札幌市中央区東本願寺前駅にある、初心者向けスポーツジム フィットメソッドです。
詳しくは下に貼り付けた動画をご覧いただきたいのですが、膝立ちで足首を固定し、上体を前方へと傾ける「ノルディックハムストリング」と呼ばれるエクササイズがあります。
※ 「ノルディックハム」とか「ロシアンリーン」とも呼ばれます。
ノルディックハムストリングには、太もも裏の肉離れの発症率を「1/3」近くまで減少させる効果が確認されており、ハードな走・跳が要求されるスポーツ競技で重宝されている印象です (1) 。
そういった背景から、ノルディックハムストリングは傷害予防を目的に実施されるのが大半で、筋肥大を意図してメニューに組み込まれることはほとんどありません。
そんな中つい先日、ノルディックハムストリングが筋肉量の増加にどのような影響を及ぼすのかについてを調べた研究が公開されました。
今回は「傷害予防に役立つノルディックハムストリングの筋肥大効果について」というタイトルで記事を書いていきます。
ノルディックハムストリングの筋肥大効果について
Hamstring muscle architecture and microstructure changes following Nordic hamstring exercise training and detraining
この研究では、レクリエーションレベルで身体活動を行っている20代後半の成人男女11名を対象に、6 〜 8レップ × 4 〜 5セットのノルディックハムストリングを週3回の頻度で9週間実施し、太もも裏の筋群 = ハムストリングの容積がどのように変化するのかについてを調べています。
具体的な手順は以下の通りで、ザックリ内容を訳すとこんな感じでしょうか。
One repetition of the NHE involved subjects kneeling on a padded board with secured ankles, leaning forward with controlled knee extension of about 18°/s until they could no longer maintain this movement or their hands touched the floor. Subjects then returned to the initial upright kneeling position using their upper limbs to minimize concentric loading in their hamstrings. A metronome set at 60 beats per minute guided the controlled speed, aiming for approximately 5 s for a full repetition. Subjects had a self-selected recovery time between repetitions and a 2-min rest between sets, with researchers supervising the sessions and providing verbal encouragement.
被験者はボードの上で膝立ちになり、足首をパッドにしっかりと固定した姿勢から始めた。膝関節を1秒あたり約18度のスピードにコントロールし、上体を前方へと傾けた。この動作を維持できない、または手が床に触れた時点でストップ。その後、腕の力を使って元の体勢に戻るが、コンセントリック局面の負荷を可能な限り抑えた。メトロノームによって動作のスピードは制御され、1回の反復にかける時間はおおよそ「5秒」に調整された。レップ間の休憩時間は自由とし、セット間に休憩時間は2分と定めた。セッションは研究者が監督し、被験者は口頭で励まされた。
結果がこちらです。
大腿二頭筋短頭 | + 22% |
大腿二頭筋長頭 | + 9% |
半腱様筋 | + 26% |
半膜様筋 | + 6% |
ハムストリングは、大腿二頭筋短頭・大腿二頭筋長頭・半腱様筋・半膜様筋の4つから構成されており、特に大腿二頭筋短頭と半腱様筋で顕著な増加が認められました。
よって、ノルディックハムストリングには筋肥大効果が見られるものの「その程度は部位ごとで異なり一様ではない」とまとめられそうです。
冒頭で触れた通り、ノルディックハムストリングは傷害予防を目的に実施されるのが大半で、筋肥大を意図してメニューに組み込まれることはほとんどありません。
しかし、エクササイズの特性上かなり強い負荷が生じやすい関係か、ノルディックハムストリングでも太もも裏の筋群を十分に鍛えることは可能みたいです。
もっとも、先ほど紹介した研究では「vs. 他のエクササイズ」のように筋肥大効果を比較しているわけではないため、その程度がいかほどになるのか? はハッキリわかりませんが、これと似た報告や個人的な経験論も合わせると、ハムストリングを最大限強化したいのであれば、ノルディックハムストリングやレッグカールなどの「膝関節を動かすエクササイズ」と、グッドモーニングやルーマニアンデッドリフトなどの「股関節を動かすエクササイズ」を併用するのが望ましいと感じられます。
最後に
今回は「傷害予防に役立つノルディックハムストリングの筋肥大効果について」というタイトルで記事を書いてきましたがいかがだったでしょうか?
ちなみに、ノルディックハムストリングは非常に強度が高いため、初めて実践する際は上級者に指導を仰いだ方が良いかもしれません。
次回作もご期待ください。
参考文献
(1) Eccentric training for prevention of hamstring injuries may depend on intervention compliance: A systematic review and meta-analysis
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