札幌市中央区東本願寺前駅にある、初心者向けスポーツジム フィットメソッドです。
トレーニングの効果は、選択する種目・扱う重量・繰り返す回数 (レップ数) などによって変わってきますが、セット数も大きく関わってきます。
今回は「【筋トレ】筋力向上や筋肥大はセット数を増やすほど効果的って本当?」というタイトルで記事を書いていきます。
結論
結論からお伝えしますと、筋力向上や筋肥大については、セット数を増やすほど効果的です (基本的に) 。
ただ、ここでいう「セット数を増やすほど効果的」は、1日単位ではなく、1週間とか1ヶ月とか、少し長い期間のトータルで見た場合の話になります。
セット数が筋力向上や筋肥大に及ぼす影響
① Three Sets of Weight Training Superior to 1 Set With Equal Intensity for Eliciting Strength
研究内容を簡潔に書き出します。
経験者を対象に「1セットグループ」と「3セットグループ」に分け、週3回の頻度で12週間のトレーニングを実施した。
研究前後で、レッグプレス・ベンチプレスの最大挙上重量がどのように変化するのかを調べた。
1セット | 3セット | |
レッグプレス (kg) | 269 ⇨ 337 + 26% | 226 ⇨ 344 + 56% |
ベンチプレス (kg) | 64 ⇨ 77 + 20% | 67 ⇨ 86 + 33% |
結果、両グループでレッグプレス・ベンチプレスの最大挙上重量は増加したが、1セットよりも3セットの方で大きかった。
② Effects of Training Volume on Strength and Hypertrophy in Young Men
研究内容を簡潔に書き出します。
未経験者を対象に「1セットグループ」と「3セットグループ」に分け、週2回の頻度で12週間のトレーニングを実施した。
研究前後で、上腕の筋断面積がどのように変化するのかを調べた。
1セット | 3セット | |
筋断面積 (mm²) | 1,597 ⇨ 1,677 + 8% | 1,6401 ⇨ 1,902 + 13% |
結果、両グループで上腕の筋断面積は増加したが、1セットよりも3セットの方で大きかった。
今しがた ① と ② 2つを紹介しましたが、これらと似たような研究は多々実施されており、どうもそれらを見る限り、トレーニングの経験者であろうと未経験者であろうと、筋力向上であろうと筋肥大であろうと、セット数を増やすほど効果も大きくなるようです。
つまり、トレーニングの効果は、1セットよりも3セットで、3セットよりも5セットで、5セットよりも7セットで大きくなる、ということになります。
これについては、メタアナリシスでも公表されていますので、ご興味のある方は下よりお進みください。
・ The Effect of Weekly Set Volume on Strength Gain: A Meta-Analysis.
・ Dose-response relationship between weekly resistance training volume and increases in muscle mass
セット数は「週あたり」で考える
先ほど「トレーニングの効果は、セット数を増やすほど大きくなる」とお伝えしましたが、これには注意点がありまして、1日単位ではなく、1週間とか1ヶ月とか、少し長い期間のトータルで見ることが重要になります。
例えば、ここにAとBがいたとして、以下のようなトレーニングメニューを組んでいるとしましょう。
A | B | |
日曜日 | スクワット3セット ベンチプレス3セット デッドリフト3セット | スクワット6セット ベンチプレス6セット デッドリフト6セット |
月曜日 | 休 | 休 |
火曜日 | スクワット3セット ベンチプレス3セット デッドリフト3セット | 休 |
水曜日 | 休 | 休 |
木曜日 | スクワット3セット ベンチプレス3セット デッドリフト3セット | 休 |
金曜日 | 休 | 休 |
土曜日 | 休 | 休 |
1日あたりのセット数でいうと、Bの方が多くなっていますが、1週間あたりのセット数では、Aの方が多くなっているのがわかるかと思います (9セット vs. 6セット) 。
今現在、トレーニングの効果は「トータルで見た時どれほどの刺激を筋肉に入れたか?」がポイントになるとの報告がなされており、筋力向上や筋肥大については、この場合Aの方が大きくなると考察可能です (もちろん、Bも筋力向上や筋肥大は起こります) 。
そして通常は、わかりやすいとの理由から「週あたり」でセット数を考えることが主流になっており、トレーニングの効果を得たいのであれば「1部位につき最低3セット 〜 / 週」最大限高めたいのであれば「1部位につき10 〜 15セット / 週」が推奨されています。
セット数に上限はある?
先ほど「トレーニングの効果を最大限高めたいのであれば、1部位につき10 〜 15セット / 週、が推奨されています」とお伝えしましたが、一方で20セットとか30セットとか、これ以上セット数を増やすことはあまりオススメされていません。
Effects of a Modified German Volume Training Program on Muscular Hypertrophy and Strength
研究内容を簡潔に書き出します。
経験者を対象に「5セットグループ」と「10セットグループ」に分け、週3回の頻度で6週間のトレーニングを実施した。
研究前後で、筋力や筋肉量がどのように変化するのかを調べた。
5セット | 10セット | |
ベンチプレスMAX重量 | + 14.9% | + 6.2% |
レットプルダウンMAX重量 | + 15.1% | + 4.5% |
レッグプレスMAX重量 | + 8.1% | + 4.7% |
胴体の除脂肪体重 | + 4.1% | + 1.0% |
腕の除脂肪体重 | + 7.8% | + 3.4% |
結果、両グループで筋力や筋肉量は増加したが、5セットの方が10セットよりも大きかった。
この研究では、5セットと10セット、週に直すと「15セット」と「30セット」という、かなり多いセット数でトレーニングの効果を比較しているのですが、筋力向上や筋肥大について、5セットの方が10セットよりも良い結果が得られたようです。
このような結果が得られた理由としては「5セットは10セットに比べて、肉体的・精神的な疲労が少ない関係で、適切なフォームが維持しやすく、より高強度でのトレーニングが可能だった」みたいなものがいくつか挙げられるのですが、少なくとも「やればやるだけ効果も大きくなる」とは言えない可能性が示唆されました。
また、トレーニングの効果云々ではなく、例えば関節にかかる負担 = 怪我の発症リスクだったり、心理的なストレス等を考慮すると「1部位につき15セット前後 / 週」をセット数の上限として定められるのが良いような気がします。
最後に
今回は「【筋トレ】筋力向上や筋肥大はセット数を増やすほど効果的って本当?」というタイトルで記事を書いてきましたがいかがだったでしょうか?
まとめると、
・筋力向上や筋肥大については、基本的にセット数を増やすほど効果的
・セット数は週あたりで考える
・トレーニングの効果を得たいのであれば「1部位につき最低3セット 〜 / 週」
・トレーニングの効果を最大限高めたいのであれば「1部位につき10 〜 15セット / 週」
・20セットとか30セットとか、多すぎるセット数はトレーニングの効果を頭打ち、または減少させる可能性がある
こんな感じになります。
次回作もご期待ください。