札幌市中央区東本願寺前駅にある、初心者向けスポーツジム フィットメソッドです。
今回は「【トレーニングと食事】タンパク質の過剰摂取には気をつけた方が良い?」というタイトルで記事を書いていきます。
トレーニングとタンパク質
筋肉をつけるためには「刺激を入れるトレーニングの実施」と「材料となるタンパク質の摂取」の2点が重要になります。
どちらが重要、というわけではなく、どちらも重要で、基本的には「この2点がなければ筋肉はつかない」と思っていただいて大きな問題はありません。
トレーニングをしている方に推奨される、タンパク質摂取量の目安としては、一般的に1日あたり「体重 × 2g」となっており、ここまでしっかり摂れていれば、まず間違いなく筋肉もついていくだろうという印象です。
一方で「そこまで多くのタンパク質を摂取したら、身体に何か害が出るのではないだろうか?」とご心配になる方もいらっしゃることでしょう。
厚生労働省より発表されている「日本人の食事摂取基準 (2020年版) 」には、
このような表が添付されており、トレーニングをしている30歳・60kgの方だと、推奨されるタンパク質摂取量は120gになりますが、食事摂取基準のたんぱく質推奨量は、男性で65g・女性で50gとのことですので、約2倍と確かに多い気がします。
では、多量のタンパク質の摂取は、人体にどのような影響を及ぼすのかというと、これに関してはいくつか研究が実施されていますので、そちらを確認してみましょう。
多量のタンパク質の摂取は人体にどのような影響を及ぼすのか?
(1) では、約7年ほどの長期間に渡って、トレーニングを継続している若年男性を対象に、2つのフェーズでタンパク質摂取量を変化させ、血液検査を行い、健康への反応を調べています。
各フェーズは8週間からなっており、第1フェーズは1日あたり「体重 × 2.6g」第2フェーズは1日あたり「体重 × 3.3g」総期間だと1日あたり「体重 × 2.9g」のタンパク質摂取量です。
結果、血中脂質や腎機能などにおいて、特別有害な影響を及ぼさないことが確認されました。
また、同じように (2) でも、約9年ほどの長期間に渡って、トレーニングを継続している若年男性を対象に、2つのフェーズでタンパク質摂取量を変化させ、血液検査を行い、健康への反応を調べています。
各フェーズは6ヶ月からなっており、タンパク質摂取量は第1フェーズで1日あたり「体重 × 2.5g」第2フェーズで1日あたり「体重 × 3.3g」、合計1年と長い期間になっています。
結果、こちらも同じく、血中脂質や腎機能などにおいて、特別有害な影響を及ぼさないことが確認されました。
このような研究は他にも実施されているのですが「多量のタンパク質の摂取は、人体に悪影響を及ぼす」との報告は見当たりません (私が調べた限り) 。
そのため、日常的にトレーニングをはじめとした運動を行っているのであれば、1日あたり「体重 × 2g」のタンパク質を摂取しても、ほぼほぼ問題はないかと思います。
多量のタンパク質の摂取人体に及ぼす弊害 経験から
先ほど『日常的にトレーニングをはじめとした運動を行っているのであれば、1日あたり「体重 × 2g」のタンパク質を摂取しても、ほぼほ問題はないかと思います』とお伝えしました。
しかし、ごくたまーにですが、タンパク質を多く摂取するようになってから「お腹の調子が悪い」「なんかムカムカする」「血液検査で尿素窒素が引っかかった」のようなお言葉をいただく時もあります。
タンパク質のみが関与しているのか?はたまた他の栄養素も関係しているのか?生まれ持った体質なのか?詳しい原因はわかりませんが、
たんぱく質が糖尿病腎症のない糖尿病において、腎症発症リスクになるとする明らかな根拠はない。しかし、日本人を含む調査によれば、たんぱく質の過剰摂取が糖尿病や心血管疾患の発症リスク増加につながる可能性がある。
厚生労働省 日本人の食事摂取基準 (2020年版)
との説明がなされていますので、そんな時は自身の体調に従い、摂取量を少なくするに越したことはないかと思います。
また、いくらハードなトレーニングを行っていようと、1日あたり「体重 × 8g」みたいな、明らかに過剰と言えるタンパク質の摂取も控えた方が良いでしょう。
最後に
今回は「【トレーニングと食事】タンパク質の過剰摂取には気をつけた方が良い?」というタイトルで記事を書いてきましたがいかがだったでしょうか?
次回作もご期待ください
参考文献
(1) The effects of a high protein diet on indices of health and body composition–a crossover trial in resistance-trained men
(2) A High Protein Diet Has No Harmful Effects: A One-Year Crossover Study in Resistance-Trained Males