【筋トレ】ベンチプレスに加えてインクラインプレスを行う必要はあるか？

札幌市中央区東本願寺前駅にある、初心者向けスポーツジム フィットメソッドです。

先日お客様から「SNSでトレーニング動画を眺めていたら、ベンチプレスに加えてインクラインプレスを行うことで多角的に大胸筋を鍛える、的なセリフを耳にしまして、これってどういう意味なんでしょうか？」とのご質問をいただきました。

今回は「【筋トレ】ベンチプレスに加えてインクラインプレスを行う必要はあるか？」というタイトルで記事を書いていきます。

ベンチプレスとインクラインプレス

まず、いわゆる「ボディメイク」においてベンチプレスは、大胸筋・上腕三頭筋・三角筋前部など上半身の筋群を発達させるために取り入れられるのが一般的です。
※ 大胸筋：胸　上腕三頭筋：二の腕上側　三角筋前部：肩の前

特に大胸筋を強化する効果は様々なエクササイズの中でもトップレベルと考えられており、おそらく多くの方がベンチプレスをメニューに組み込んでいることでしょう。

大胸筋は解剖学的に肩関節の水平内転作用を有し、かつ上部・中部・下部の3つから構成され、それらは専門的に鎖骨部・胸肋部・腹部と言います。

先述した通り、ベンチプレスは大胸筋を発達させるために取り入れられるのが一般的ですが、3つの部位への刺激には差があると考えられており、特に上部は筋の起始停止の関係から強化するのが難しいとの見解が存在します。

ベンチプレスにおける大胸筋への刺激度を数値化すると、

こんなイメージでしょうか。

そして、ベンチプレスでは鍛えにくい（とされる）大胸筋上部をメインターゲットにできる（とされる）エクササイズがインクラインプレスになります（インクラインベンチプレスとも呼ばれます）。

大胸筋上部は解剖学的に肩関節の屈曲作用も有しており、つまりベンチ台に傾斜をつけることで負荷の方向・入り方が変わる、といった流れです。

よって、ベンチプレスとインクラインプレスの組み合わせにおける大胸筋への刺激度を数値化すると、

こんな感じだとイメージしていただけれれば（多角的に大胸筋を鍛える、的なセリフの意味）。

ベンチプレスに加えてインクラインプレスを行う必要はあるか？

では、果たして本当に「ベンチプレスに加えてインクラインプレスを行うことで多角的に大胸筋を鍛える」は可能なのでしょうか？

Effects of Horizontal and Incline Bench Press on Neuromuscular Adaptations in Untrained Young Men

この研究では、トレーニング経験のない男性を「ベンチプレスグループ」「インクラインプレスグループ」「ベンチプレス + インクラインプレスグループ」に分類し、大胸筋の上部・中部・下部が8週間でどれほど肥大するのかについてを調べています。

ベンチプレスグループ：ベンチプレスのみを週1回の頻度で4 〜 6セット実施。
インクラインプレスグループ：インクラインプレスのみを週1回の頻度で4 〜 6セット実施。
ベンチプレス + インクラインプレスグループ：ベンチプレスとインクラインプレスを週1回の頻度で各2 〜 3セット実施。

結果 ＝＝

・全てのグループで、大胸筋は上部・中部・下部とも肥大した。
・大胸筋の上部に関しては、インクラインプレスグループが最も大きく肥大した。
・大胸筋の中部と下部に関しては、グループ間で有意差が見られなかった。

したがって、この研究結果を踏まえると確かに大胸筋の上部を優先的に発達させるためには、インクラインプレスをメニューに組み込む価値はありそうです（むしろベンチプレスを取りやめる選択肢もアリかもしれません）。

もっとも、先ほど紹介した研究ではスミスマシンを利用しており、フリーウエイトではどのような結果になるのか分かりません。

また、ベンチ台の傾斜角は44度に設定されており、これよりも急 or 緩やかな角度ではどのような結論が得られるのかも分かりません。

しかしながら、多角的に大胸筋を鍛える ＝ 上部も漏れなく発達させたいのであれば、ベンチプレスに加えてインクラインプレスを行うメリットは大きい気がします。

最後に

今回は「【筋トレ】ベンチプレスに加えてインクラインプレスを行う必要はあるか？」というタイトルで記事を書いてきましたがいかがだったでしょうか？

次回作もご期待ください。

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