札幌市中央区東本願寺前駅にある、初心者向けスポーツジム フィットメソッドです。
トレーニングにおいて、筋力向上や筋肉量増加の効果を決定する要因の1つに「ボリューム」と呼ばれる概念があります。
ボリュームは、一般的に「トータルで何kg挙上したか?」を表した指標で、仮に「30kg・8回・4セット」こんなメニューに取り組んだとすると、
30kg × 8回 × 4セット = 960kg
これがボリュームです。
先述した通り、ボリュームは筋力向上や筋肉量増加の効果を決定する要因の1つとして考えられており、例外はいくつか存在するものの、
パターン A | パターン B | |
月曜日 | 30kg・8回・4セット | 30kg・8回・2セット |
火曜日 | 30kg・8回・2セット | |
水曜日 | 30kg・8回・4セット | 30kg・8回・2セット |
木曜日 | 30kg・8回・2セット | |
金曜日 | 30kg・8回・4セット | 30kg・8回・2セット |
土曜日 | 30kg・8回・2セット | |
日曜日 | ー | ー |
こんな感じでボリュームが同等なのであれば、頻度や1日あたりのセット数が異なれど、トレーニングの効果も同様になるとの報告がなされています。
しかし、先ほどのパターンではボリュームを「1週間単位」で揃えていましたが、
パターン C | パターン D | |
重さ | 30kg | 30kg |
回数 | 12回 | 6回 |
セット数 | 3セット | 6セット |
このように回数やセット数を異らせて「1セッション単位」でボリュームを揃えたとした場合、筋力向上や筋肉量増加の効果にはどのような影響が出るのでしょうか?
今回は「ボリュームが同じでも “追い込み具合” によってトレーニングの効果は変わる?」というタイトルで記事を書いていきます。
高回数・低セット vs. 低回数・高セット
Impact of Two High-Volume Set Configuration Workouts on Resistance Training Outcomes in Recreationally Trained Men
この研究では、トレーニング経験のある若年男性を対象に「高回数・低セットグループ」と「低回数・高セットグループ」に分け、ベンチプレス・スクワット・ラットプルダウン・デッドリフトなどベーシックなエクササイズを実施し、筋力や筋肉量がどのように変化するのかについてを調べています。
グループ間で異なるのは回数とセット数、およびセット間休憩時間の3点で、
高回数・低セット | 低回数・高セット | |
回数 | 10回 | 5回 |
セット数 | 4セット | 8セット |
セット間休憩時間 | 2分 | 1分 |
それ以外の重さ・頻度・期間などの変数は統一されたようです。
高回数・低セット | 低回数・高セット | |
重さ | 75%1RM | |
頻度 | 週2回 | |
期間 | 6週間 |
なお「高回数・低セットグループ」は、各セット疲労困憊まで至るよう指示されており、規定の10回に達しなかった際は30秒程度の休憩を設けさらに反復、規定の10回を超えた際は次セットで最低2.5kgの負荷を追加しました。
よって、高回数・低セットグループは「限界まで追い込むグループ」低回数・高セットグループは「限界まで追い込まないグループ」とも言い換えられます。
結果は以下の通りです。
高回数・低セット | 低回数・高セット | |
ベンチプレス最大重量 | + 9.44 ± 3.0 kg | + 7.22 ± 4.4 kg |
スクワット最大重量 | + 9.44 ± 4.6 kg | + 11.1 ± 10.3 kg |
上腕屈筋の厚み | + 3.44 ± 5.1 ㎜ | + 2.16 ± 0.9 ㎜ |
内側広筋の厚み | + 3.28 ± 2.3 ㎜ | + 0.38 ± 2.7 ㎜ |
三角筋前部の厚み | + 1.84 ± 1.7 ㎜ | + 2.76 ± 2.6 ㎜ |
・ベンチプレスとスクワットの最大重量は両グループで同様に向上した。
・上腕屈筋と内側広筋の厚みは高回数・低セットグループでのみ増加し、低回数・高セットグループでは有意な変化が見られなかった。
・三角筋前部の厚みは両グループで同様に増加した。
レップ間 = 反復動作の間に休みを挟まずセットを完遂し、その後一定のセット間休憩時間を設けてから次セットへと移行する方法は「トラディショナルセット法」と呼ばれており「ごく普通の」と言いますか、よくあるトレーニングのやり方として認知されています。
一方、トラディショナルセット法の総セット間休憩時間を細かく分割し、それに合わせて回数やセット数を減少、または増大させるトレーニングのやり方は「レスト・リディストリビューション (Rest-Redistribution) 」と呼ばれています。
ここで紹介した研究では、高回数・低セットがトラディショナルセット法、低回数・高セットがレスト・リディストリビューションに該当するわけですが、1セッション単位でボリュームを揃えた場合、筋力の向上は両グループで同様だったものの、筋肉量の増加は前者の方が効果的だったみたいです。
よって、得られた結果をもとにすると、1セッション単位のボリュームが同等であったとしても「より追い込みをかける」ことで、特に筋肉量の増加にポジティブな影響を与える可能性があると判断できるでしょう。
しかしながら、高回数・低セットグループと低回数・高セットグループに与えられたセット間休憩時間を計算してみると、後者の方が少し長くなっています。
高回数・低セットグループ:4セット・2分の休憩で、トータル6分のセット間休憩
低回数・高セットグループ:8セット・1分の休憩で、トータル7分のセット間休憩
つまり、トレーニングの「密度」なる概念があるのであれば、高回数・低セットグループは低回数・高セットグループと比べて大きい = 詰まっている、ということです。
では、このトレーニング密度をきっちり揃えた場合はどうなるのかというと、筋力向上や筋肉量増加の効果は「同じだった」との報告がなされています。
長い休憩で少ないセット数 vs 短い休憩で多いセット数 筋トレの効果
こういった研究は他にもいくつか行われており、それらの結果に個人的な経験論も足すと、1セッション単位において、
・ボリュームが同じでかつ密度も同じ場合、筋力向上や筋肉量増加の効果も同じ (差があったとしても微々たるもの)
・ボリュームが同じでしかし密度が違う場合、筋力向上は同じだけど筋肉量増加は大きい = 詰まっている方がわずかに効果的 (かもしれない)
的な感じになる印象です。
最後に
今回は「ボリュームが同じでも “追い込み具合” によってトレーニングの効果は変わる?」というタイトルで記事を書いてきましたがいかがだったでしょうか?
次回作もご期待ください。
札幌市近郊にお住いの方は、
ぜひ フィットメソッド をご利用ください。