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トレーニング

“筋肉” と “筋力” の違いって何? 知っておきたい筋トレ知識

札幌市中央区東本願寺前駅にある、初心者向けスポーツジム フィットメソッドです。

当ブログでも、度々登場している単語に「筋肉」と「筋力」があります。

どちらにも「筋」という文字が含まれていますが、これらは別物です。

今回は「“筋肉” と “筋力” の違いって何? 知っておきたい筋トレ知識」というタイトルで記事を書いていきます。

筋肉

まずは「筋肉」ですが、これは皆様ご存知の通り「収縮運動によって、関節や臓器を動かす身体組織」のことです。

筋肉は、その形状等から下の表のように、

骨格筋心筋平滑 (内臓) 筋
形状横紋筋横紋筋平滑筋
神経支配運動 (体性) 神経・随意自律神経・不随意自律神経・不随意
所在骨や腱・皮膚など心臓内臓

・骨格筋:手や足など関節を動かす筋肉
・心筋:血液を循環したり心臓を動かす筋肉
・平滑筋:食べ物の消化吸収をサポートしたり内臓を動かす筋肉

と、3つに分類されており、私たちが日常会話の中で使用する筋肉は、ほぼ100%「骨格筋」を指します。

筋力

次は「筋力」ですが、

動作遂行のためには筋の緊張が変化し、この際の筋収縮によって引き起こされる力が「筋力」である。 筋力を生理学的に定義すれば、筋線維への単発刺激によって全か無かの法則に従って1回の単収縮 (twitch) が起こり、連続刺激により強縮 (tetanus) に至る。一般に、身体運動中の筋収縮は強縮であると考えてよい。これらの強縮による筋収縮がもたらし発揮される筋の張力が生理学的にいう「筋力」である。

日常生活活動と筋力

みたいな説明もあったりするのですが、これはザックリ「筋肉 (骨格筋) が発揮する力」だと思っていただければ問題ありません。

「ベンチプレス、昔は20kgが限界だったけど、今は楽に60kg持てる」こんな状況では「より適切なフォームを習得できたから」という理由ももちろん考えられますが、そのうちのほとんどは、筋力がついたことによって達成されたものと思われます。


筋肉:手や足など関節を動かす身体組織 (厳密には骨格筋) 。
筋力:筋肉 (骨格筋) が発揮する力、筋肉によって引き起こされる力。

筋肉と筋力

筋肉と筋力についてを理解できたところで話をさらに進めますが、トレーニング、いわゆる「筋トレ」は、筋肉や筋力をつける目的で実施されます。

筋肉がつけば見た目がカッコ良くなったり、筋力がつけば階段の上り下りとか生活が楽になったりするわけです。

そして、一般的には「筋肉がつくと筋力もつく」と考えられていますが、ここで重要になるのは、筋肉 (の量) は筋力を決定する「一要素に過ぎない」という点です。


Differential Effects of Heavy versus Moderate Loads on Measures of Strength and Hypertrophy in Resistance-Trained Men

トレーニング経験者を対象に「中重量・8 〜 12回グループ」と「高重量・2 〜 4回グループ」に分け、トレーニングを週3回の頻度で計8週間実施した。

トレーニング前後で、大腿四頭筋の厚み・スクワットの最大挙上重量を測定した。

中重量高重量
大腿四頭筋 (㎜)56.0 ⇨ 61.856.5 ⇨ 58.8
スクワット (㎏)119.5 ⇨ 139.4114.5 ⇨ 148.9

結果、両グループで大腿四頭筋の厚み・スクワットの最大挙上重量は増加した。

大腿四頭筋の厚みは中重量グループで、スクワットの最大挙上重量は高重量グループで、その増加率は有意に大きかった。


この研究では「8 〜 12回ぐらいできる重さ」でトレーニングをするグループと「2 〜 4回ぐらいできる重さ」でトレーニングをするグループを作り、大腿四頭筋の厚み (筋肉) と、スクワットの最大挙上重量 (筋力) に対して、どのような影響を及ぼすのかを調べているのですが、筋肉は中重量・8 〜 12回グループで、筋力は高重量・2 〜 4回グループでより大きく増加しました。

もし、筋肉と筋力が完全にイコールなのであれば、このような結果にはならないはずです。

筋肉に焦点を当てるなら、中重量・8 〜 12回グループの方で筋力がより増加するでしょうし、筋力に焦点を当てるなら、高重量・2 〜 4回グループの方で筋肉がより増加するでしょう。

こういった類の研究はいくつも行われており、今現在は、

・筋肉 (厳密には筋断面積の大きさ)
・神経系 (運動単位数や発火頻度の増加、拮抗筋の抑制など)
・筋線維の組成 (速筋・遅筋の割合)

の3つが、筋力を決定する大きな要素として知られています (これら以外にも、筋線維の配列方向・筋長・関節の屈曲角度・心理的要因なども挙げられます) 。

筋肉をつけるトレーニング 筋力をつけるトレーニング

先ほど触れた通り、筋肉は筋力を決定する一要素に過ぎないこともあって「より筋肉をつけるトレーニング」と「より筋力をつけるトレーニング」では、その内容が異なります。

例えばここに、体重別に階級のあるスポーツ、総合格闘技の選手なんかがいたとして、減量苦に悩まされており、でも力を増やしたい場合「極力筋肉をつけずに (体重を増やさずに) 筋力をつける」というプログラムが望ましいでしょう。

もっとも、筋肉は筋力を決定する要素の1つでは間違いなくあるため「筋肉だけをつけて筋力は一切つけない」とか「筋力だけをつけて筋肉は一切つけない」とかは現実的に難しく「筋肉がついているなら筋力もついていて、筋力がついているなら筋肉もついている」と考えるのが基本ではあります。

しかし、繰り返しになりますが、筋肉と筋力は別物であり、これらの違いをしっかり把握しておけば、トレーニングの質をより高めることができるはずです。

最後に

今回は「“筋肉” と “筋力” の違いって何? 知っておきたい筋トレ知識」というタイトルで記事を書いてきましたがいかがだったでしょうか?

次回作もご期待ください。

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