札幌市中央区東本願寺前駅にある、初心者向けスポーツジム フィットメソッドです。
先日、ご夫婦で当ジムに通われているお客様の旦那様から「妻と同じくらいの追い込み具合でトレーニングをしているはずなんだけど、向こうの方が早く回復するんだよな。性別によって、力が復活するまでの期間が異なるなんてことはあり得ますか?」とのご質問をいただきました。
今回は「筋トレの回復期間について 男女で筋力が戻る日数・時間が違うって本当?」というタイトルで記事を書いていきます。
ベンチプレストレーニング後における性別間の筋力回復期間について
The Effect of Recovery Time on Strength Performance Following a High-Intensity Bench Press Workout in Males and Females
研究内容をザックリ書き出します。
20歳前後の男女を「男性アスリート」「女性アスリート」「男性トレーニー」「女性トレーニー」の4グループに分け、3週間に渡り週3回のベンチプレストレーニングを実施した。
ベンチプレストレーニング終了後、参加者たちは3週間に渡り毎週2回の筋力テストを行い、筋力がどのように変化するのかを調べた。
結果、男性では4時間後・24時間後において筋力の有意な低下が認められたが、女性では筋力の有意な低下は認められなかった。
この研究では、20歳前後の男女を「男性アスリート」「女性アスリート」「男性トレーニー」「女性トレーニー」の4グループに分け、3週間に渡り週3回のベンチプレストレーニングを実施した後、今度は3週間に渡り毎週2回の筋力テストを行い、筋力がどのように変化するのかについてを調べています。
各グループの体重・体脂肪率・5RM (ベンチプレスにおいて、最大5回挙上することのできる重量) は以下の通りです。
体重 (kg) | 体脂肪率 (%) | 5RM (kg) | |
男性アスリート | 110.5 | 16.2 | 144.5 |
女性アスリート | 92.0 | 20.8 | 73.5 |
男性トレーニー | 96.5 | 19.3 | 90.0 |
女性トレーニー | 75.8 | 23.0 | 38.3 |
よって、アスリートは「上級のトレーニング経験者」トレーニーは「中級のトレーニング経験者」と捉えても良いかもしれません。
流れですが、まず参加者たちは、3週間に渡って週3回の頻度でベンチプレストレーニングを実施しています。
重量は5RMの60 〜 80%、レップ数は5、セット数は4となっており、がっつり追い込むというよりかは、後日行う筋力テストの「準備期間」と表現した方が適切でしょうか。
その準備期間が終わると、3週間に渡る毎週2回の筋力テストがスタートです。
要は、3週間 × 毎週2回で、合計6回の筋力テストが行われることになります。
筋力テストのプログラム (メニュー) は全て統一され、最終セット (5セット目) の反復回数から最大挙上重量を推定する形が取られており、詳しくは下記をご覧ください。
セット | %5RM | 回数 |
1 | 50 | 10 |
2 | 70 | 5 |
3 | 85 | 4 |
4 | 95 | 2 |
5 | 100 | 限界まで |
ただし、各週における筋力テスト間のリカバリータイムは別々に設定され、第一週目は4時間、第二週目は24時間、第三週目は48時間空けられました。
説明がわかりにくくなりましたが、具体的な例を出すと、
・第一週目:月曜日の12時に1回目の筋力テストを行う。5セット目で何回できたのかを記録して、MAXの重量を推測する。4時間後の16時に2回目の筋力テストを行う。同じく5セット目で何回できたのかを記録して、MAXの重量を推測する。
・第二週目:月曜日の12時に1 (3) 回目の筋力テストを行う。5セット目で何回できたのかを記録して、MAXの重量を推測する。24時間後である火曜日の12時に2 (4) 回目の筋力テストを行う。同じく5セット目で何回できたのかを記録して、MAXの重量を推測する。
・第三週目:月曜日の12時に1 (5) 回目の筋力テストを行う。5セット目で何回できたのかを記録して、MAXの重量を推測する。48時間後である水曜日の12時に2 (6) 回目の筋力テストを行う。同じく5セット目で何回できたのかを記録して、MAXの重量を推測する。
こんな感じです。
そして結果はどうだったのかというと、
グループ | リカバリータイム | 1回目 (kg) | 2回目 (kg) |
男性アスリート | 4時間 | 165.9 | 161.9 |
24時間 | 165.6 | 159.1 | |
48時間 | 165.6 | 165.0 | |
女性アスリート | 4時間 | 84.5 | 84.0 |
24時間 | 85.8 | 85.7 | |
48時間 | 86.8 | 87.1 | |
男性トレーニー | 4時間 | 103.9 | 101.1 |
24時間 | 104.5 | 99.2 | |
48時間 | 103.4 | 103.0 | |
女性トレーニー | 4時間 | 43.8 | 43.3 |
24時間 | 45.7 | 45.4 | |
48時間 | 47.2 | 47.5 |
男性では (アスリートもトレーニーも) 4時間後・24時間後において筋力の有意な低下が認められたのに対して、女性では (アスリートもトレーニーも) 筋力の有意な低下は認められませんでした。
つまり、男性はベンチプレスの回復期間として48時間を要する一方、女性はベンチプレスの回復期間として4時間あれば足りる、とまとめられます。
以前「【トレーニング】疲労の回復にはどれくらいの時間・日数がかかるのか?」というタイトルで似たような記事を書いたのですが、そこで紹介した研究は男性を対象としており、女性は含まれていませんでした。
もちろん、1つの報告だけで断言することは難しく、理由も定かではありませんが、トレーニングにおける男性と女性の回復期間は、先述したように思いのほか大きく異なるのかもしれません。
もっとも、これがベンチプレスではなくスクワットであったり、経験者ではなくトレーニング初心者であったりすれば、また違った結論が得られるかもしれませんが、この結果を踏まえ、今一度ご自身のメニューを見直してみても良いでしょう。
最後に
今回は「筋トレの回復期間について 男女で筋力が戻る日数・時間が違うって本当?」というタイトルで記事を書いてきましたがいかがだったでしょうか?
次回作もご期待ください。
札幌市近郊にお住いの方は、
ぜひ フィットメソッド をご利用ください。