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トレーニング

“トレーニングで息を止めるのは危険” は本当か? 筋トレと呼吸

札幌市中央区東本願寺前駅にある、初心者向けスポーツジム フィットメソッドです。

今回は「“トレーニングで息を止めるのは危険” は本当か? 筋トレと呼吸」というタイトルで記事を書いていきます。

最初に結論からお伝えしますと、一概にはそう言い切れません。

むしろ、息を止めた方が安全な場合も考えられます。

トレーニングと血圧の上昇

トレーニングに関連した動画なんかを見ていると「息を止めるのは危険です。筋トレでは必ず呼吸をしましょう」というセリフをよく耳にします。

皆様も、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?

これは広く業界の一般論として知られているのですが、その理由は血圧の上昇にあります。

トレーニングではグッと力を入れる、言い換えると「力む」瞬間が必ず出てくるわけですが、このとき筋肉は固く収縮をし、組織内にある血管を圧迫することになります。

ザックリとしたイメージですが、水が勢いよく流れているホースを折り曲げると、せき止められた関係でパンパンに張ってくるのが想像できますでしょうか?

あれと同じようなことが体内でも起こり、筋肉が固く収縮をする → 組織内にある血管が圧迫される → という流れから血圧は上昇します。

もちろん、トレーニングをする以上 (若干の) 血圧の上昇は仕方ありません。

しかし、ここで重要なのは、呼吸の有無によってその程度が変わるという点です。

(1) では、18〜36歳の男性を対象にトレーニングを行ってもらい、いくつかの呼吸パターンにおける血圧の上昇レベルを調べています。

その結果、どの呼吸パターンでも血圧は上昇しましたが、息を止めた際に最も高くなることが確認されました。

もし血管機能に何らかの疾患があった場合、トレーニングに関わらず血圧の上昇はできるだけ抑えた方が望ましいはずです。

① トレーニングでは血圧が上昇する。
② 息を止めるとより血圧は上昇する。
③ 血管機能に何らかの疾患があった場合、血圧の上昇はできるだけ抑えた方が望ましい。
④ とすると、トレーニングでは息をした方が安全だと思われる。

これが「息を止めるのは危険です。筋トレでは必ず呼吸をしましょう」と言われている理由になります。

息を止めた方が安全な場合も考えられる

先ほど、トレーニングでは息をした方が安全だと思われる理由をお伝えしました。

しかし、逆に息を止めた方が安全な場合も考えられます。

ここに、空のペットボトルが2つ、蓋を閉めた状態で置いてあるとしましょう。

1つは空気がパンパンに入っており、もう1つは空気がほとんど入っていません。

2つのペットボトルの上に重りを乗っけた時、どちらの方がより安定するのか?またどちらの方がより重たい重りを乗っけられるのか?というと、まず間違いなく前者でしょう。

空気がパンパンに入っているペットボトルは重さをしっかり受け止められるでしょうが、空気がほとんど入っていないペットボトルは重さに負けてぐしゃっと潰れてしまうはずです。

このペットボトルのたとえは、トレーニングにも応用できます。

スクワットをする場合、基本的にはバーベルを担ぐことになるかと思うのですが、空気がパンパンに入っているペットボトルのように胴体 (お腹) 周りが安定していると、重たい重りを持っても綺麗なフォームをキープできるはずです。

怪我のリスクが低減し、さらには大きな効果にも繋がるでしょう。

一方、空気がほとんど入っていないペットボトルのように胴体 (お腹) 周りが安定していないと、重たい重りを持てず綺麗なフォームをキープできないはずです。

怪我のリスクが増加し、それほど効果も期待できません。

では、どうすれば胴体 (お腹) 周りを安定させることができるのかというと、それが「息を止める」です。

もう少し厳密に言うと「大きく息を吸う → 息を止める」になります。

大きく息を吸う = ペットボトルに空気を入れる
息を止める = ペットボトルの蓋を閉める

とイメージするとわかりやすいかもしれません。

この方法は「バルサルバ法」とも呼ばれており、重量挙げやパワーリフティングをはじめとした重たい重りを挙上する競技において、必須と言っても過言ではないくらいの呼吸テクニックとして知られています。

少し話が長くなりましたが、整形外科的な観点からは、息を止めた方が安全だと考えられるということです。

最後に

今回は「“トレーニングで息を止めるのは危険” は本当か? 筋トレと呼吸」というタイトルで記事を書いてきましたがいかがだったでしょうか?

これはどんなジャンルにも当てはまることだと思うのですが、物事にはメリットとデメリットが存在するかと思います。

確かに、血圧の上昇だけを見るなら息をした方が安全でしょう。

しかし、それ以外も踏まえると一概にはそう言い切れません。

ぜひ、多角的な視野を持ってトレーニングに励んでいただければ幸いです。

次回作もご期待ください。

 

参考文献

(1) Effect of breathing techniques on blood pressure response to resistance exercise

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