札幌市中央区東本願寺前駅にある、初心者向けスポーツジム フィットメソッドです。
ストレッチは、例えば関節可動域の向上、怪我の予防やリハビリ、心身のリラックス、、などを目的として実施される「筋肉を引き伸ばす (柔軟性を高める) エクササイズ」のことを指します。
当ジムのパーソナルトレーニングでも、状況に応じてではありますが、主に関節可動域の向上を目的としたストレッチを行っており、やはり平均レベルの柔軟性を獲得しておくことは、健全な生活を送るうえで重要な要素になるという印象です。
しかし、ストレッチには「適切」なやり方があり、むやみやたらに筋肉を引き伸ばせば良いというわけではありません。
間違ったストレッチを行うと、身体が柔らかくならないばかりか、どこか痛めてしまう可能性も考えられます。
今回は「ストレッチのやり方について 何秒・何セット … で効果が出るのか?」というタイトルで記事を書いていきます。
ストレッチのやり方
ストレッチが、柔軟性にどのような影響を及ぼすのかを調べた研究は、これまでいくつも実施されています。
例えば (1) では、太ももの裏の筋肉ハムストリングスを対象に、
・15秒ストレッチを行うグループ
・30秒ストレッチを行うグループ
・60秒ストレッチを行うグループ
の3条件を用意し、各グループにおける関節可動域の変化が調べられました。
結果、
・30秒と60秒のストレッチで柔軟性は向上した。
・2つのグループの間に有意な差は確認されなかった。
とのことです。
つまり「ストレッチは30秒行えば十分で、それ以上の時間をかけても、柔軟性の向上には貢献しない可能性がある」と捉えることができます。
また (2) では、同じく太ももの裏の筋肉ハムストリングスを対象に、
・60秒、3セットのストレッチを行うグループ
・30秒、3セットのストレッチを行うグループ
・60秒、1セットのストレッチを行うグループ
・30秒、1セットのストレッチを行うグループ
の4条件を用意し、各グループにおける関節可動域の変化を調べています。
結果「全グループで柔軟性は向上したが、グループ間で有意な差は確認されなかった」とのことです。
つまり「ストレッチは30秒、1セット行えば十分で、それ以上の時間をかけても、柔軟性の向上には貢献しない可能性がある」と捉えることができます。
こんな感じで科学的知見を集め、パーソナルトレーナとしての経験も加味すると、ストレッチを行う際は、以下の5項目が重要な点になるかなという印象です。
・1部位あたり30秒を1セット
・週3回を目標に
・「痛気持ちい」よりも少し強めを意識して
・息は止めずに深呼吸を
・目的に応じて部位を選択
1つずつ解説していきます。
1部位あたり30秒を1セット
1つ目が「1部位あたり30秒を1セット」です。
30秒を3セットでも、60秒を1セットでももちろん問題ありませんが、長い時間をかけても、効果は高まらないかもしれません。
週3回を目標に
2つ目が「週3回を目標に」です。
週1 〜 2回では、あまり効果を感じないかもしれません。
週4回以上でももちろん問題ありませんが、それ以上の時間をかけても、柔軟性の向上には貢献しない可能性があります。
「痛気持ちい」よりも少し強めを意識して
3つ目が『「痛気持ちい」よりも少し強めを意識して』です。
ストレッチを行う際は、一般的に「痛気持ちいところでキープ」と指導されることが多いのですが、それよりも少し強めに筋肉を引き伸ばすことで、柔軟性の向上効果が高まる可能性があります。
「うぎゃーーー!!」レベルまで筋肉を引き伸ばす必要はありませんが「イテテテテ!」くらいを意識しても良いかもしれません。
ちなみに、片側のストレッチを行うことで、反対側の柔軟性も向上する「cross education」という効果が確認されています。
右脚だけしかストレッチを行っていないのに、左脚も柔らかくなるという現象です。
そして、この cross education は、低強度ではなく、高強度のストレッチのみで観られるとの報告がなされています。
息は止めずに深呼吸を
4つ目が「息は止めずに深呼吸を」です。
息を止めた状態でストレッチを行うと、本来「10」なのに「8」くらいしか筋肉を引き伸ばすことができなくなります。
これは、息を止めることで、筋肉にグッと力が入るためです。
そのため、ストレッチを行う際は、身体の緊張を取り除くべく、深呼吸を忘れないようにしましょう。
目的に応じて部位を選択
最後、5つ目が「目的に応じて部位を選択」です。
当然と言えば当然ですが、先ほどお伝えした cross education を除いて、柔軟性の向上は、ストレッチを行った部位でのみ起こります。
「肩の筋肉を柔らかくしたいなら肩を」「お尻の筋肉を柔らかくしたいならお尻を」といった具合に、目的に応じて部位を選択し、ストレッチを行っていただければと思います。
最後に
今回は「ストレッチのやり方について 何秒・何セット … で効果が出るのか?」というタイトルで記事を書いてきましたがいかがだったでしょうか?
最後に1つ強調しておきたいことがあるのですが、関節可動域の向上を、つまり「柔軟性を高める」ためのストレッチのやり方をここでは記載しています。
そのため、怪我の予防やリハビリ、心身のリラックスなど、他の目的のためのストレッチのやり方としては、あまり適さない可能性があることをご了承いただけると幸いです。
次回作もご期待ください。
参考文献
(1) The effect of time on static stretch on the flexibility of the hamstring muscles
(2) The effect of time and frequency of static stretch on flexibility of the hamstring muscles
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