札幌市中央区東本願寺前駅にある、初心者向けスポーツジム フィットメソッドです。
「トレーニングの効果と可動域 (関節が動く範囲) の関係について」を調べた研究はいくつも実施されており、当ブログでもこれまでに何個か紹介してきました。
【トレーニング】関節可動域が筋肥大効果に及ぼす影響について
フル vs. パーシャルレンジ 長い筋長でのトレーニング効果は全可動域と同等
それらの報告を読み込む限り、
・可動域広めと可動域狭めでは、前者の方がトレーニングの効果は大きい。
・筋長が長い状態で負荷がかかるエクササイズは、トレーニングの効果が大きくなる。
こんな傾向がある印象を受けます。
しかし、上腕三頭筋をターゲットにしたトライセプスエクステンションに関しては、どうも違った結果が得られているみたいです。
今回は「可動域広め vs. 可動域狭め 上腕三頭筋を鍛えるに効果的な動作の範囲はどっち?」というタイトルで記事を書いていきます。
可動域広め vs. 可動域狭め
Partial Range of Motion Exercise Is Effective for Facilitating Muscle Hypertrophy and Function Through Sustained Intramuscular Hypoxia in Young Trained Men
研究内容をザックリ書き出します。
少なくとも1年以上に渡ってトレーニング経験のある男性を対象に「可動域広めグループ」と「可動域狭めグループ」に分け、トライセプスエクステンションを実施した。
強度は8RMとし、8回を3セット・セット間休憩時間は1分で、週に3回の頻度で8週間行った。
トレーニング前後で、上腕三頭筋の断面積を計測した。
広め | 狭め | |
断面積 | + 28.2 ± 10.9% | + 48.7 ± 14.5% |
結果、両グループで増加が確認されたが、可動域広めよりも可動域狭めの方が有意に大きかった。
この研究では、トライセプスエクステンションを「可動域広め」か「可動域狭め」で行うグループを作り、上腕三頭筋の断面積がどのように変化するのか、つまり二の腕裏の筋肉がどのくらい付くのか? についてを調べています。
可動域広めグループは肘関節屈曲が「0° 〜 120°」可動域狭めグループは肘関節屈曲が「45° 〜 90°」と設定されており、可動域広めはウエイトをしっかり上げ下げして、可動域狭めは真ん中付近でちょこちょこウエイトを上げ下げして、とイメージしていただければ特別問題はないでしょう。
結果ですが「両グループで増加が確認されたが、可動域広めよりも可動域狭めの方が有意に大きかった」このようになりました。
よって、上腕三頭筋の肥大を狙うのであれば、可動域を制限するのが望ましい可能性が示唆されています。
これと似たような研究は上腕二頭筋でも行われているのですが、それとは真逆の結果が得られており、なぜこのような結論になったのかはハッキリと分かりません。
ただ、血中の乳酸濃度やヘモグロビンレベルも調べられており、そのデータを元にすると「可動域を制限することで筋緊張が高まり、持続的な筋収縮が物理的に毛細血管を強く圧迫し、その影響で血流が抑制され、急性的に低酸素状態が引き起こされ、筋肥大のシグナルを刺激したから」と推測されるみたいです。
冒頭で触れた通り、
・可動域広めと可動域狭めでは、前者の方がトレーニングの効果は大きい。
・筋長が長い状態で負荷がかかるエクササイズは、トレーニングの効果が大きくなる。
こんな傾向がある印象を受けるのですが、もしかしたらその種目の特徴によって変わるのかもしれません。
このトピックに関しては私も非常に興味がありますので、また何か追加情報が入りましたら追って紹介したいと思います。
最後に
今回は「可動域広め vs. 可動域狭め 上腕三頭筋を鍛えるに効果的な動作の範囲はどっち?」というタイトルで記事を書いてきましたがいかがだったでしょうか?
次回作もご期待ください。
札幌市近郊にお住いの方は、
ぜひ フィットメソッド をご利用ください。