札幌市中央区東本願寺前駅にある、初心者向けスポーツジム フィットメソッドです。
今回は「筋トレのやり過ぎは健康を害する可能性がある 週1〜2回前後が理想か」というタイトルで記事を書いていきます。
筋トレの素晴らしい効果について
まず、筋トレには様々な効果が、それも素晴らしい効果が確認されています。
筋肉をつけて見た目を整えたり、気分を爽快にさせたりするだけでなく、骨密度を増やしたり、血圧を下げたり (=高血圧を改善させたり) などが代表的な例でしょうか。
10代、20代の若い方たちはピンとこないかもしれませんが、骨密度が増えれば転倒による骨折を防いだり、血圧が下がれば病気になるリスクを低くしたりと、まさに健康にとって良いことづくめです。
特に最近は、医療従事者の方たちも筋トレを積極的に推奨している印象があり、知人の医師は皆スポーツジムに通って汗を流しています。
ぜひ「できるだけ若いうちから筋トレを習慣化して欲しい!」と思う今日この頃です。
しかし、この筋トレの素晴らしい効果は、あくまでも「適切なやり方」で得られるものであり、「無茶苦茶なやり方」では有益な効果を何1つ得られないばかりか、場合によっては悪い影響しか及ぼさないかもしれません。
例えば、胸・二の腕・肩など、上半身の筋肉を鍛える種目に「ベンチプレス」と呼ばれるものがあります。
ベンチプレスは、仰向けに寝転んでバーベルを持ち上げる動作を伴うのですが、このとき手幅を狭めにすると、二の腕の筋肉の活動が大きくなったとの報告がなされています (1) 。
つまり、手幅は広げるよりも狭めた方が、二の腕に効きやすくなるということです。
また、手幅を広めにすると、肩に負担がかかる = 肩を痛めやすいとの報告もなされています (2) 。
つまり、手幅は広げるよりも狭めた方が、肩を痛めにくくなるということです。
ここでは、ベンチプレスにおける手幅と効き方・肩の負担についてを例に挙げましたが、このように少しでもやり方が変わると、得られる効果・及ぼされる影響も変わってくるわけです。
そのため、筋トレの素晴らしい効果を得たいのであれば、やはり「やり方」には十分気をつける必要があります。
筋トレの頻度について
先ほど「筋トレで得られる効果・及ぼされる影響は、やり方1つで変わってくる」とお伝えしました。
では、どのようなやり方が推奨されているのかというと、これに関しては何に重点を置くかで異なるため一概には言えませんが、少なくとも「筋トレの頻度」に関しては、当ジムでは「週1〜2回前後」をオススメしています。
少し前、筋トレと糖尿病・心血管疾患・がん・総死亡リスクなどの関係を調べた論文が発表されました (3) 。
「筋トレは健康にどのような影響を及ぼすのか?」を徹底的に調査したものだと思ってもらえれば問題ありません。
その結果、ちょいと意外な事実が浮き彫りになってきました。
・糖尿病は筋トレをやればやるだけリスクが低下。週あたり60分の筋トレで、やらなかった場合よりも17%減。
・心血管疾患は週あたり60分の筋トレで、やらなかった場合よりもリスクが17%減。しかし週あたり130分を超えたあたりから、筋トレをやればやるだけリスク上昇。
・がんは週あたり60分の筋トレで、やらなかった場合よりもリスクが12%減。しかし週あたり130分を超えたあたりから、筋トレをやればやるだけリスク上昇傾向。
・総死亡は週あたり60分の筋トレで、やらなかった場合よりもリスクが15%減。しかし週あたり140分を超えたあたりから、筋トレをやればやるだけリスク上昇。
こんな感じです。
つまり「筋トレのやり過ぎは健康を害する可能性がある」ということです (厳密には心血管疾患・がん・総死亡リスクにおいて) 。
もっとも、これらの疾病は遺伝や生活スタイルも大きく関わってきますし、そもそも一口に筋トレとは言えど、その負担は”どのような種目を” “どれほどの重さを” “どれくらいの回数を”などでも変わってくるため「週あたり130分を超えるトレーニングは危険だよ!」とは必ずしもなりません。
かなり軽めの筋トレを週あたり200分やる人と、とんでもない強度の筋トレを週あたり100分やる人では、たとえ時間が半分だとしても、身体への負担は後者の方が圧倒的に大きいでしょう。
しかし、そのような個人差はあれど、私たちフィットネス従事者は、それを踏まえたうえで、筋トレにおけるやり方のガイドラインを、おおよそでもお客様に掲示する必要があります。
そして、一般的に筋トレに掛ける時間は1回あたり30〜60分ほどです。
そのため、当ジムでは週1〜2回前後という筋トレの頻度をオススメしています。
最後に
今回は「筋トレのやり過ぎは健康を害する可能性がある 週1〜2回前後が理想か」というタイトルで記事を書いてきましたがいかがだったでしょうか?
もっとも、当ジムでは健康を重要視したうえで、週1〜2回前後という筋トレの頻度をオススメしていますが、週3回以上を否定しているわけでは全くありません。
例えば「週3回のトレーニングをした方が腰の調子が良い」とか「ボディメイク系の大会に出るから週5回のトレーニングで身体を鍛えよう」とか、何か理由や目的があるのであれば、それはそれで素晴らしいことかと思います。
次回作もご期待ください。
参考文献
(1) Effects of Variations of the Bench Press Exercise on the EMG Activity of Five Shoulder Muscles
(2) The Affect of Grip Width on Bench Press Performance and Risk of Injury
(3) Muscle-strengthening activities are associated with lower risk and mortality in major non-communicable diseases: a systematic review and meta-analysis of cohort studies