公式LINE
メール
電話
Instagram
WEBで予約を完結
トレーニング

トレーニングの効果には個人差が出る 他人と自分を比べるメリット・デメリット

札幌市中央区東本願寺前駅にある、初心者向けスポーツジム フィットメソッドです。

トレーニングの指導をしていると、お客様から、

・スクワット、他の方はどれくらい挙げられるんですか?
・ベンチプレス、だいたい何kgが平均なんでしょうか?
・私の腹筋、相当弱い部類に入りますよね?

という感じで、他の方とご自身を比較されたご質問をいただく時があります。

私もトレーニングをしている身ですので、同じような疑問を持ったことは当然何回もあり、気持ちも痛いほどわかるのですが、個人的な経験論からお伝えすると、あまり気にされない方が良いかもしれません。

今回は「トレーニングの効果には個人差が出る 他人と自分を比べるメリット・デメリット」というタイトルで記事を書いていきます。

トレーニングの効果には個人差が出る

すでにご存知だとは思いますが、トレーニングの効果には個人差が、それも大きな個人差が出ることが確認されています。

例えば (1) では、トレーニング経験のない20歳前後の男性約50人を対象に、太ももの前の筋肉 (大腿四頭筋) を鍛えるエクササイズを、同じプログラムで行ってもらい、筋力・筋肉量がどのように変化するのかを調べています。

その結果がこちらです。

左のグラフ Change in force は「筋力の変化」を、右のグラフ Change in PCSA は「筋肉量の変化」を、各要素は個人の増加率を表しているのですが、かなりのばらつきが確認できます。

具体的な数値を出すと、

・筋力: −1 〜 44%
・筋肉量: −3 〜 18%

です。

※グラフをよく見ると、筋力・筋肉量が減ってしまった被験者もいるみたいですが、これは「測定の際に生じた誤差による可能性があり、実際には変化ない」と説明されています。

その他にも、これと似た研究はいくつか行われており、例えば部位が違う二の腕の筋肉 (上腕二頭筋) でも、同様の結果が得られています (2) 。

このように、トレーニングの効果には個人差が、それも大きな個人差が出るわけです。

では、なぜこのようなことが起きるのかというと、例えば年齢・栄養状況などいくつかの要因が考えられますが、最も大きな割合を占めるものとしては、alpha – Actinin – 3 (アルファ – アクチニン – 3) という遺伝子、言い換えると「持って生まれた才能」「天性のアレ」が関係しているとされています。

つまり、努力値とは関係なく、トレーニングの効果が出やすい人・出にくい人、力が増えやすい人・増えにくい人、筋肉がつきやすい人・つきにくい人が、生まれながらに存在しているということです。

ただ、このトピックはデリケートな部分を孕んでおり、若干扱いにくいテーマであるため、とりあえずはこの程度に留めておき、機会があったら詳しく記事にしようと思います。

他人と自分を比べるメリット・デメリット

先ほど、トレーニングの効果には個人差が出ることがわかりました。

そして、その理由として遺伝子が関係していることもわかりました。

そのため、個人的な経験論からお伝えすると、冒頭でお話しした通り、あまり他人と自分を比べない方が良いかもしれません。

ここで重要なのは「絶対に他人と自分を比べない方が良い」というわけではなく、あくまでも「あまり」という点です。

例えば、自分よりも筋肉量の伸び率が優れているAさんがいたとしましょう。

確かに、Aさんがどのようなメニュー・フォームでトレーニングを行っているのかを知ることで (比べることで) 、自分のメニュー・フォームを見直す良いきっかけになったり、モチベーションが向上したりと、良い影響が及ぶかもしれません。

劣っていた筋肉量も、Aさんから取り入れた新しいプログラムでトレーニングを行うことで、自分の限界だったはずの伸び率も、簡単に打破できることだってもちろんあるでしょう。

しかし一方で、遺伝子的にAさんはかなり恵まれており、自分は逆に恵まれていなかった場合はどうでしょうか?

それを知る術はほぼありませんので、仮にAさんのメニュー・フォームが不適切なものだとすると、自分のメニュー・フォームが相当安全かつ効率的であったとしても、良かれ良かれと取り入れてしまえば、今よりももっと筋肉量の伸び率が減少する可能性も考えられます。

そうすると、モチベーションもダダ下がりになってしまうかもしれません。

長くなりましたが、つまるところ他人と自分を比べることで「トレーニングの効果が大きくなることもあれば小さくなることもある。モチベーションが上がることもあれば下がることもある。良いこともあれば悪いこともある」ということです。

そのため、個人的には、他人と自分を比べるのではなく「過去の自分」と「現在の自分」を比較されることをオススメしています。

言い方を変えると「半年前・1年前からどう変わったのか?自分の成長を純粋に楽しみましょう」ということをオススメしています。

こうすれば、メニューやフォームが改悪されるリスクも、少しは減ってくれるはずです。

最後に

今回は「トレーニングの効果には個人差が出る 他人と自分を比べるメリット・デメリット」というタイトルで記事を書いてきましたがいかがだったでしょうか?

もっとも、トレーニング年数が20・30年と長くなればなるほど、いわゆる加齢の関係で、いくら鍛えていようと「半年前・1年前からまた衰えてしまった。年には勝てないか」と悲しくなることもあるかもしれません。

そんな時は、過去の自分ではなく「トレーニングをしていなかった時間軸の自分」をイメージし、現在の自分と比較されることをオススメしています。

トレーニングをしていなかった時間軸の自分は、現在の自分ほどの健康と美を手に入れられているのでしょうか?

きっと、そんなことはなかったでしょうから。

次回作もご期待ください。

 

参考文献

(1) Inter-individual variability in the adaptation of human muscle specific tension to progressive resistance training

(2) Variability in muscle size and strength gain after unilateral resistance training

関連記事

  1. SNSはダメ? スマホの使用でトレーニングの質が下がるって本当?

  2. ダイエットの減量スピードは1ヶ月あたり体重の5%未満に留めておいた方が良い

  3. フォームの重要性 フォームの違いがベンチプレスの挙上重量に及ぼす影響

PAGE TOP