札幌市中央区東本願寺前駅にある、初心者向けスポーツジム フィットメソッドです。
トレーニングの効果は、扱う重さ・反復する回数・繰り返したセット数などによって変わってきますが「週あたりの頻度」も、それに大きな影響を及ぼすと考えられています。
今回は「週1回 vs. 3回 異なるトレーニング頻度が効果に及ぼす影響と違いについて」というタイトルで記事を書いていきます。
週1回 vs. 3回
Effect of different training frequencies on maximal strength performance and muscle hypertrophy in trained individuals—a within- subject design
研究内容をザックリ書き出します。
トレーニング経験者を対象に、2つのグループに分け、片脚レッグプレスを8 〜 12RM・9セット / 週、計9週間実施した。
1つ目のグループは、片脚を週1回、もう一方の脚を週3回、ボリュームは揃えた。
2つ目のグループは、片脚を週1回、もう一方の脚を週3回、ボリュームは揃えなかった。
トレーニング前後で、レッグプレスの最大重量、および大腿四頭筋の断面積がどのように変化するのかを調べた。
最大重量 | 断面積 | |
ボリュームを揃えた 週1の脚 | + 16.0 ± 10.0 | + 2.1 ± 2.1 |
ボリュームを揃えた 週3の脚 | + 17.2 ± 12.2 | + 2.0 ± 2.8 |
ボリュームを揃えなかった 週1の脚 | + 19.4 ± 13.1 | + 1.5 ± 2.6 |
ボリュームを揃えなかった 週3の脚 | + 24.6 ± 14.2 | + 4.1 ± 5.0 |
全ての脚で、レッグプレスの最大重量、および大腿四頭筋の断面積は増加し、有意差は確認されなかった。
しかし、ボリュームを揃えなかったグループでは、週1よりも週3の方が、レッグプレスの最大重量、および大腿四頭筋の断面積の増加における効果量は大きかった。
概要を把握しにくいかと思いますので、具体的な例を挙げて解説していきます (※ 分かりやすくするため、事実とは若干変えている部分があります) 。
まず、この研究では24名のトレーニング経験者を、12名ずつ2つのグループに分けました。
1つ目のグループは「ボリュームを揃えるグループ」2つ目のグループは「ボリュームを揃えないグループ」です。
「ボリューム」については後述しますので、とりあえず今は「揃えるグループと揃えないグループを作ったわけね、はいはい」程度に覚えていただければ問題ありません。
次に、彼らは下半身の筋肉を鍛えるマシン「レッグプレス」を用いて、片脚ずつトレーニングを行いました。
どちらのグループも大まかな流れは全く同じで、片脚を週1回、もう一方の脚を週3回、8 〜 12RM・9セット / 週、計9週間の実施、イメージとしては ⇩ こんな感じです。
右脚 | 左脚 | |
日曜日 | ー | ー |
月曜日 | 9セット | ー |
火曜日 | ー | 3セット |
水曜日 | ー | ー |
木曜日 | ー | 3セット |
金曜日 | ー | ー |
土曜日 | ー | 3セット |
つまり、各脚で週あたりの頻度、および「1日あたりのセット数」が違うわけです。
ここから、グループの説明に入りますが、1つ目のボリュームを揃えるグループでは、両脚に対するトレーニングの量が統一されました。
例えば、月曜日に行った右脚のトレーニングで、
セット数 | 重さ | 回数 |
1セット目 | 100kg | 13回 |
2セット目 | 100kg | 12回 |
3セット目 | 100kg | 12回 |
4セット目 | 100kg | 11回 |
5セット目 | 100kg | 10回 |
6セット目 | 100kg | 9回 |
7セット目 | 100kg | 8回 |
8セット目 | 100kg | 8回 |
9セット目 | 100kg | 7回 |
こんなメニューをこなしたとしましょう。
