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トレーニング

筋トレにおけるセット間休憩の過ごし方 拮抗筋をストレッチするという方法

札幌市中央区東本願寺前駅にある、初心者向けスポーツジム フィットメソッドです。

例えば、種目・重さ・回数・セット数など、いわゆるメニューを構成する要素は「トレーニング変数」と呼ばれています。

トレーニング変数は、トレーニング効果に直結するため、できる限り完成度が高くなるよう作り込みたいものです。

しかし、トレーニング変数の中の1つ「セット間休憩の過ごし方」については、ほとんど話題に上がることはありません。

今回は「筋トレにおけるセット間休憩の過ごし方 拮抗筋をストレッチするという方法」というタイトルで記事を書いていきます。

拮抗筋 (きっこうきん) とは、筋肉運動の際に反対の動きをする筋肉のことである。アンタゴニスト (英: antagonist) と呼ばれる。

WIkipediaより引用

セット間休憩の拮抗筋に対するストレッチがトレーニングパフォーマンスに及ぼす影響

Acute Effects of Antagonist Static Stretching in the Inter-Set Rest Period on Repetition Performance and Muscle Activation

研究内容をザックリ書き出します。

トレーニング経験のある成人男性を対象に「休憩時何もしないグループ」と「休憩時 (セット前) 拮抗筋のストレッチを行うグループ」の2つに分けた。

10RMの負荷を用い、シーテッドロウを3セット・セット間休憩は2分・ストレッチ時間は40秒で実施した。

各グループの反復回数が、どのように変化するのかを調べた。

1セット目2セット目3セット目
何もしない9.9 ± 0.39.2 ± 0.68 ± 0.6
ストレッチ11.1 ± 0.910.6 ± 19.6 ± 0.5

どちらのグループも、セットを重ねるごとに反復回数が有意に減少した。

休憩時何もしないグループと比較して、休憩時 (セット前) 拮抗筋のストレッチを行うグループは、全てのセットで反復回数が有意に増加した。


この研究では、トレーニング経験のある成人男性を、休憩時何もしないグループと、休憩時 (セット前) 拮抗筋のストレッチを行うグループの2つに分け、シーテッドロウを実施しています。

シーテッドロウは、

こんな感じの種目で、主に僧帽筋や広背筋といった、背中の筋肉を鍛えることができるエクササイズです。

参加者たちは、事前に10RM (最大10回反復することのできる重さ) を計測しています。

本番当日、事前に計測された10RMの負荷を用い、各セット限界まで追い込んでもらい、何回反復することができるのかを調べました。

まず、休憩時何もしないグループですが、平均して1セット目が9.9回、2セット目が9.2回、3セット目が8回となっており、セットを重ねるごとに反復回数が減少しています。

このようになった理由は、至極当然と言いますか、ごく当たり前の疲労が原因でしょうから、特筆すべき点は何もありません。

注目したいのは、休憩時 (セット前) 拮抗筋のストレッチを行うグループです。

こちらは、背中の筋肉の拮抗筋である大胸筋をストレッチ ⇨ 1セット目 ⇨ 大胸筋をストレッチ ⇨ 2セット目 ⇨ 大胸筋をストレッチ ⇨ 3セット目、という流れで、反復回数は平均して1セット目が11.1回、2セット目が10.6回、3セット目が9.6回となりました (セットを重ねるごとに反復回数が減少している点は同じ) 。

しかし、本来なら1セット目は (ほぼ) 10回でスタートするはずが「11.1回」から始まり、2セット目・3セット目も「10.6回」「9.6回」と、比較して多い反復回数をキープできていたようです。

反復回数が増加すると、その分筋肉への刺激も大きくなるため、より高いトレーニング効果が期待できるかと思います。

所感

先ほど紹介した研究では「セット間休憩中 (セット前) 、拮抗筋のストレッチを行うことによって、その種目の反復回数が増加する」という結果が得られたわけですが、これをその他全てのエクササイズにも当てはめることは、個人的に難しいと考えています。

まず、シーテッドロウは、肩甲骨をギューッと引き寄せる動作が要求されます。

言い方を変えると、胸をグイッと張らなければいけません。

つまり、シーテッドロウでグリップを胸元へと引き寄せる局面では、大胸筋の柔軟性が必要になるわけです。

大胸筋が固いと、肩甲骨をギューッと引き寄せる際、反対方向に対して抵抗力が生じ、胸をグイッと張ることが難しくなります。

説明をわかりやすくするため、ここからは腹筋を鍛える「レッグレイズ」と「アブローラー」を例に解説をしていきます。

レッグレイズでは、脚をスイーッと持ち上げるため、例えば太もも裏のハムストリングスや腰の脊柱起立筋が伸長されます。

よって、いくら腹筋が強かろうと、ハムストリングスや脊柱起立筋が固ければ、脚を下に降ろす抵抗力が生じ、スムーズに動作を行うことが難しくなるはずです。

一方アブローラーは、ハムストリングスや脊柱起立筋が固くても、その動作の関係上、抵抗力が生じることはほぼありません。

勘の良い方ならもうお分かりかと思いますが、つまるところシーテッドロウは、前者のパターンに該当します。

要は、セット間休憩中 (セット前) 、拮抗筋のストレッチを行うことによって、その種目の反復回数が増加する、という現象が起こり得るのは、要求される動作において、逆向きに強い力が発生するようなエクササイズ限定での話だということです。

そのため、ここで得られた結果を、その他全ての種目にも当てはめることは、個人的に難しいと考えています。

最後に

今回は「筋トレにおけるセット間休憩の過ごし方 拮抗筋をストレッチするという方法」というタイトルで記事を書いてきましたがいかがだったでしょうか?

先述した通り、その他全ての種目にこの現象が起こり得るとは限りませんが、しかしながら戦略としてはかなり面白いので、もし今現在トレーニング効果が停滞しているのであれば、タイミングを図って取り入れてみても良いかと思います。

次回作もご期待ください。

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