札幌市中央区東本願寺前駅にある、初心者向けスポーツジム フィットメソッドです。
詳細は下の動画をご覧いただきたいのですが、腕や脚の根本に専用のベルトを巻きつけ、血流を制限した状態で筋に刺激を加えるトレーニング方法は「血流制限トレーニング」と呼ばれています(加圧トレーニングとも呼ばれます)。
血流を制限することで、筋酸素レベルを早期に低下させたり、無機リン酸や乳酸をはじめとした代謝産物の蓄積を促したりして、低負荷ながらも筋力や筋肉量の増加を狙う特殊なトレーニング方法です。
血流制限トレーニングの効果を調べた報告はいくつもなされており、先述したように筋力や筋肉量の増加が確認されているのですが、従来のトレーニング方法と比較すると、その変化率はやや劣る傾向が見られます。
参照 → 加圧トレーニングの効果は?意味ないって本当?普通の筋トレとの違い
そのため「身体のどこかに痛みを抱えていてあまり重い重量を扱うことができない」とか「通っているフィットネスクラブに重い重量が置いていない」とか、特別な事情がある場合を除き、基本的には血流制限トレーニングではなく、従来 = 血流を制限しない普通のトレーニングをオススメしているのが現状です。
しかし、先ほど参照として添付したブログ内で紹介している研究は、
・血流制限トレーニング:30%1RM・30回・15回・15回・15回の4セット
・従来のトレーニング:75%1RM・10回の3セット
と定められており、扱う重量は統一されていません。
今回は「血流制限 = 加圧 vs. 低負荷の従来 トレーニング効果の違いについて」というタイトルで記事を書いていきます。
血流制限トレーニング vs. 従来のトレーニング
この研究では、過去半年の間トレーニング経験のない成人男女を対象に「血流制限トレーニング」「非限界従来のトレーニング」「限界従来のトレーニング」の3グループに割り当て、週3回の頻度で1日2セット・6週間に渡るアームカールを実施し、筋力や筋肉量がどのように変化するのかについてを検討しています(解説を理解しやすくするため、省略している部分が多々あります)。
各グループの概要は以下の通りです。
・血流制限トレーニンググループ:血流制限をしていない状態での30%1RMを使用(持ち上げることのできる最大重量の30%)。反復回数は、1週目に血流制限下での最大反復回数の70%、2週目に血流制限下での最大反復回数の75%、3週目に血流制限下での最大反復回数の80%と段階的に増やす。血流を制限してトレーニングを行う。
・非限界従来のトレーニンググループ:血流制限をしていない状態での30%1RMを使用。反復回数は、1週目に血流制限下での最大反復回数の70%、2週目に血流制限下での最大反復回数の75%、3週目に血流制限下での最大反復回数の80%と段階的に増やす。血流を制限しないでトレーニングを行う。
・非限界従来のトレーニンググループ:血流制限をしていない状態での30%1RMを使用。反復回数は限界まで。血流を制限しないでトレーニングを行う。
少しややこしくなっていますが、まず扱う重量は3グループとも同じで「血流制限をしていない状態での30%1RM」となっています。かなり軽めで、一般的には「低負荷」に区分される重さです。
次に反復回数ですが、血流制限トレーニンググループと非限界従来のトレーニンググループは「1週目に血流制限下での最大反復回数の70%、2週目に血流制限下での最大反復回数の75%、3週目に血流制限下での最大反復回数の80%と段階的に増やす」限界従来のトレーニンググループは「限界まで」と指示が出されました。よって、血流制限トレーニンググループと非限界従来のトレーニンググループの反復回数は等しく、一方で限界従来のトレーニンググループは前者2つよりも反復回数は多くなります。
その結果、
血流制限 | 非限界従来 | 限界従来 | |
筋力 | + 0.54 kg | + 0.45 kg | + 0.34 kg |
筋肉量 | + 0.14 cm | + 0.06 cm | + 0.17 cm |
・筋力(アームカールの最大重量)は全てのグループで有意に増加し、グループ間で差は認められなかった。
・筋肉量(上腕二頭筋の厚み)は全てのグループで有意に増加し、血流制限トレーニンググループと限界従来のトレーニンググループは、非限界従来のトレーニンググループよりも大きかった。血流制限トレーニンググループと限界従来のトレーニンググループ間で差は認められなかった。
とのデータが得られたみたいです。
冒頭でも触れましたが、血流制限トレーニングは、筋酸素レベルを早期に低下させたり、無機リン酸や乳酸をはじめとした代謝産物の蓄積を促したりして、低負荷ながらも筋力や筋肉量の増加を狙う特殊なトレーニング方法として知られています。
しかしながら限界まで追い込めば、血流を制限しなくとも & 低負荷であったとしても、トレーニングの効果に差は出ない可能性が示唆されました。
よって、個人的な見解としては、血流制限トレーニングにそこまで大きなメリットはない印象を受けます。
もっとも、血流制限トレーニングと低負荷による限界従来のトレーニングでは、確かに前者の方が反復回数は減るため「時短」には役立つかもしれません。
が、血流を制限するための準備や手間暇を考えると、やはり特別な事情がある場合を除き、基本的には血流制限トレーニングではなく、従来 = 血流を制限しない普通のトレーニングを取り入れるのが無難でしょう。
最後に
今回は「血流制限 = 加圧 vs. 低負荷の従来 トレーニング効果の違いについて」というタイトルで記事を書いてきましたがいかがだったでしょうか?
次回作もご期待ください。
札幌市近郊にお住いの方は、
ぜひ フィットメソッド をご利用ください。