疲労の関係で、セット数が増えるに伴い回数は減少していますが、全9セットトータルで見ると、1セットあたりの平均回数は10回になります。
そうして得られたデータを、今度は左脚にも適用して、
セット数 | 重さ | 回数 |
火曜日 1セット目 | 100kg | 10回 |
2セット目 | 100kg | 10回 |
3セット目 | 100kg | 10回 |
木曜日 1セット目 | 100kg | 10回 |
2セット目 | 100kg | 10回 |
3セット目 | 100kg | 10回 |
土曜日 1セット目 | 100kg | 10回 |
2セット目 | 100kg | 10回 |
3セット目 | 100kg | 10回 |
こんな感じにしたわけです。
要は「右脚と同じトレーニングの量の刺激を左脚にも与えたよ」これが、ボリュームを揃えるグループです。
一方、2つ目のボリュームを揃えないグループでは、両脚に対するトレーニングの量は統一されていません。
1日に9セットも行う右脚のトレーニングでは、疲労の関係で、セット数が増えるに伴い回数は減少しますが、3日に分けて9セット (1日あたり3セット) 行う左脚のトレーニングは、間に休息日を挟む関係である程度回復し、
セット数 | 重さ | 回数 |
火曜日 1セット目 | 100kg | 13回 |
2セット目 | 100kg | 12回 |
3セット目 | 100kg | 12回 |
木曜日 1セット目 | 100kg | 13回 |
2セット目 | 100kg | 12回 |
3セット目 | 100kg | 12回 |
土曜日 1セット目 | 100kg | 13回 |
2セット目 | 100kg | 12回 |
3セット目 | 100kg | 12回 |
こんな感じで、一気に9セット行う右足よりも、小分けにして9セット (3セット × 3日) の方が、より多くの回数の反復が可能になります。
「右脚よりも左脚の方がトレーニングの量が大きかったよ」これが、ボリュームを揃えないグループです。
ダラダラ長くなりましたが、要点をまとめると、
・ボリュームを揃えるグループは、週1回鍛える脚も、週3回鍛える脚も、トータルで見た時のトレーニングの刺激は同じ。
・ボリュームを揃えないグループは、週1回鍛える脚よりも、週3回鍛える脚の方が、トータルで見た時のトレーニングの刺激は強い。
ということです。
そして、結果はどうだったのかというと、
・全ての脚で、レッグプレスの最大重量、および大腿四頭筋の断面積は増加し、有意差は確認されなかった。
・ボリュームを揃えなかったグループでは、週1よりも週3の方が、レッグプレスの最大重量、および大腿四頭筋の断面積の増加における効果量は大きかった。
このようになりました。
よって、
・週あたりの頻度が異なれど、トータルで見た時のトレーニングの刺激 (ボリューム) が同等なのであれば、筋力向上や筋肥大の効果も同等になる。
・週あたりの頻度を多くすると、トータルで見た時のトレーニングの刺激 (ボリューム) を強くできるため、筋力向上や筋肥大の効果もより増大する可能性がある。
と、結論づけられそうです。
個人的な一言
こういった類の研究は他にもいくつか見られ、それらを読む限り、先ほどと同じ結論に落ち着く印象です。
時折りお客様から「もっと力や筋肉をつけたいんですが、やっぱり週1回よりも、週2回とか3回とかの方が良いんですかね?」的なご質問を受けることがあるのですが、その際は「はい。週あたりの頻度を増やした方が、トレーニングの効果は増大するかと思います。しかし、週1回と少なかったとしても、その分その時にガッツリトレーニングを行えば、週2回とか3回とかとそこまで変わらない効果を得ることができるはずです」とお答えしています。
ただ、後者のパターンでは、疲労がとんでもなく溜まる関係で、あまりオススメはできません。
最後に
今回は「週1回 vs. 3回 異なるトレーニング頻度が効果に及ぼす影響と違いについて」というタイトルで記事を書いてきましたがいかがだったでしょうか?
次回作もご期待ください。