般的に、例えば「文字を書く」とか腕は細かい動作を得意とし、例えば「階段を駆け登る」とか脚は力強い動作を得意としており、おそらくそんな所が関係しているのでしょう。
また、被験者はトレーニング未経験となっていますので、より一層うまく意識ができなかったこともあるはずです。
しかし、もしこれがトレーニング経験者であれば、意識をすることに慣れているでしょうから、大腿四頭筋の肥大も促進させられた可能性が十分に考えられます。
最後に
今回は「トレーニング中の意識の仕方で効果は変わるって本当?内的と外的の違い」というタイトルで記事を書いてきましたがいかがだったでしょうか?
先ほどお伝えした通り「上腕二頭筋厚は内的意識の方が外的意識よりも有意に増加、大腿直筋・外側広筋厚は両グループで同様」となっていますので、筋肉量の増加を目的にトレーニングを行うのであれば、前者の意識で臨んでみても良いかもしれません。
次回作もご期待ください。