札幌市中央区東本願寺前駅にある、初心者向けスポーツジム フィットメソッドです。
今回は「どのエクササイズから始めるべきか?トレーニング種目の順番について」というタイトルで記事を書いていきます。
最初に結論からお伝えしますと、基本的には、
① フォームが難しい&危険度の高い種目からスタートする
② 伸ばしたい種目 (鍛えたい部位) を最初の方に持ってくる
③ 拮抗する筋肉 (動作) を交互に取り入れる
以上3点を考慮されることをオススメしています。
前置き:トレーニング種目の順番は効果に影響を及ぼす
種目の順番がトレーニングの効果にどのような影響を及ぼすのかを調べた研究はいくつか実施されています (1) 。
それを見てみますと、
筋力:最初に行われた種目の方が後に行われた種目よりも大きく向上
筋肥大:種目の順番の影響は見られない
とのことです。
少し詳しく説明をしていきます。
まず「筋力」とは、筋肉が発揮する力のことを指します。
日常では「筋力が落ちて階段の上り下りがキツい」とか「筋力を増やしてスポーツ競技力をレベルアップさせよう」とか、こんな感じで使用されます。
ここに体型の同じAさんとBさんがいたとして、Aさんは100kgの重りを、Bさんは10kgの重りを持ち上げられるとしたとき、Aさんの方がBさんよりも筋力が大きい (Aさんの方がBさんよりも力がある) と考察可能です。
※どれくらいの重さを持ち上げられるかは、筋力だけでなくテクニック・慣れ・柔軟性・体調など様々な要素が関係するため「重たいものを持ち上げた方が筋力が大きい」とは必ずしも言えないのですが、まあザックリとイメージしやすくするための例え話だと思っていただければ幸いです。
先ほど、筋力に関しては「最初に行われた種目の方が後に行われた種目よりも大きく向上した」と記載しましたが、わかりやすく例を挙げると、
① スクワット → ベンチプレス
② ベンチプレス → スクワット
こんな2パターンがあったとしましょう。
このとき、①のパターンではスクワットで持てる重さは10%、ベンチプレスで持てる重さは5%向上、②のパターンではベンチプレスで持てる重さは10%、スクワットで持てる重さは5%向上、こんな感じになるということです (かなりザックリ説明しています) 。
最初に行われる種目の方が後に行われる種目よりも、肉体的&精神的な疲労が少ない状態で実施できますので、おそらくそれが理由の1つではあるでしょう。
次に「筋肥大」ですが、これは筋肉が大きくなること = 筋肉量の増加を意味します。
しかし、筋肥大に関しては「種目の順番の影響は見られない」とのことですので、
① スクワット → ベンチプレス
② ベンチプレス → スクワット
こんな2パターンがあったとしたとき、①のパターンでは太ももの筋肉が10%、胸の筋肉が10%増加、②のパターンでも胸の筋肉が10%、太ももの筋肉が10%増加、こんな感じになるということです (かなりザックリ説明しています) 。
個人的には、筋力だけでなく筋肥大に関しても「最初に行われた種目の方が後に行われた種目よりも大きかった」という印象があったので意外ではありました。
しかし、筋力が向上すると筋肥大にも良い影響が出るのはほぼ確実ですので、おそらくこれは研究期間の長さが関係しているのかなと考えています。
もっと研究期間を長くすれば、筋力だけでなく筋肥大に関しても、最初に行われた種目の方が後に行われた種目よりも大きくなりそうです。
本題
ではここから本題に入っていきますが、結局のところトレーニングは自己満足の世界ですし、何を理想とするかは人それぞれで異なります。
そのため、極論やりたい種目から始め、お好きな順番で進めていただいてOKです。
しかし、これは個人的な経験論になるのですが、やりたい種目から始めると怪我のリスクが高まる可能性が懸念されます。
一般的に、トレーニングをする場合は1回のワークアウトで5種目前後の種目を1時間程度かけて行うはずです (後半になるにつれヘロヘロになるかと思います) 。
当然、最初に行われる種目の方が後に行われる種目よりも、肉体的&精神的な疲労が少ない状態で実施できます。
ということを考えたとき、フォームが難しい&危険度の高い種目があるとすると、後に行うよりも最初に行った方が怪我のリスクは減るはずです。
そのため、パーソナルトレーナーとしての見解をお話しさせてもらうなら、フォームが難しい&危険度の高い種目からスタートするのが望ましいかと思います。
そして、先述した通り少なくとも筋力に関しては「最初に行われた種目の方が後に行われた種目よりも大きく向上した」との報告もありますので、フォームの難しさや危険性を踏まえたうえで、伸ばしたい種目 (鍛えたい部位) を最初の方に持ってきた方が良いかもしれません。
また、これも個人的な経験論になるのですが、お好きな順番で進めていただくと筋バランスが乱れ不調を招く可能性が懸念されます。
例えば、胸を鍛える (押す) 種目を3種目、背中を鍛える (引く) 種目を3種目行う場合、胸→胸→胸→背中→背中→背中のような順番にすると、まず間違いなく胸の方が背中よりも発達していきます。
こんなメニューを継続すると「胸は Lv.10 鍛えられたけど、背中は Lv.5 しか鍛えられなかった」みたいになるはずです。
つまり、強い部位と弱い部位が生じてしまう = 筋バランスが乱れてしまうわけです。
筋バランスの乱れは不調を招く原因の1つと考えられており、現に太もも裏のハムストリングスはよく肉離れを起こす箇所として知られていますが、その理由に太もも前との筋力差が挙げられています (2) 。
そのため、パーソナルトレーナーとして見解をお話しさせてもらうなら、胸を鍛える (押す) 種目を3種目、背中を鍛える (引く) 種目を3種目行う場合、胸→胸→胸→背中→背中→背中ではなく、胸→背中→胸→背中→胸→背中のような拮抗する筋肉 (動作) を交互に取り入れるのが望ましいかと思います。
最後に
今回は「どのエクササイズから始めるべきか?トレーニング種目の順番について」というタイトルで記事を書いてきましたがいかがだったでしょうか?
極論やりたい種目から始め、お好きな順番で進めていただいてOKですが、基本的には、
① フォームが難しい&危険度の高い種目からスタートする
② 伸ばしたい種目 (鍛えたい部位) を最初の方に持ってくる
③ 拮抗する筋肉 (動作) を交互に取り入れる
以上3点を考慮されることをオススメしています。
次回作もご期待ください。
参考文献
(1) What influence does resistance exercise order have on muscular strength gains and muscle hypertrophy? A systematic review and meta-analysis
(2) Relationship between hamstring strains and leg muscle strength. A follow-up study of collegiate track and field athletes
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