札幌市中央区東本願寺前駅にある、初心者向けスポーツジム フィットメソッドです。
今回は「力が欲しいなら筋肉量を増やした方が良いって本当? 筋肉と筋力の関係について」というタイトルで記事を書いていきます。
はじめに 筋肉と筋力
以前「“筋肉” と “筋力” の違いって何? 知っておきたい筋トレ知識」こちらのブログでも触れているのですが「筋肉」と「筋力」は似ているようでいて、それぞれ異なる意味を持つ言葉です。
筋肉:動物の持つ組織のひとつで、収縮することにより力を発生させる、代表的な運動器官。
筋力:筋肉が一回の収縮で発揮する力。wikipedia / 厚生労働省健康日本21アクション支援システム より引用
上の引用にある通り、筋肉は「もの・物質」筋力は「機能・能力」と捉えていただければ間違いありません。
筋肉のサイズ = 筋断面積と筋力は相関するとの報告がなされており、筋力の向上を狙うのであれば、筋肉を増加させる必要があると一般的に考えられています。
しかし、筋力を決定する因子はいくつか存在し、その中でも「神経系の要因」の貢献度は最も大きいと言われ、筋肉のサイズ以上に重要視されることがあるのですが、果たしてこれは本当なのでしょうか?
力が欲しいなら筋肉量を増やした方が良い
Muscle Growth Is Very Strongly Correlated with Strength Gains after Lower Body Resistance Training: New Insight from Within-Participant Associations
この研究では、定期的なトレーニング経験のない成人男性を対象に、週3回の頻度で15週間に渡るプログラムを実施し、筋力や筋肉のサイズがどのように変化するのかを調べています。
各セッションは1回につき45分間行われ、レッグエクステンション・レッグカール・レッグプレスなど、下肢の筋群を鍛えるエクササイズが採用されました。
週によってメニューを変えセット数は2 〜 4セット、重さも調整し回数は6 〜 12回の範囲で変化させたとのことです。
結果は以下の通り。
トレーニング前 | トレーニング後 | 変化 % | |
レッグエクステンション 最大随意収縮力 Nm | 228.4 ± 43.6 | 276.5 ± 50.5 | 21.6 ± 9.2 |
レッグエクステンション 最大挙上重量 kg | 52.2 ± 11.4 | 66.7 ± 13.7 | 28.6 ± 12.9 |
大腿四頭筋断面積 ㎤ | 1980.2 ± 381.3 | 2217.7 ± 383.2 | 12.7 ± 7.1 |
・筋肉のサイズは筋力と非常に強く相関していた。
・神経系の要因は筋力と中程度相関していた。
つまり、筋肉のサイズは筋力を決定する主要な因子であったと結論付けられます。
聞き慣れない言葉も多く出てきたかと思いますので、ここからはこれまでの内容をかなり噛み砕いて解説していきますが、まず筋力を決定する因子には、例えば筋肉のサイズ・神経系の要因が代表的なものとして挙げられています。
筋肉のサイズは筋断面積のことで、要は「太さ」だと捉えていただければ大丈夫です。
問題は神経系の要因なのですが、これは「脳からの指令が筋肉にうまく伝わっているか?」みたいなイメージでしょうか。
筋肉は脳からの指令で動き、このときうまく伝わらない部分があると、そこは力を出さず休むことになります。
よって、誰かと筋肉のサイズは同じだったとしても、神経系の要因がうまくなければ筋力は小さくなりますし、誰かよりも筋肉のサイズが細かったとしても、神経系の要因がうまければ筋力は大きくなる可能性が考えられるわけです。
では、筋肉のサイズと神経系の要因、どちらが筋力を決定する因子として優位に立っているのかというと、近年の研究結果からは後者の方が多くなっていました。
ただ、それらの研究のほとんどは期間を8 〜 12週間に設定しており「もっと長い15週間ではどうなるのか?」を調査したのが先ほど紹介したものです。
そして結果ですが、
・筋肉のサイズは筋力と非常に強く相関していた。
・神経系の要因は筋力と中程度相関していた。
となっており「力が欲しいなら筋肉量を増やした方が良い」「もっと重い重量を持ちたいならデカくなれ」と言い換えられます。
基本的に、筋肉のサイズを増加させるに効率的なトレーニング方法と、筋力を効率的に向上させるに効率的なトレーニング方法は違い、筋肉のサイズに焦点を当てるなら10回前後で限界が来る中重量が、筋力に焦点を当てるなら4回前後で限界が来る高重量が推奨されています。
そのため、特に筋力の向上 = 重い重量を持つことを目的にトレーニングをされている場合、ほぼ高重量しか扱わないメニューを組まれている方もいることでしょう。
もちろん、高重量を扱うトレーニングは大切ですし、意味がないとはこれっぽっちも思いません。
しかしながら、もし今現在停滞感を感じているのであれば、中重量を扱うトレーニングを取り入れてみるのもアリかと思います。
最後に
今回は「力が欲しいなら筋肉量を増やした方が良いって本当? 筋肉と筋力の関係について」というタイトルで記事を書いてきましたがいかがだったでしょうか?
次回作もご期待ください。
札幌市近郊にお住いの方は、
ぜひ フィットメソッド をご利用ください。